【採用こっそり相談室】完全版!採用ブランディングで意識すべきポイントを徹底解説
弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。
今回のテーマは、「採用ブランディング」についてです。
本記事では、動画内容のポイントをまとめています。
●採用ブランディングの定義
選ぶ時代が終わり、選ばれる時代になり、採用難が続く昨今。「選ばれる企業」になるために、ますます重要な取り組みとなるのが、採用ブランディングです。まずは、採用ブランディングの定義を揃えておきたいと思います。
採用ブランディングの定義は、「魅力的な認知の浸透度を高め続ける活動」です。つまり、その企業の魅力的な認知を、できる限り多くの採用ターゲットに浸透させた状態を作れるかということ。さらには、その状態を保つための活動を「続ける」という点が、採用ブランディングのポイントです。一度浸透したから終わりではなく、浸透させ続けることが重要です。
次に、採用ブランディングにおける3つのポイントについて、順に解説します。
●採用ブランディングのポイント①:一貫性のある軸をつくることが出発点
みなさんがご存知のブランドも、何かしら一貫性のある軸があるのではないでしょうか。
例えば、日清食品さん。CMがすごくユニークですよね。いろんな商品のCMがありますが、どれも共通の雰囲気・面白さがあり、日清食品としての企業PR、商品PR、ブランドの軸をつくっている例です。CMが印象に残るだけでなく、「日清食品ぽいな」と思ったりもします。このように、「魅力的で面白いな」と思えるようなブランディングは、採用の世界でも同じです。
ここ数年、個人的に大好きなブランディング活動に、伊藤忠商事さんの取り組みがあります。「ひとりの商人、無数の使命」というスローガンで、一貫した訴求をさまざまな媒体で展開していました。「一人ひとりの社員が主役であり、無数の使命を持って仕事に取り組んでいる」ということを、社員のイラストを交えた広告展開でPR活動をした結果、総合商社の中でも伊藤忠商事さんの人気は上がり、魅力的な会社としての認知も浸透度が高まりました。「ひとりの商人、無数の使命」というキャッチコピーから、一貫性のある軸が明確になった、とても良い例です。
日清食品さんや伊藤忠商事さんの例からも、「軸」の重要性はお分かりいただけたと思いますが、採用ブランディングには、採用3C分析が重要になります。
改めて、3Cとは、「Company・自社の魅力」、「Candidate・候補者のニーズ」、「Competitor・競合のアピール」です。自社の魅力と候補者のニーズが合致する「共感」、さらには競合のアピールを分析して、何が「差別化」できるかを考え、企業姿勢~組織風土までの9つのカテゴリーのどこに軸をおくかを明確にした上で、そこから自社らしい一貫性のあるメッセージを開発するのが、採用ブランディングにおける出発点となります。これは、昔も今も変わらない、採用ブランディングの普遍の要諦でもあります。
【関連記事】以下の記事では、採用3C分析の実践方法やポイントを詳しく解説しています。併せてご覧ください。
採用における3C分析とは?メリットや実践方法を徹底解説!
●採用ブランディングのポイント②:オーガニックな浸透の重要度が上がっている
オーガニックな浸透(自然な浸透)の分かりやすい一つ目は、クチコミサイトです。
代表的なものには、企業の魅力がスコアで可視化され、競合との比較も出る「Open Work」や、企業の元社員による会社の評価や学生による会社の評価がスコアで見える「就活会議」などがあります。定量で見える点にとても大きな影響力があり、このサイトを参考にしながら「応募しようかな?」「入社しようかな?」と考える学生も増えています。
これらは、オーガニックな浸透(自然な浸透)であり、逆を言えば、人事や企業側がコントロールしにくい(できない)情報です。しかしながら、クチコミサイトの重要度は上がっているため、難しいながらも「クチコミを高めるにはどうすればよいか」は、重要なポイントになります。
また、検索の技術が進化し、情報に辿り着きやすい社会にもなっています。例えば、YouTubeで「新卒採用」と検索すると、新卒採用を行っている企業のブランドムービーやコンセプトムービーなども表示されます。
YouTubeに一般公開されている各社の動画は再生回数も多く、動画をアップしておけば、学生側から見つけてもらえる、容易に辿り着くことができ得るマーケットになっています。
その他、インスタグラムに公式アカウントを開設したり、「インスタOB・OG訪問」というコンテンツを展開し、魅力的な認知の浸透を高める活動をしている企業もあります。
このように、コンテンツをストック型でYouTubeやInstagramなどに置いておけば、自然と見つけてもらえる機会が増えている、という点が採用ブランディングにおける最近のトレンドです。
●採用ブランディングのポイント③:ホームラン狙いはハイリターンだが効果短い
「ホームラン狙い」とは、テレビや新聞記事に大きく取り上げられるようなことです。
マスメディアに取り上げられることのリターンは大きく、魅力的な認知の浸透度も一気に上がります。ただ、当たればリターンは大きいですが、せっかくの話題作りがメディアに取り上げてもらえないリスクや、効果としては期間限定的になる点をおさえておきましょう。
例えば、今年はコロナによる制限が緩和されたことで、ユニークな入社式を行う企業が増えました。国立競技場での入社式や、鉄道車両を会場にした入社式などもメディアで大々的に取り上げられました。
マスメディアに取り上げられるようなユニークな取り組みをすると、企業の認知度も上がり応募数も増えたと思います。しかし、来年・再来年と時間が経つにつれて効果は薄くなる、ということもふまえておくのがよいと思います。
その他、今話題の対話型AI(Bing)にも、「最近の新卒採用で話題になったユニークな取り組み事例をいくつか教えて」と聞いてみたところ、体育会スカウト採用、いちゲー採用、留年採用、野球採用、筋肉採用などがありました。このようなエッジの立った募集をすることで、メディアに取り上げられ認知度が上がるというのは、以前からもあります。効果としては限定的なものになりますが、今も様々な取り組みがあります。
●採用ブランディングの実践方法:4象限を意識して戦略を組み立てる
採用ブランディングのポイント①~③をふまえて、重要なことは、以下の4象限を意識して自社ならではの戦略を組み立てることです。
縦軸:アウター(外部向け)↔ インナー(内部/社員向け)
横軸:アグレッシブ(積極的な広報)↔ オーガニック(自然な浸透)
となります。
●「一貫性のある軸×露出量」で広める採用ブランディング
この4象限のうち、王道は左上「アウター×アグレッシブ」です。
「自社らしく、ターゲットに刺さり、競合が言いにくいこと」を見つけて、それに沿った軸のあるメッセージを確立するのが出発点となります。そして、一貫性のある軸・メッセージの浸透度を高めるために、ターゲットに対する露出量をいかに担保できるかがシンプルな答えです。ある程度予算のある企業に強いのが、アウター×アグレッシブです。
この戦略がうまくいくと、結果的にはインナーブランディングの副次効果もあります。
自社のPRが世の中に広がることで、「うちの会社はすごい!」と家族に自慢できたり、「うちの会社ってこんな良さがあったんだ!」と再確認することで社員の愛着も高まるため、有効な投資になります。
【関連記事】
採用コンセプトメッセージの効果的な作り方と活用方法
●採用マーケットのトレンドにフィットする「ストックメディアの運用」
冒頭でお伝えした通り、「魅力的な認知の浸透度を高め続ける活動」とは、永久にやり続ける活動です。オーガニックの重要度が高まっているが故に、やり続けないと魅力的な認知は下がってしまいます。
そこで、重要となるのがストックメディアの運用(4象限の右上)です。YouTubeやInstagramなどのメディア内に、「自社らしさ」が伝わるコンテンツをアップし続けていくことで、ターゲット側から見つけてくれて、クチコミなども含め、魅力的な認知が横展開で広がりやすいマーケットになっています。ぜひ、ストックメディアの運用は意識していただきたいポイントです。
●中長期視点で重要なES向上(社員満足度の向上)
さいごに、4象限の右下「オーガニック×インナー」について解説します。これは、ES向上(社員満足度の向上)といえます。今いる社員から、「うちの会社で働いていてよかった!」と思ってもらえるかどうかが、結果としてクチコミサイトへの影響につながり、魅力的な認知のオーガニックな浸透につながります。4象限の右上「アウター×オーガニック」のためにも、ES向上(社員満足度の向上)に取り組むことは、中長期的な観点からとても重要になります。
この4象限すべてを意識して取り組むのが「採用ブランディング」ですので、継続的にチャレンジしようという企業さまは、上記のポイントを意識していただくことをおすすめします。
動画では、「採用ブランディングで意識すべきポイント」について、より詳しい解説がありますので、今後の採用活動の参考にしていただけましたら幸いです。
引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分前後にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください(火曜日配信)。チャンネル登録もお待ちしております!
【関連記事】以下の記事でも、採用ブランディングの設計ポイントをまとめて解説しています。併せてご覧ください。
採用ブランディングの設計ポイント、実践に欠かせない5つのステップを解説!
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