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【事例紹介あり】内定辞退者インタビューの重要性と効果的な活用方法

内定辞退者インタビュー

●内定辞退の増加と内定辞退者インタビューの重要性

ここ数年、企業側にとって大変悩ましい問題になっている内定辞退。マイナビによる調査(マイナビ2023年卒企業新卒採用活動調査)からも、「内々定辞退の増加」や「選考辞退の増加」に悩んでいる企業が以前に比べて増えていることがわかります。

さらに、MyReferによる21卒就活生へのアンケートでは、複数社に内定承諾をしようと考えている学生が25%、つまり、アンケート対象者403名のうち、100名くらいの学生は「複数社に内定承諾をしよう」と思っていることがわかります。これは、「内定承諾後辞退」がここ数年で非常に悩ましい問題になっている表れでもあります。

複数社への内定承諾が増える背景には、以下3つの理由が挙げられます。

①内定承諾の決め手に欠ける
コロナ禍の就活では、オンラインでのコミュニケーションが多くなり、実際にオフィスを見る機会や、働いている社員の姿を生で見る機会が減ってしまいました。そのため、「イメージが湧きにくい」「もっと自分に合う会社があるような気がする」「何を決め手にしたらいいのかわからない」という傾向も強くなっています。内定を得たものの決めきれず、考える時間の猶予を確保するために、複数社の内定承諾をしてしまう、というケースです。

②内定取り消しが不安
コロナの影響で採用市場が混乱した時期に入社直前だった20卒の学生や、早期内定・内々定が出ていた21卒の学生は、内定取り消しを経験しているケースもありました。当時に比べると、各社の採用活動は戻ってきていますが、「突然内定取り消しがあった場合の保険」として、複数社の内定を承諾しておきたいと考える学生が増えています。

③選考スケジュールがずれていて、複数承諾をせざるを得ない
採用活動はどんどん早期化していますが、大手メーカー等を中心に、内定出しが6月以降という会社もあり、終わるタイミングが異なります。そのため、早期選考をしている会社も受けながら、内資系大手企業を受けている学生にとっては、本命企業を受ける前にもらった内定は、「断る」か「一旦承諾する」の二択になってしまいます。
このように、就活の長期化が影響して、「一旦承諾しよう」という学生が多くなったことも、「内定承諾後辞退」が増えている理由の一つです。

内定辞退や内定承諾後辞退の増加に伴い、重要度が高まっているのが「内定辞退者インタビュー」です。実際、弊社への「内定辞退者へインタビュー」のご相談も年々増えております。

「次年度の採用をより良くしたい」「内定辞退や選考辞退が増えてしまい、改善したい」という思いがあるものの、「辞退者のホンネをつかみにくい」「どこに問題があるのかわからず、打ち手に悩んでいる」とお考えの人事担当者も多いのではないでしょうか。
そこで、今回のコラムでは、「内定辞退者インタビュー」で押さえるべきポイントについて、まとめました。


●内定辞退者インタビューのポイントと活用法

内定辞退者インタビューは、辞退者のホンネを聞き出すことが目的ではありません。
内定辞退者のホンネを収集した先には、それを活かした採用改善があります。
では、辞退者のホンネを引き出せる「内定辞退者インタビュー」とはどのようなものなのでしょうか?

そのカギは、【客観性】と【構造性】です。

【客観性】とは、まず応募者と利害関係の少ない第三者からのインタビューであることが大切です。
その上で、ファクト情報をどれだけ収集できるかが大切だと考えます。例えば、インターンシップ時期、選考初期、選考中盤、内定時、内定後の時系列で見た際、実際の入社企業と自社の志望度はどのように変化したのか、また、その変化は何がきっかけだったのか?そのファクトをどれだけ収集できるかで、次年度の採用改善精度が変わります。
つまり、第三者インタビューによる【ホンネ】と、プロからの【ファクト】をどれだけ引き出せるかが大きなカギの一つになります。

また、内定辞退者インタビューで得られた情報を整理し、採用活動の改善に活かすためには、【構造性】を構築していることも重要です。例えば、弊社ジャンプでは、企業の魅力を「9つの魅力カテゴリー45のファクター」に整理している独自フレームを利用しています。そのフレームにそって、学生の企業選びの軸や実感値を分析します。そして、志望度の変容を時系列で整理するフレームも活用しながら、人事部内で共通認識化を図りやすいレポートを制作・納品しています。
内定辞退者インタビューを効果的に活用するためには、客観性と構造性を取り入れた内定辞退者インタビューの企画が必要不可欠です。


●内定辞退者インタビューの事例紹介

お客様の内定辞退者インタビューの一例をご紹介します。

その会社では、内定辞退者が前年比で20%くらい増えてしまいました。理由が聞けなかった辞退者がほとんどで、理由を聞けたとしても「他社に決めました」というあやふやな回答がほとんど。どのように改善したらよいのか迷われていました。

そこで、複数人の内定辞退者にインタビューさせて頂き、共通点として新たな事実が見えてきました。

・初期プロセスで、「企業が伝えたい魅力」と、「学生が認識している魅力」にズレがあること
・報酬、待遇軸が強い学生ほど、辞退傾向が強いということ
・内定先を絞り込むときにネット情報を閲覧し、「給与」に不安を覚えたこと
・2次面接でネガティブな印象を持つことが多いこと(複数人から特定の面接官についてネガティブな印象を持ったという話が聞けた)
・選考のスピード感や合格伝達時の違和感から志望度が下がったこと

などが出てきました。中には、採用担当者の方もまったく認識できていなかった点も多く含まれていました。
もし、上記のような内定辞退理由を把握した上で先手を打てていたなら、どうでしょうか。きっと、同じ結果にはならないと思います。このお客様は、辞退者インタビューの結果を踏まえ、

・適切なターゲットを誘引する打ち出しやコンテンツの設計
・適切な面接官のアサインと、面接官トレーニングの実施
・選考スピードや合格伝達方法の工夫

など、の採用改善に取り組んでいます。

内定辞退者は、内定を付与しているターゲットの学生です。その学生のホンネを収集できる機会は非常に貴重なもの。このお客様のケースでいうと、上記の例はほんの一部です。内定辞退者インタビューをすることで初めて見えた、「採用活動のブラッシュアップポイント」は多岐に渡ります。ジャンプが実施する内定辞退者インタビューでは、明らかになった課題を「工数」「成果インパクト」に整理しながら、優先順位をつけ、改善へのアクションをご提案しています。


●内定辞退者インタビューのまとめ

内々定辞退や内定承諾後辞退の増加に伴い、重要度が高まる内定辞退者インタビューについて、インタビューのポイントや活用方法、導入事例の一部をご紹介しました。
企業で収集したくても、なかなかホンネを聞く機会が持てない「辞退者の声」。
内定辞退者インタビューは、その「学生のホンネ」にせまり、本質的な採用改善につなげることができる貴重な機会です。採用活動の改善に向けて、ターゲットとなる応募学生の本音を引き出せる「内定辞退者インタビュー」は、ぜひご検討いただきたい手段の一つです。

ジャンプ株式会社
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「世界にひとつの採用戦略を。」をスローガンに採用力の強化により、企業価値そのものの向上までを支援する会社。本気で、会社を変えたい。本気で、会社を良くしたい。そう強く決意する皆さまに、採用戦略、組織戦略、ブランディング、販促・集客、などを支援しています。


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