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採用コラム

新卒採用で「うちっぽくない人材」を採用するには?

増渕知行

前回までの記事では「うちっぽい・うちっぽくない採用」におけるマインドやスタンスについてお話ししました。
でも何よりも大切なのは実践!

『我が社は異能な人材を必要としているし、採用チームだけでなく経営陣と配属部署も採用・育成に向けて気持ちが揃っているぞ!』

そんな皆様に今回からは「うちっぽくない人材」の採用実践編についてお話ししたいと思います。

1.採用で重要なのは「採用力」を構成する5つの力

「良い人材が採れたし、今年は採用成功だなー!」と思っている採用担当者さん!
採用においてよく発生する勘違いが、「入社が採用成功」という考えです。
「良い採用」とは決してターゲット人材が入社して終了ではありません。

新卒採用でも中途採用でも、うちっぽくてもうちっぽくなくても、どんな採用においても重要なのは、採用から育成までを一貫したストーリーとしてつなげて行くことです。

ターゲット人材と出会い、心をつかみ、口説く。入社後は愛着を高め、魅力的な認知を広めていく。
JUMPではこれを「「採用力」を構成する5つの力」と定義していて、「5つの力のスパイラル」を設計・実行することが大切とお伝えしています。

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新卒採用でよく耳にする悩み、会社説明会を多く開催して大人数の学生に会うことできても、なかなか欲しい人材には出会えないし口説けない。
今回はこんな悩みに注目して、新卒採用で「うちっぽくない人材」に出会い・口説く方法をお伝えします。

2. 新卒採用での「うちっぽくない人材」ってどう出会えば良いの!?

数多くの会社説明会を実施して、たくさんの学生に会えたけど、なぜか探している「うちっぽい人材」には出会えない。出会えてもすぐ辞退されてしまってなかなか最終面接まで進んでくれない。
これって新卒採用担当者なら誰でもぶつかったことのある悩みだと思います。

この悩みを「うちっぽい人材」と「うちっぽくない人材」の採用方法を変えてみて解決してみませんか。

入社後に活躍が期待できるうちっぽくない人材、つまり「うちっぽくないけど、社風にマッチした人材」の中でも、正規の採用方法(説明会からの面接参加など)ではなく、たまたま社長と知り合いだった学生やアルバイトで働いていた学生など、変わった経緯で入社している学生に注目してみましょう。

学生と会社が、お互いの共通点を理屈で語るのではなく、もっとウェットで泥臭い関係だったり、純粋に会社の事業や社員に面白さを感じてくれていたり、就活生と企業という枠を超えた関係が築かれている、そんな採用こそ「うちっぽくない人材採用」の鍵になるのです。

しかし、そんな関係を通常の採用の中で築いて行くことは容易では有りません。
具体的にどんな採用手法を使えばいいのだ!ということで、ズバリ!
うちっぽくない人材を採用するには「インターンシップ」もしくは「リファラル」がおすすめです。

もちろん、単純にインターンとリファラルを行うのではなく、これらの採用手法を通じて、学生に「誰がどんな内容を如何なるタイミングで話すか」が重要です。

具体的にどんなインターン・リファラルを行えば、「うちっぽくない人材」の採用成功につながるのでしょうか。

3. 新卒採用で「うちっぽくない人材」を採用する方法

接触方法1:インターンを活用しよう!
接触方法2:リファラルを活用しよう!

ここからは2つの具体的な手法をお伝えします。

接触方法1:インターンを活用しよう!

2019年卒の就活生の半数以上の学生がインターンに参加したというデータがあり、会社情報を得る場としてなど、インターンへの参加自体が就職活動の入口になりつつあります。

ただここでお話ししたいのは、そういった「会社への関心から参加する(志望度が元々高い)うちっぽい学生」ではなく、「(志望度は低いが)インターンの参加は成長のため」というインターンの内容に面白みや自己成長を期待している学生をどう動機付けしていくかということです。

こちらの図をご覧ください。

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上図の③にあたる従来の会社説明会で話すような内容(会社情報・福利厚生・仕事内容)で志望度が高まるのは元々自社への志望度が高かった「うちっぽい学生」だけ。
また上図②のような短期インターン(業種理解のための1dayインターンなど)でも、結局会社説明がメインになってしまうことが多く、関心度がさほど高くない学生にとってはメリットが少なく、せっかく参加してもらえても期待外れの内容により志望度が下がってしまう可能性があります。

つまり、志望度が低い段階のうちっぽくない学生を呼び込むためには、学生にとって成長機会が大きいプログラムを作り込む必要があるのです。

もちろん学生を集める時点でどの学生が自社にとって欲しい人材かを判断することはできません。
そのため、まずは上図②のような短期インターンで集客した上で、そこで見つけた欲しい人材に対して、丁寧に動機形成を行っていく必要があります。

おすすめなのは以下のような流れです。

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まずは1dayで集客し、そこで見つけた人材に対して、3〜7daysインターンを行い、その中で絶対に欲しいと感じた学生に対して丁寧に口説いていくということです。

上記でもお伝えした通り、志望度の低い学生を再度3〜7daysインターンに呼び込むためには、「成長機会」を提供できるような内容のインターン(例えば、その会社の強みを知りながら仕事体験ができるようなプログラム)が望ましいです。自社で活躍している先輩社員を動員し、その会社で働く魅力(どのような成長が可能か)を伝える必要があります。

そしてそこで絞られた「絶対に欲しい人材」に対して、経営者や経営陣に近い人物が熱を持って口説きましょう。
会社の未来について熱い想いを持っている人物が、直接学生本人と語り合い、お互いを理解し合うことが重要と言えます。

一方的に自社の魅力を語ることなく、なぜその学生が必要なのか、学生にとって入社はどんなメリットがあるのか、会社と学生双方の未来図を語り合うことで、学生の成長意欲を刺激し、志望度の向上につながるでしょう。

とは言え、いきなり経営陣が熱く語っても響かないため、中期インターンでも志望度が上がっていない学生に対しては、学生と何度か接点を持ち、徐々に志望度・関心度をあげていくことが必要です。

接触方法2:リファラルを活用しよう!

次に紹介する方法は「リファラル」です。リファラル採用とは、自社の社員の紹介や推薦を受け、選考・採用を行う手法です。
メリットとしては、なかなか出会えなかった人材に出会える可能性があることや、社員を通じて自社の魅力や社風を伝えやすいこと、採用コストが抑えられることなどがあげられます。

入社後に活躍する「うちっぽくない人材」に期待することは、今まであった「うちっぽさ」の枠組みから飛び出てくれることです。
新卒からリファラルで入社を決める「判断力・決断力」がある学生はそう多くはありません。

リファラルにおいて採用成功で重要なのは、紹介してくれた社員がどれだけ会社のことを理解し、会社にどのような影響力を持っているかです。
紹介者が会社のことを理解していない場合、欲しい人材の紹介を受けられないことがあったり、影響力の少ない社員の紹介では学生を口説ききれない可能性があったりします。

インターンとも通じることですが、リファラルで紹介を受けた場合、何度か接点を持ち、最終的にはやはりお互いの未来を語り合える関係を築くことが重要です。

4.【まとめ】重要なのは「誰と」×「どんな内容を」×「何回話したか」

新卒採用で「うちっぽくない人材」と出会うためにインターンシップとリファラルを活用した方法をお伝えしました。
いずれにせよ、重要なのは一回の接点で口説こうとせず、何度か学生に会う機会を設けること。またその学生にとって刺激となるような人物が、会社と学生の未来を想像させてあげられることです。

前回の記事でもお伝えしましたが、会社を変えたいと思っているからこそ、うちっぽくない人材の採用が必要なのではないでしょうか。
その人材を本気で採用したいと思っている人物、その採用が本気で必要だと感じている人物が、学生に熱量を持って語り、また学生の「成長したい」という熱い想いを受け止めることが重要です。

とは言え、もし学生の志望度が上がらなさそうであれば、候補者一人に固執しすぎないようにしましょう。
無理に志望度を高めてもお互い不幸になるだけなので、見極めも大切です。

次回は、中途採用におけるうちっぽくない採用についてお話しいたします。
キーワードは「エージェント」。お楽しみに!

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第1回:「うちっぽい採用」ってなに?
第2回:採用するべきは「うちっぽい人」?「うちっぽくない人」?
第4回:中途採用の「うちっぽくない人材」採用のキーはエージェント!?
第5回:「うちっぽくない人材」採用の内定から活躍に向けて

増渕知行
代表取締役 クライアントパートナー

理想を追求し続けたら、起業に行きつきました。ジャンプは自分の人生そのものです。ジャンプはクライアントにとって、頼れる同志であり続けたい。社員にとって、燃える場所であり続けたい。約束は守る男です。週末は野球がライフワーク。


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