採用ツールで成果を出すコツと、効果的な活用方法。
売り手市場が続く採用市場。今まさに、母集団形成や内定承諾後の辞退に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。超売り手市場、採用情報のオープン化、採用活動のオンライン化など様々な背景を受け、採用ツールも多様化しています。しかし、「何をつくればいいかわからない」「つくってみたものの反響が少ない…」といった課題を抱えている方も多いかと思います。
そこで本記事では、採用力強化につながる採用ツールの選び方、採用フローにおける具体的な活用場面・活用方法をご紹介します。また、ダウンロード資料として、各種採用ツール制作の事例集および、弊社ジャンプのクリエイティブ制作のステップをまとめた「採用ブランディングにつながる採用クリエイティブの作り方」をご用意しています。採用ツール活用にお役立ていただけましたら幸いです。
■採用ツールは、「何をつくるか」よりも「何を解決するか」
採用ツールを取り入れる一番の目的は、「採用コミュニケーション課題の解決」です。具体的には、「自社で働く魅力がうまく伝わっていない」「採用競合との差別化ポイントが伝わっていない」など、企業の強みや想いが学生に正しく理解されないという課題への解決手段です。
一方、「企業説明会の集客力が弱い」「内定辞退率が高い」など、採用コミュニケーション課題に付随して起こるのが「採用課題」。採用ツールの導入によって、直接的に解決が期待できるのは採用コミュニケーション課題ですが、結果的には採用課題の解決にもつながります。この点が、採用ツール導入のメリットでもあります。
ここで注意が必要なのは、ただ単に採用ツールをつくるだけでは、期待していた効果が得られない可能性があります。
まずは、自社が抱える採用コミュニケーション課題を洗い出し、何のために採用ツールを活用したいのかを明らかにしましょう。そうすることで適切な場面で最適なコミュニケーションが取れるようになり、はじめて十分な効果が期待できるのです。
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■適切な採用ツールをつくるために考えるべきこと
採用ツールの効果を最大限に発揮させ、採用活動を効率的に進めるためには、自社が抱える課題に最も適したツールをつくることが重要です。ここでは、採用ツールをつくる前の準備として実施しておくべきことを説明します。
1.採用フローのどの場面で、何のために採用ツールを使うかを考える
まずは、「採用フローのどの場面で、何を解決したいのか」について考えてみましょう。
たとえば、「企業説明会に参加してくれる学生は多いものの、選考への移行率が低い」という課題解決を目的とした場合を想定します。次のステップとしては「学生が選考に進みたいと思ってくれないのはなぜなのか」を考える必要があります。
ここで「自社事業の社会貢献度の高さが伝わっていない」という採用コミュニケーション課題が原因ということがわかれば、視覚を通し多くの情報を伝えられて、学生の記憶にも残りやすい「採用ブランディングムービー」という採用ツールを選定することができます。
このように、採用フローの中でコミュニケーションがうまくいっていない場面を洗い出し、「どのように課題を解決し、どんな目的を達成したいのか」を明確にするのが重要です。これにより、数ある採用ツールのうち何を選択し、どのような内容にすれば良いかを判断できるようになります。
2.採用ターゲットを考える
自社が採用したい人物像を具体的に設定するのも重要です。
たとえば「コミュニケーション能力が高く、リーダーシップもあって、打たれ強い学生」と言えば聞こえは良いですが、これではターゲットがあやふやで、どこでどのようにアプローチするのが効果的かを設定することができません。
採用ターゲットを設定するのにはいくつか方法がありますが、「今後求められる人材」と「社内で今活躍している人材」の2パターンに分けて考えるのが良いでしょう。前者の場合、自社の経営戦略をもとに数年後必要になる人材について、経営層の想いも汲み取りながら具体化するのが重要です。
後者の場合、社内で活躍している社員にスポットを当て、実際にインタビューなどで話を聞いてみると具体的なイメージを掴めるでしょう。
最終的には、学生の「大学群」「学部・専攻」「志望企業群」「ライフスタイル」など、ターゲットを1人の人物としてイメージできるくらいまで落とし込めると、採用ツールを活用して訴求するべき内容も明確になります。
3.自社の働く魅力を考える
採用活動において重要なのは、自社ならではの、採用ターゲットに刺さる魅力を伝えることです。とは言え、難しく考える必要はありません。まずは自社で働いていて感じる魅力を言語化してみましょう。
たとえば、「自社が扱う商品やサービス(事業商品)」、「仕事内容のやりがい(仕事特性)」、「一緒に働く社員や経営者が魅力的(人的資産)」など、どんなことでも構いません。自社の魅力が言語化できたら、それぞれの内容が採用ターゲットに響くのか、他社にはない魅力かなど、複数の視点から検証することから始めてみましょう。
ジャンプは、人材採用に「3C分析」を取り入れた採用マーケティングツール「STRUCT FINDER」を開発しました。
会社の強みを9カテゴリ45ファクターに分類し、「自社」「候補者」「競合」それぞれのパラメーターを設定することで、どこに軸となる独自価値がありそうかシミュレーションすることが可能なツールです。詳細は以下より、ご覧いただけます。
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4.採用コンセプトを開発する
採用コンセプトとはいわば求職者との約束であり、「採用活動におけるあらゆる場面で、一貫して学生や求職者に伝えるメッセージ」のことです。
たとえば、企業説明会では「若手が挑戦できる」、採用サイトでは「チームワークが自慢」、面接官は「個が活躍している」、社長は「経営が安定している」など、伝える内容に一貫性がなかった場合、求職者は「この会社で働く魅力は、結局何なんだろう?」「説明会と面接で言っていたことが違うな…」など、自社について何も覚えてもらえないどころか、求職者の信頼を損ねてしまうことにもなりかねません。
機能するコンセプトを開発して採用ブランディングが確立できれば、メッセージに共感する採用ターゲットが集まりやすくなります。採用活動の生産性向上も期待できるため、採用ツールをつくる際には、採用コンセプトの開発を検討することも強くオススメします。
また、デザインに関しても一貫性をもたせることを意識してみましょう。採用コンセプトの開発方法については下記の関連記事を参照してみてください。
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「採用コンセプト」とは何か?どうやって考えればよいものなのか?
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■代表的な採用ツールと、採用フローにおける活用方法
採用ツール導入の目的、採用ターゲット、自社の魅力が明らかになれば、採用フローごとに最適な採用ツールを検討しましょう。
ここでは、代表的な採用ツールを6つご紹介します。以下の表と照らし合わせ、採用ツールごとの主な役割や、採用フローにおけるコミュニケーションポイントもご確認ください。
①採用サイト
求職者にとってもっとも身近なツールの1つが「採用サイト」です。就活生・転職希望者の多くが閲覧する採用サイトは、採用情報が1つにまとまった総合プラットフォームのような役割を果たします。
採用サイトには、自社の存在をすでに知っており、さらに詳しく知りたいと思った人が訪れるケースが多いです。そのため、認知拡大というよりは、「自社の事業や仕事内容の理解を深める」、「社風や企業理念へ共感してもらう」といった幅広い役割を担えます。
パソコンやスマートフォンから気軽に閲覧できるため、どの採用ツールよりも接触回数が多いのもポイントです。
主な役割:「認知」「興味・関心」「共感」「理解」「安心」
主なコミュニケーションポイント:エントリー前、企業説明会、選考、内定
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弊社ジャンプが提供する採用HP制作の事例集もご用意しております。ダウンロード申請の上、ご活用ください。
②採用オウンドメディア
「採用オウンドメディア」とは、採用活動を目的とした自社メディアを指します。
採用ターゲットに向けて継続的に情報を発信することで、自社の社風や風土について理解を促し、共感を醸成できます。
エントリーや応募に直接つなげる役割が強い「採用サイト」とは異なり、より長期的な視点で自社のファンをつくり、これから就職活動や転職活動を控える潜在層に自社を候補の1つに入れてもらうことが狙いです。
社員紹介や自社イベントの紹介など、発信するコンテンツの自由度が高いのも採用オウンドメディアの特徴です。コンテンツを通し会社が大切にしている価値観を浸透させることで、入社後のミスマッチも防ぐことができるでしょう。
主な役割:「認知」「興味・関心」「共感」「理解」「安心」
主なコミュニケーション場面:エントリー前、選考
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③採用パンフレット/ばらまきツール
日本には数百万社もの会社があり、一般的に名前が知られている企業は全体の1%以下とも言われています。そこで、自社の存在を知ってもらうための「攻め」のツールとして効果的なのが、「採用パンフレット」や合同企業説明会などで配布する「ばらまきツール」です。
企業エントリーや採用サイトへの訪問など、オンライン施策への入り口としても活用されることの多いツールです。企業理解を促すのはたくさんの情報量を伝えられる採用サイトに任せ、採用パンフレットやばらまきツールではインパクトのあるメッセージやデザインで自社の認知拡大を狙いましょう。
主な役割:「認知」「興味・関心」「共感」「理解」「安心」
主なコミュニケーション場面:エントリー前、企業説明会
弊社ジャンプの採用パンフレット制作事例集もご用意しております。ダウンロード申請の上、ご活用ください。
④採用動画
写真や文章よりも情報量が多く、演出次第では強く記憶に強く残せるのが「採用動画」のメリットです。自社の事業や仕事内容、社員や会社の雰囲気をありのままに伝えられるため、新卒の学生や転職希望者から高いニーズがあります。
文章を読むことがストレスに感じる人や、TikTokなどの映像コンテンツに普段から慣れ親しんだ昨今の就活生に気軽に見てもらいやすいのも、採用動画の特徴です。そのため、自社の認知度向上やイメージアップ、入社後のミスマッチ防止策としても活用されています。
主な役割:「認知」「興味・関心」「共感」「理解」「安心」
主なコミュニケーション場面:エントリー前、企業説明会、内定
弊社ジャンプが提供する採用ムービー制作の事例集もご用意しております。ダウンロード申請の上、ご活用ください。
⑤イベントブース装飾ツール
多くの企業が参加する合同企業説明会などの採用イベントでは、一瞬で求職者の目を引き、自社ブースに足を止めてもらわなくてはなりません。そこで活用したいのが、ブースを彩る「装飾ツール」です。
装飾ツールには、ポスターやのぼり、椅子カバーなどさまざまな種類があります。来場者を惹きつけられるよう、インパクトのあるデザインやキャッチコピーなどを掲げましょう。
主な役割:「認知」「興味・関心」「共感」「理解」「安心」
主なコミュニケーション場面:企業説明会
⑥内定者フォローツール
超売り手市場が続く採用活動。人材の獲得競争は年々激しさを増しています。優秀な学生が複数の内定を集める状況の中、自社の内定辞退を防ぐために有効なのが「内定者フォローツール」です。
入社にあたっての懸念点について、採用パンフレットや採用サイト、採用動画などを使って払拭するのがその狙いです。自社がいつ、どこで内定者とコミュニケーションを取るかを詳細に設計し、内定者フォローツールをつくり上げていきましょう。内定者本人だけではなく、その家族が見たときにも安心してもらえるような構成にすると良いでしょう。
役割:「認知」「興味・関心」「共感」「理解」「安心」
コミュニケーション場面:内定
■まとめ
以上、採用ツールについて「導入する目的」「ツール作成前に考えておくべきこと」「採用ツールごとの効果的な活用方法・活用場面」についてご説明しました。
効果的な採用ツールをつくるのに重要なのは、以下の3つです。
1.採用フローのどの場面で、どんな採用コミュニケーション課題を解決したいのかを明確にする
2.採用ターゲットを具体化する
3.他社にはない、自社ならではの働く魅力を洗い出す
これらのステップを踏み、自社にとって最適な採用ツールを選定しましょう。
当社では、ツール全体の設計からクリエイティブの企画・制作、運用支援までをトータルでサポートしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
以下より、「採用ブランディングにつながる採用クリエイティブの作り方」をダウンロードいただけます。弊社ジャンプのクリエイティブ作成のステップや事例をまとめましたので、採用ツール活用にお役立ていただけましたら幸いです。
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