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ブランディング

採用コンセプトメッセージの効果的な作り方と活用方法

田邊宏明
採用コンセプトメッセージ

採用コンセプトメッセージは採用ブランディングの核となるメッセージであり、企業の理念やビジョン、価値観、働く魅力などを表現したものです。採用サイトや求人広告、インターンシップなどの採用活動において一貫性を持たせるための重要な基盤となります。
採用コンセプトメッセージの作成は簡単ではありません。自社の魅力や特徴を明確にすることが難しいだけでなく、ターゲットとなる人材に響く言葉選びも一苦労です。また、採用コンセプトメッセージは採用サイトに掲載しておけば効果が出るものでもありません。
そこで今回は採用コンセプトメッセージの効果的な作り方と活用方法をご紹介します。

採用コンセプトメッセージを策定する意義・メリット

採用サイト制作や採用コンサルティングを外部企業に依頼したとき、高頻度で出てくるのが「採用コンセプトメッセージを策定しましょう」という言葉です。果たして採用コンセプトメッセージは、採用活動に欠かせないものなのでしょうか。
結論から言えば、採用コンセプトメッセージがあるからといって採用活動の成功が保証されることはありません。しかし、採用活動における具体的なコミュニケーション施策を考えるうえで、採用コンセプトメッセージは指針となる重要な役割を果たすだけでなく、いくつかのメリットをもたらしてくれます。

採用ターゲットに自社の魅力や特徴を効果的に伝えられる

採用コンセプトメッセージは、採用ターゲットのニーズや課題に対して、自社がどんな価値を提供できるのか、どのような印象を与えるかを明確にすることで自社の魅力を訴求、他社との差別化を図ることができます。

採用活動において一貫性や統一感を持たせることができる

採用コンセプトメッセージは、採用サイトや求人広告、イベントなどの採用活動において、基盤となるメッセージです。採用コンセプトメッセージに沿って、採用活動のコンテンツやビジュアル、トーン&マナーを設定することで、採用活動において一貫性や統一感を持たせることができます。これにより、採用ターゲットに対して自社のブランドイメージを強化(=個性や魅力の認知)することができます。

採用後のミスマッチを防ぐことができる

採用コンセプトメッセージの中で自社の価値観や社風、求める人物像などを表現することで、採用ターゲットに対して自社が求める人材像を明確に示すことができます。これにより、採用ターゲットが自社に対して興味や関心を持つだけでなく、採用後のミスマッチを防ぐことにもつながります。


採用コンセプトメッセージ策定の5STEP

採用コンセプトメッセージの策定方法に決まりはありませんが、以下の5STEPを踏むことがおすすめです。

●STEP1. 採用ターゲットの明確化

まずは、自社が採用したい人材像を明確にすることから始めます。
採用ターゲットは、自社のビジネスや組織の成長を見据えて必要となる人材です。年齢や性別、学歴や職歴、スキルや経験、価値観や志向など、さまざまな要素で定義していきます。採用ターゲットのニーズを明確にすることで、何を伝えれば自社に振り向いてもらえそうかをあぶりだし、採用コンセプトメッセージの方向性を見出します。

●STEP2. 自社の魅力や特徴の分析

次に、自社の魅力や特徴を分析します。
自社の魅力や特徴は、採用競合となる他社と比較して優れている点や、自社らしい文化や環境などを指します。企業理念やビジョン、バリューの整理、競合他社の分析、社員へのアンケートやインタビュー、採用3C分析などのフレームワークを活用しながら、自社の魅力や特徴を言語化していきましょう。

【関連記事】採用3C分析の基本的な考え方・効果・実践方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
採用における3C分析とは?メリットや実践方法を徹底解説!

STEP3. 採用コンセプトの決定

採用コンセプトは、採用ブランディングの核となるコンセプトです。
【採用ターゲット】に対して【自社の魅力や特徴】を伝えるためのテーマや方向性を決定します。採用ターゲットに対して自社がどのような価値を提供するか、どのような印象を与えるかを明確にしていきます。

【関連記事】「採用コンセプト」とは何か?どうやって考えればよいものなのか?

●STEP4. 採用コンセプトメッセージの作成

採用コンセプトを具体的に表現したものが、採用コンセプトメッセージです。
採用コンセプトに沿ったキャッチコピーや、キャッチコピーに込めた思いを語る文章(ボディコピー)を作成していきます。また、採用コンセプトの世界観を伝えるビジュアルも、この段階で制作すると世界観を統一することができるので、採用サイトや説明会スライドなどへの展開もスムーズになります。

●STEP5. 採用コンセプトメッセージの検証

採用コンセプトメッセージを作成したら、最後に検証することが重要です。
採用コンセプトに沿っているか、採用ターゲットに対して自社の魅力や特徴が正しく伝わっているか、採用競合と差別化できているかなどを確認していきます。検証方法としては、社員や求職者へのアンケートなどがあり、必要に応じて改善していきます。


採用コンセプトメッセージの活用方法

策定した採用コンセプトメッセージをあらゆる採用コミュニケーション場面で活用することで、自社の魅力や特徴、人材像を伝えることができ、採用活動の効果を高めることができます。採用コンセプトメッセージを活用する方法としては、以下のようなものが考えられます。

1.採用コンセプトメッセージを社内共有する

社内共有の目的は、採用に関わる社員の間で一貫性や統一感を持たせることにあります。
採用コンセプトメッセージは採用活動の指針であり、採用コミュニケーションシーンにおいて採用コンセプトに基づいた行動や発言によって採用ブランドが形成されます。また、社内で採用コンセプトメッセージの策定に至った背景を周知、理解や共感を得ることで、採用活動における社員のモチベーションや責任感を高めることができます。社内共有の方法はメール等でもかまいませんが、採用コンセプトが意図する内容を正確に伝えるためには、できる限り対面で説明することをおすすめします。

2.採用コンセプトメッセージを各種採用メディアに反映させる

採用コンセプトメッセージを各種採用メディアに反映させることで、求職者に対して自社の魅力や特徴、人材像を伝えていきましょう。求人媒体、説明会スライド、採用ピッチ資料、採用パンフレット、採用サイト、採用動画、各種SNSなど採用コンセプトメッセージに沿ったビジュアル、トーンアンドマナーを設定、一貫性や統一感を持たせることで、自社の採用ブランド強化につなげていきます。

3.採用コンセプトメッセージを採用イベントに活用する

採用コンセプトメッセージは、インターンシップ、企業説明会、面接などの場においても、コミュニケーションの基盤となります。採用コンセプトメッセージに沿った各種採用イベントのテーマや内容、進行や発言を設定することで、採用イベントにおいて一貫性や統一感を持たせることができます。


採用コンセプトメッセージは、使いやすいかどうか

採用コンセプトメッセージにおいて、「インパクトのあるキャッチコピー」は、非常に重要です。ただし、どれだけ尖った表現だとしても、使いにくいものであれば、採用活動において十分な効果を得ることができません。採用コンセプトメッセージを策定する際には、社員が自社の魅力を伝える際の軸となるメッセージであることを忘れずに、使いやすさを重視することが大切です。では、使いやすい採用コンセプトメッセージとはなんでしょうか。
採用コンセプトは、「かっこよさ」より「使いやすさ」。
こちらの記事を参考に、3つのポイントを紹介します。

1.そのメッセージは、自社らしいか

採用コンセプトメッセージは、自社の魅力や特徴を表現するものです。
他社には言いにくい、自社らしい表現が重要です。理念やビジョン、カルチャー、強みや弱みなどを踏まえて、採用ターゲットに対して自社のポジショニングを明確にすることで、自社の個性を際立たせることができます。また、社員が自社の魅力を語る際にも、自社らしいメッセージであれば、自信を持って伝えることができます。

2.そのメッセージは、おもしろいか

採用ターゲットに対して自社の魅力を伝えるメッセージは、おもしろいことも重要です。
おもしろいとは、一目で伝わる、一度で覚えられる、シンボリックでインパクトのあるメッセージという意味です。採用ターゲットは、多くの採用情報に触れていますから、印象に残るメッセージでなければ、自社の魅力を訴求することはできません。また、社員が自社の魅力を語る際にも、おもしろいメッセージであれば楽しく伝えることができます。

3.そのメッセージは、分かりやすいか

分かりやすいとは、複数ある自社の魅力を串刺しにして、一貫性を持って伝えられるメッセージという意味です。
採用ターゲットは、自社の魅力だけでなく、自社が求める人材像や働くイメージも知りたいと思っています。採用コンセプトメッセージに沿ったコンテンツやビジュアルを展開することで、自社の魅力を分かりやすく伝えることができます。また、社員が自社の魅力を語る際にも、分かりやすいメッセージであれば、説得力を持って伝えることができます。


採用コンセプトメッセージのプロジェクト事例紹介

いかがでしょうか。採用コンセプトメッセージは、単に自社の魅力を言語化するものではなく、あらゆる採用コミュニケーションシーンで軸となる大切な基盤です。自社の魅力を伝えるうえで、明確な顔つきがつくれていないという課題を抱えているならば、ぜひ採用コンセプトメッセージの見直し、策定に取り組んでみてください。
最後に、採用コンセプトメッセージ策定に関連したプロジェクトをご紹介しますので、ご参考になれば幸いです。


お役立ち資料

いかがでしたでしょうか。採用コンセプトメッセージの効果的な作り方と活用方法をご紹介しました。関連して、採用ブランディングのポイントや実践に必要なステップをまとめた資料「採用ブランディングの成功ステップと事例」も、以下よりダウンロードできますので、ぜひお役立てください。

【関連記事】
以下の記事では、採用ブランディングの設計ポイントをまとめて解説しています。併せてご覧ください。
採用ブランディングの設計ポイント、実践に欠かせない5つのステップを解説!

【関連動画】採用こっそり相談室
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田邊宏明
コピーライター/ディレクター

広告は、目立ってナンボの世界でもあります。ただ、たとえ派手さはなくても、相手のことを思いやる人間らしい誠実なスタンスこそが、人を動かすということを忘れないでいようと思います。腹の肉を追いやるため、なにか運動をはじめようかと思案中。


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