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【採用こっそり相談室】決定版!新卒採用における母集団形成のセオリーとトレンドを徹底解説

新卒採用の母集団形成

弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。

今回のテーマは、「新卒採用における母集団形成のセオリーとトレンド」についてです。
本記事では、動画内容をまとめています。

●近年の採用活動における問題点

ここ数年、「新卒採用における母集団形成」について悩む企業がますます増えています。
まずは、マイナビによるアンケート(24卒採用における問題点)をご覧ください。このグラフでは、毎年6月時点での統計データを過去5年分並べています。

母集団(エントリー数)の不足に悩む企業は、前年比+14.4pt、選考受験者数の不足に悩む企業も前年比+9.0ptと、どちらも高くなっています。23年卒から母集団形成に関する課題感が増え、24年卒採用でさらにその傾向が強くなっており、「学生と出会いにくいマーケット」という非常に悩ましい状況が続いています。

●母集団不足が起きている背景

母集団不足が起きている背景には、学生の中にある2つの傾向が考えられます。
1つ目は、楽観傾向です。2020年からコロナ禍の影響で企業の採用が冷え込み、特に21年卒の学生は危機意識が高まりました。この頃は、「自分たちの世代でも就活が厳しくなるのでは…」「内定取り消しもあるかもしれない」と、不安を抱えて就活をしている状況でした。しかし、年を追うごとに企業の求人数も増え、スムーズに就活を進める学生も増えてきているため、そのような先輩の話を聞くうちに、23年卒あたりから楽観傾向が強くなってきています。

「とにかくたくさんエントリーをして、内定もたくさん取って、何とかリスクヘッジをしなきゃ!」という学生が多かったマーケットから、「ある程度選べるんじゃないか」と考える傾向が強いマーケットになっているといえます。

2つ目の傾向は、効率重視です。これは景気に関係なく、Z世代といわれる昨今の学生の傾向に近い部分です。タイパ(タイムパフォーマンス)という言葉も、ここ数年でよく耳にしますが、「いかに効率よく、ハズレを引かないか」という傾向があり、自分に合った会社を効率よく選びたいと考える学生が増えています。「とにかく量で勝負!」という時代ではなくなったこと、「とりあえずエントリー」「とりあえずインターンに行ってみる」など、「とりあえず行動」が減ったことも、エントリーが増えにくくなっている要因です。

ここで、過去5年間の平均エントリー社数とインターンシップ平均参加社数を比べたデータを見てみましょう。(出典:マイナビ2024年卒企業新卒採用活動調査)

インターンシップの平均参加者数には大きな変化はなく、若干増えていますが、3月以降の平均エントリー社数は右肩下がりで減っています。インターンシップは社数を厳選してから絞って参加し、その後のエントリーについては増やさないという結果がでています。

●母集団を増やすにはどうしたらいいの?

では、学生に選ばれる企業になるには、どのようにすればよいのでしょうか。
基本を押さえるためのフレームは、我々ジャンプが提唱している「採用力の5つの力のスパイラル」です。

「エントリーを獲得する」「母集団形成」は、右上の「出会う力」ですが、最初に考えるべきことは、実は「つかむ力」「口説く力」です。先ほど挙げた2つの傾向(楽観傾向・効率主義)から、今後の母集団形成には限界があります。母集団不足の背景に楽観傾向や効率主義があることから、今足りない母集団を前の状態まで戻すことや、劇的に増やすのは難しいと考えましょう。では、どこに注力すべきか。重視すべきは、「CVR(コンバージョン)」と「マッチング」です。

コンバージョンは、数少ない「ほしい学生」を取りこぼしなく内定出しにつながられるかという「率」の部分です。母集団を増やすことよりも、この「率」を改善に注力する方が、努力によって変えやすい可能性があります。

次に、マッチングについてです。「どんな学生でも来てください」と応募をかけると、エントリーの促進につながりそうですが、この思考を捨てることがとても重要です。
全体のエントリー数が減ったとしても、ほしい層だけの応募がくるようなコミュニケーションの方法を考えましょう。実際に、ある程度セルフスクリーニングができるようなメッセージに切り替えたことで、応募総数は減ったものの、応募時点でのマッチング精度が上がり、最終的な内定承諾率が劇的に上がったケースも多々あります。
そのため、母集団を増やすことに注力しないといけないけれど、限界があることを理解した上で、コンバージョンとマッチングを重視する考え方がおすすめです。

とはいえ「母集団も増やしたい」と思うのは当然かと思います。そこでポイントとなるのが、チャネル設計とマネジメントです。

次の章からは、いかに最適にチャネルを設計し、いかに最適にマネジメントをするかについて、基本となる考え方を解説します。

●新卒採用チャネルの概略

新卒採用チャネルは、図のような4象限で整理できます。
縦軸 1:n(複数)⇔ 1:1
横軸 WEB ⇔ リアル

代表的なチャネルは以下の通りです。

【1:n × WEB】大手ナビサイト、特化型ナビサイト(外資系・体育会系・ベンチャーなど)
【1:n × リアル】マッチングイベント、キャンパスリクルーティング(学内セミナーや研究室への直接アプローチ)
【1:1 × WEB】ダイレクトリクルーティングツール、OBマッチングアプリ
【1:1 × リアル】新卒紹介(転職エージェントの新卒版)、リファラル(内定者からの紹介など)

●チャネル設計のポイント

次に、複数の手段から自社に合ったチャネル設計のポイントを2つ解説します。

①5つの観点で既存チャネルを評価する

新卒採用にあたっては、複数の母集団形成チャネルを利用している企業が多いと思います。
チャネルは増やせば増やすほど、当然ながら管理の工数やコストもかかります。人事のマンパワーも限られている中、母集団形成の課題解決には、チャネルを増やすことよりも、まずは既存のチャネルの評価をすることから始めましょう。

評価する観点は、《量・質・実績・工数・コスト》の5つです。
ここで押さえておきたいポイントは、量と質は相反しやすく、工数とコストも相反しやすいということです。相反しやすいもの両方が◎となるチャネルはほとんどないため、自社ではどちらを重視するかを考えて選定しましょう。

②トレンドはナビ型からレコメンド型へ

以前は、募集をかけてエントリーを待つ(学生側に検索をしてもらう)ナビ型が主流でした。
しかし、前述の母集団不足が起きている背景にも挙げた通り、現在の若い世代は効率重視です。検索で抽出された多数の情報から自分に合ったものを選ぶよりも、レコメンド機能から通知される「あなたに合った情報」「あなたにおすすめの情報」などから、自身に合ったものを効率よく選ぶ傾向にあります。

このようなレコメンド型の代表的な例としては、ダイレクトリクルーティングや新卒紹介があります。自分に興味を持ってくれた企業からのオファーや、エージェントからおすすめされた企業の中から選ぶというシンプルなアクションは、昨今の若い世代が育ってきた環境・情報の取捨選択の特性と合致しやすく、レコメンド型の利用頻度が高まっています。

この2つのポイントを、チャンネル設計のヒントにしていただければと思います。

●チャネルマネジメントのポイント

チャネル評価の次のステップ、「選んだチャネルをどのように動かすか、運用するか」のポイントを解説します。
チャネル運用の際は、ナビサイトのメーカーや代理店、エージェントなど外部との関わりがあり、営業や制作、カスタマーサクセスなど「担当者」がつくケースが多いと思います。そのため、担当者となる「個人」をどうマネジメントするか、外部パートナーであるチャネル側の担当者をどうやったら動かせるのか、が重要なポイントになります。
以下2つのポイントをご紹介します。

①期待を明確に伝え、KGI・KPIを握る

KGIは最終的な採用目標人数、KPIは途中プロセスの数値です。目指す数値や改善したい数値を明確に伝え、その目標にコミットしてもらえるようにするのが重要です。

KPIの設定でおすすめが、「初期接点の予約数」です。例えば、学生との初期接点がインターンシップであれば、インターンシップの予約数がKPIになります。初期接点が説明会であれば、説明会の予約数となります。
KPIを「エントリー数」にしてしまうと、自動エントリー機能が強いツールもあり、あまり参考にならないケースも出てくるため注意が必要です。また、KPIをインターンシップや説明会の「参加数」にしてしまうと、予約から参加までのコンバージョンには自社努力の要素が強く、ベンダー側は協力しきれないため、「予約数」が最もコミットしやすい数値になります。

②業績観点と情緒観点からモチベート

業績とは、外部パートナーとなるチャネル側の担当者の業績です。売上高が多い得意先顧客は特に注力し、最低限しか発注のない顧客はそれなりの対応に…という心理が働いてしまう部分は、どうしてもあるかと思います。限りある予算の中での運用ですが、ある程度予算を割く外部パートナーに対しては、担当者の業績貢献も意識しつつやり取りをするのが、やる気を引き出すポイントの一つになります。

情緒観点については、コミュニケーションやアプローチの方法が関わっています。ぜひ、優しいアプローチとドライなアプローチを敢えて使い分けてみてください。ただ優しいだけでは、気の緩みにつながってしまう可能性があり、ドライすぎても頑張る気持ちが削がれてしまうこともあるので、バランスを取りながら外部パートナーと接することを意識してみるのも良いかもしれません。

弊社ジャンプでは、採用担当者向け資料「母集団形成におけるチャネル選定の考え方とポイント」を作成しています。採用戦略における母集団形成の方法についてまとめていますので、以下よりダウンロード申請の上、ご活用いただけましたら幸いです。

動画では、「新卒採用における母集団形成のセオリーとトレンド」について、より詳しい解説があります。
引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分前後にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください(火曜日配信)。チャンネル登録もお待ちしております!

採用こっそり相談室

ジャンプ株式会社
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