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内定フォロー

【事例・図解あり】自社らしい内定者フォローで辞退を減らす、実践事例と採用設計の考え方

小緑直樹

内定辞退が大きな課題となる背景

いま、内定辞退に課題感を持つ企業が増えています。そこには大きく2つの背景があります。
一つ目は、多くの学生が複数の内定を保有しているという点です。コロナ禍においても売り手市場は継続しています。マイナビ「22年新卒大学生活動実態調査(10月)」によると、3社以上から内定をもらった学生は26.4%(4人に1人以上)、2社以上の内定をもらった学生は53.8%(2人に1人以上)に登ります。

二つ目は、採用のオンライン化です。オンラインをベースにしたコミュニケーションでは、「企業への理解が十分に深められない」「不安が払拭しきれない」といった学生の声が聞かれます。マイナビ「2022年卒 企業新卒内定状況調査」によると、対面で会えないまま内々定を出す傾向の強い上場企業では、55.9%が内定辞退の増加を採用課題として挙げています。

では、複数の内定をもらう学生が半数以上いるマーケットにおいて、オンライン採用でも相互理解を深め、内定辞退を減らすための内定者フォローとは、どのようなものでしょうか。

本記事では、内定辞退に悩む採用担当者の方に向けて、辞退を減らすための考え方や具体的な実践事例をご紹介します。

内定辞退を引き起こす『2つの不足』

リアルで採用を行っていた時代も、オンライン採用時代も、内定辞退を引き起こす原因は、本質的には同じです。
それは、「学生理解の不足」「採用設計の不足」から、起こります。後から詳しく述べますが、オンライン採用時代、この2つの不足が、より起こりやすくなり、辞退に課題を抱える企業が増えています。

「学生理解不足」「採用設計不足」には、それぞれ2つの「不足」があります。
具体的にお伝えすると、

・学生理解不足は、①個性の理解不足②状況の理解不です。
・採用設計不足は、③接点の不足④重みの不足です。

この①~④の「不足」をどの程度「充足」させなければいけないのかは、企業規模や、知名度などの「企業力」によって異なります。そのため、会社によって前提条件は異なりますが、①~④の不足の解消が、内定承諾率の向上につながります。

以降では、①~④の具体的な説明と、不足が起こる原因、具体的な対策事例をご紹介します。

①個性の理解不足

<応募学生の個性理解が必要な理由>

応募学生の個性と、会社の結び付きが強いほど、相思相愛になる可能性が高まります。しかし、面接や面談のプロセスで、学生の個性を理解する取り組みや仕組みを取り入れている会社は、それほど多くありません。
オンライン採用時代は、なおさら。画面越しの面接、面談では、学生の人柄がつかみにくいという声をよく聞きます。
しかしながら、学生も同じです。オンライン面接における不安事項の上位には、「自分自身を正しく理解してもらえるか、評価してもらえるかが不安」という声が挙がります。

学生は、自分の個性・強みを活かせる会社を探しています。ジェイック社の「22卒学生の就活に関するアンケート」の『会社選びで重視すること』の上位3つは、「社風が合うこと」「自分のやりたい仕事ができること」「働き甲斐があること」です。いずれも共通しているのは、「社風や仕事内容、働き甲斐が、自身の価値観と合うか」ということです。

その「合うかどうか」を学生の判断任せにすることなく、企業側も能動的に応募学生の個性を把握し、「こんな点が自社と合っている」と積極的に伝えていくことが内定承諾率の向上につながります。

<個性の理解不足を解消するための施策>

学生の個性を理解するために必要な情報は、「選社軸「強み」です。
選社軸とは、「企業選びの軸」です。選社軸を把握することで、学生ごとの軸に合わせた会社の魅力を伝えることができます。
そして、「学生の強み」を理解することで、その強みを自社のどんな仕事のどんな場面で発揮してもらえるか、具体的に伝えることができます。「選社軸と強みなら、面接、面談で確認している」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、重要なのは、その深さです。

選社軸については、学生の過去、現在、未来、幅広く確認できるとベストです。
過去については、学生の原体験(熱中、達成、後悔、挫折、決断、喜怒哀楽 経験)から、どんな解釈を通して、どんな選社軸につながっているかを確認できると、立体的に学生の選社軸を理解できます。
理想とする「未来の生き方」や「働き方」も確認できると、応募学生の過去/現在/未来といった人生ストーリーの中で、自社の位置づけを伝えることができます。
強みについても、スキルの強みだけではありません。面接や面談から、何を評価したのか、なぜ自社で活躍すると感じたのか、それらをしっかりと言語化し、ストレートに伝えてあげることが大切です。

また、学生自身が自分の選社軸や強みを理解できていないことも多々あります。そのような学生にも真摯に向き合い、広い視点から、一緒に選社軸や強みを整理し、自社と学生のマッチする点を伝えてあげるのもおすすめです。

②状況の理解不足

<状況理解が必要な理由>

学生の就職活動は、定期間に1社を決める活動です。その期間で、多くの企業から同時並行的にアプローチを受け、日々、志望企業が移り変わる学生もいます。
オンライン就活時代、スマホを片手に、あらゆる就活アプリを使い、SNSからの大量の情報を受け取っているのが今の就活生の実態です。
だからこそ、リアルタイムで学生の状況を把握しながら、適切なタイミングで、適切なコンタクトをとっていくコミ ュニケーションが内定承諾率に直結します。

<状況の理解不足を解消するための施策>

では、把握すべき「学生の状況」とは、具体的にどのようなものでしょうか。
それは、「応募者の就活状況」「周囲の状況」です。

まず、「応募者の就活状況」で把握しておきたい点は、採用競合情報です。就活終盤であればあるほど、承諾/辞退を左右する情報になります。

少なくとも、採用競合企業の「A.企業名」「B.志望度シェア」「C.不安・懸念点」の3点は、確認しておきたいです。
A.企業名は、競争相手がわからないことには戦いようがありません。
B.志望度シェアは、自社と他社のマインドシェアを確認します。「当社は第何希望ですか?」とストレートに聞いても「第一希望」もしくは「第一希望群です」といった回答が返ってきて、ホンネが見えません。「100あるうち、今受けているA社とB社と当社の気持ちのシェアは、どのような配分ですか?」といった聞き方で、そのマインドシェアを確認した方がリアルに近い志望度が見えます。
その上で、各社の「C.不安・懸念点」を確認します。ここで大切なのは、自社に対する不安、懸念点です。情報不足や事実誤認で、不安や懸念につながっているのなら、早めに解決しておく必要があります。

次に、「周囲の状況把握」とは、その学生を取り巻く環境が、学生の意思決定にどれくらい影響しそうかを見極めるということです。
例えば、親。親が最終的な企業選びの決断に影響することが年々増えています。そのほかにも、教授や、友達の就活状況もその学生の心理に大きく影響することがあります。また、今の時代、口コミサイトをどの程度の信頼性を持って閲覧しているかも重要になります。

周囲の状況把握のためには、率直に質問し、確認するという方法がおすすめです。たとえば、「家族(教授/友人)はあなたの就活に対して、どのように言っていますか?当社のことを家族には話しましたか?どのようにおっしゃってましたか?」「周りの友人と就職活動の話をしますか?周りの友人の就職活動の状況はどうですか?」 などです。
ただ、あくまでも、学生の意思決定に影響しそうだと感じた内容だけで良いと思います。限られた学生との対話時間。周りの状況理解のコミュニケーションばかりになってはもったいないです。それより、相互理解が深まるコミュニケーションの方が大切です。

③接点の不足

<学生との接点が必要な理由>

心理学で、「単純接触効果」と言われるものがあります。
これは、繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果です。この単純接触効果は、採用でも当てはまります。
リアルの体感値が伴いにくいオンラインを中心に就活をしている学生にとってはなおさら。複数の接触機会を設けて、印象や志望度を高めていくことが大切です。もちろん、回数さえ多ければ良いという話ではありません。
各接点における、満足度が高くないと、次に参加してもらえない、もしくは、次の情報を見てもらえません。つまり、採用する側にとっては、接点創出の「量」と「質」の双方が求められる厳しい時代に突入していると言えます。

<接点不足解消につながる対策>

内定承諾/辞退の分かれ道は、内々定付与の瞬間ではなく、インターンや説明会の募集告知から始まっています。

告知、採用HP、インターン、メール連絡、採用パンフレット、採用ムービー、社員座談会、会社説明会、各選考、リクルーター面談、内定出しの瞬間、内定後のフォローなど、オンラインもオフラインも、採用に関わる全ての【接点】において、志望度を高める設計ができているかが求められます。
承諾率を向上させる内定者フォローの関心が高まっていますが、この内定者フォローは、接点のイチ要素にしかすぎません。内定者フォローは、採用スタート時から始まっているのです。

接点には、「集団接点」「個別接点」があります。
この集団と個別を使いわけ、接点の質と量を向上させます。採用に強い企業は、この接点づくりが非常に上手です。集団、個別接点を戦略的(どんな目的で、いつ、誰から、どのように)にストーリー化し、内定承諾までプロセス設計します。そのカギは、集団、個別接点の特色を理解し、適切なタイミングで接点を持つことです。

集団接点とは、インターンシップや説明会や内定者向けイベントになります。
リアルでもオンラインでも、イベントの場は、感情に訴える部分を得意とします。自社の発信者の感情を乗せることができたり、音響や映像やワークなどを駆使しながら、論理的情報だけでなく、『感情的共感』を得やすくなります。
インターンや説明会などに参加する就活初期の学生に対しては、集団接点の特色を活かした「共感効果」を意識することで印象に残る1社として認識してもらいやすくなります。
内定者フォローイベントなどの就活後期の学生に対しては、「共感効果」のほかにも、内定者同士の仲間意識や連帯感を生む「コミュニティー効果」や、その心地よいコミュニティーの仲間と同じ時間を過ごす「集団効果」を狙うことで、決断の後押しができます。イベントは、場のデザインやメッセージ次第で、『承諾』への不安感を軽減させ、決断につながるエネルギーを連鎖反応として生み出すことができるのです。

また、個別接点は、面接、人事面談、リクルーター面談、私信連絡などになります。今の時代の学生は、SNSなどを通して、普段からパーソナライズ化(個別最適化)された情報を受けとっています。
採用においても、その応募者個人に向けたメッセージが大切になります。ポイントは、説得ではなく、「納得」です。人は、論理的な理由を求めつつ、最終的には感情で決定します。なので、納得を引き出すためには、目の前の応募者が知りたい論理的情報と、目の前の応募者に刺さりそうな感情的情報が必要です。

論理的情報のキーワードは差別化。「自社らしく、応募者に刺さり、他社が言いづらい」その会社の独自価値を伝え、理解してもらいます。そのため、自社の独自価値をしっかり把握し、的確に学生に伝えられることが大切になります。
ジャンプは、企業の独自価値を明確化し、採用コンセプトに昇華させる技術がコアの会社ですが、これまでの経験から「独自価値の軸となりえる9つのカテゴリー」を開発しています。自社の魅力を可視化し、論理的情報として自社の独自価値を学生に届ける必要性を感じている方はお気軽にお問合せください。

9つのカテゴリー

感情的情報のキーワードは「共感」です。
共感を生む情報は、ミッション、ビジョンという会社レベル、働きがどのような社会価値につながるのかといった仕事レベル、色々ありますが、最も学生に刺さりやすいのは、「人」です。
自社で働く社員が、会社の何に共感しているか、もしくは、どんな想いを持って日々の仕事に取り組んでいるのか、などをストレートに伝えます。そんな社員の仕事観や価値観や人生観や社会観や人間観といった「観」に触れることで共感が生まれてきます。採用場面で、共感を生むコミュニケーションを伸ばしたいと感じられている方には、リクルータートレーニングもおすすめです。

④重みの不足

<内定に重みが必要な理由>

人は簡単に手に入るものには、あまりありがたみを感じません。内定も同様です。あっさりもらえた内定と、しっかりプロセスを踏んだ内定では、その重みが違います。
実感値を伴いにくいオンライン就活の場合、画面越しの内定は軽くとらえられる可能性が高くなります。とはいえ、無駄に選考難易度を上げたり、選考フローを増やしたりすると、選考辞退につながります。バランス感覚の取れた「内定の重み」が必要です。では、その適切な内定の重みを生むためには、どうすればよいのでしょうか。

<内定の重みにつながる対策>

ここでは、「演出」「フィードバック」という2つの要素をご紹介します。

演出とは、内定者に気持ちよく承諾してもらうように舞台を整えることです。
就職は人生の転機ともいえます。その貴重な機会に自社に決めてもらうためには、応募者の心に響くような演出が功を奏することがあります。やりすぎた演出は、おすすめできませんが、内定までのプロセスを丁寧に進めていれば、おのずと、目の前の応募者にフィットする内定の出し方が見つかるはずです。

例えば、『社長からの内定承諾書の手渡し&しっかり握手』といったよくある内定シーンも立派な演出です。会社によっては、内定を出した学生と接したすべての面接官やリクルーターから、その学生の評価ポイントや、想像できた活躍イメージをとりまとめ、手紙や動画にして、プレゼントし、承諾率を向上させた会社もあります。

フィードバックとは、「なぜその応募者に内定を出したのか、どのような点が評価されたのか」を伝えることです。ポイントとしては、「複数視点」「具体性」です。複数視点とは、1次面接~最終面接までの面接官、接したリクルーター、採用担当など、対象者が多ければ多いほど、フィードバックの視点は多様になり、内定承諾の後押しになります。

また、フィードバック内容の具体性も大切です。応募者のどのような言動や、過去の経験から、どんな点を評価し、自社でどのような活躍を期待しているのか?スキルだけでなく、カルチャー面や人柄面などにおいても、評価した点や、今後の活躍イメージを伝えることで、応募者が納得を得やすくなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。複数の内定をもらう学生が半数以上いるマーケットにおいて、オンライン採用でも相互理解を深め、内定辞退を減らすための内定者フォローについて、実践事例と考え方をまとめました。

上記の内容は、一枚にまとめると、以下の通りです。
採用人数や採用担当のリソースによって、できること・できないことがあると思いますが、貴社らしい内定者フォローの参考になれば幸いです。

内定者フォローのポイント

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小緑直樹
クライアントパートナー

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