ビジョン、カルチャーへの共感が、ぶれない組織を作る ~LIFULL/羽田氏(後編)〜


「単純に、人手が足りない」、「営業力を強化して差別化を図りたい」、「若手とベテランの二層構造になっており、中堅どころを採用したい」など・・・。背景はさまざまなれど、中途でよい人材を採用したい企業はたくさんあります。
しかし昨今、「中途採用?順調順調!」という企業はほとんどありません。いや、私が採用にたずさわるようになった20年前から、ずっと中途採用はむずかしいものだった気がします。なぜか?
◎そもそも優秀な人は辞めにくいため、転職市場に出てくる率が低い。
◎優秀な人が転職を考えると「うちおいでよ」攻勢がかかり、人脈で次が決まることが多い。
◎しかし「中途採用=即戦力期待」のため、中途半端なレベルだと採用しにくい。
といった、構造的課題があると思います。それに加えて昨今は、企業側の採用意欲が高騰し、転職者は選び放題に近い状態。本当に中途採用がむずかしい、むずかしすぎる時代になっています。
「採用力=企業力×採用条件×採用活動力」とシンプルに定義した場合、中途採用は新卒採用と比較して「企業力」の重要度が高くなります。就活時は実際に働いた経験がないため企業間比較がむずかしいものですが、転職時は企業を見る眼が養われています。
また年齢や結婚などのライフイベントに関連して、給与や休みなど「採用条件」へのこだわりも強くなります。
よって本質的な課題解決のためには、「企業力」と「採用条件」を向上させる必要があるわけですが、これらは可変させる難易度が高く、時間もかかる。また人事は、自分たちだけで可変させることがほぼ不可能なため、現場や経営陣を巻き込まねばならない。
要は「人が入りたくなり、ずっといたくなる会社づくり」ですから、人事としては決して眼を背けてはいけないテーマですよね。ただ「そうは言っても・・・」というところが本音の方が、多いと思います。
そんな悩める人事の方に、すぐにできる対処法があります。以下の3つの対処法で、「これはまだやってないな」というものがあれば、ぜひ検討してみてください。
新卒採用と比較して、中途採用は「選考スピード」の重要度が高い取組みとなります。応募があったらすぐにブッキングに動く、面接をしたらできるだけ早く合否を出す、相手見合いで選考ステップを最適化するなどの「ひと手間」をかけるかかけないかの積み重ねが、実は大きなちがいとなってきます。最終的には、併願企業よりも先に内定を出すことをめざしましょう。
中途採用の場合ほぼ必ず配属先となる現場管理職の面接があるかと思いますが、ここで落としすぎていることが実は多い。現場管理職とすれば、入社後マネジメントするのは自分であるため、「少しでも気になったら落とす」傾向が強くなるのです。この合否ラインを妥当にするために有効なのが適性検査。「新卒採用では使っているけど、中途採用では使っていない」という企業がわりと多いんですよね。
中途採用は「人材紹介会社」か「求人広告会社」のいずれか、または両方をパートナーに進めることが多い。いずれにも共通するのは、「担当する人」によって成果が変わるということです。よい担当者とめぐりあうには、紹介が一番。もちろん相性等もありますので評判がよい人が一番と単純には言えませんが、「安くしてくれるから」、「大手だから」といった理由で選択し、損をしていることもあるわけです。
以上、あくまで「対処」でしかありませんが、なにか一つでもご参考になれば幸いです。
理想を追求し続けたら、起業に行きつきました。ジャンプは自分の人生そのものです。ジャンプはクライアントにとって、頼れる同志であり続けたい。社員にとって、燃える場所であり続けたい。約束は守る男です。週末は野球がライフワーク。
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