【採用こっそり相談室】内定辞退抑制のために、内定者フォローで守るべき4つのセオリーとは?
弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。
今回のテーマは、「内定辞退抑制のために、内定者フォローで守るべき4つのセオリー」についてです。
本記事では、動画内容のポイントをまとめています。
記事の最後には、「内定者フォローの要点と企画の考え方」をまとめた資料もご用意しておりますので、ダウンロード申請の上、内定者フォローにお役立てください。
●内定者フォローの正解とは?
ここ数年、企業の人事採用担当にとって、「内定辞退の抑制」は非常に悩ましく、興味関心の高いテーマです。
コロナ禍の影響もあり、なかなかリアリティのある企業理解ができないまま就活を進める学生が増える中で、複数の内定から、複数の内定承諾をしてしまうという現状があります。最終的には一社に絞らなくてはいけないため、内定承諾後の辞退も非常に増えています。
内定承諾後の辞退をできる限り防ぐために、「どのような内定者フォローをすればいいのか?」というご相談も多くいただいています。内定者フォローの正解は一つではありません。10社あれば、10通りの正解があるため、1社ごとにスクラッチから考えるのが基本となります。
しかし、内定辞退を抑制するために、絶対に徹底した方がいい「4つのセオリー」があります。
今回は、「設計のセオリー2つ」と、「接点のセオリー2つ」をご紹介したいと思います。
●設計のセオリー①多面展開で設計する
学生との接点の作り方は、図のような四象限で説明することができます。
縦軸は、「集合型か個別型か」、横軸は、「オンラインか対面か」で分けられます。それぞれ掛け算をすると4つのカテゴリとなりますが、同じカテゴリのプログラムを2回連続でやらないのがセオリーです。このセオリーに基づく例として、以下のような組み合わせでの内定者フォローが挙げられます。
①対面×個別
実際に会って、一人一人と話しながら内定オファーを出す
②集合×オンライン
内定者の数がある程度集まってきたら、内定者同士の理解促進や+αの会社説明会として、オンラインで集まれる場をつくる
③個別×対面
「②のオンライン、参加してどうだった?」というような、個別のフォロー面談をオンラインで実施し、学生の感想を引き出しながら、さらなるフォローにつなげる
④集合×対面
内定者が一通り揃った段階で、本社に全員集まってもらい、本格的な顔合わせと理解の醸成を図っていく
このように、何かしら違う形式を組み合わせながら、内定者フォローを実施することが重要です。必ずしも、この4つを順番に組み合わせないといけないわけではなく、同じカテゴリのものを続けないことがポイントだと理解してください。
●設計のセオリー②時期別傾向を意識する
学生の心理は、就活の時期によって変わります。就活の時期を4つに分けると、内定取得期(3~5月)、内々定期(6~9月)、内定安定期(10~12月)、入社直前期(1~3月)となります。また、4つの時期ごとに、企業側にとっての内定辞退発生リスクがあります。
【内定取得期(3~5月)の辞退リスク】
内定取得期には、競合バッティングリスクがあります。学生は、まだまだ就活を続けている可能性が高い時期であり、日々情報も上書きされています。そのため、内定を出した学生との接触では、接触内容の質と接触の回数、「量と質」共に重要になるのが、内定取得期です。
【内々定期(6~9月)の辞退リスク】
内々定期には、就活継続のリスクがあります。内定承諾したものの、「もし他にいい会社があれば、受けてみようかな」というニーズが、学生の深層心理の中にある時期です。そのため、内定承諾をした学生に対しても安心せず、就活を継続する可能性があるという前提のもとに、適切な頻度で継続的なコミュニケーションを図っていくことが重要になります。
【内定安定期(10~12月)の辞退リスク】
内定式を終えた時期でもあり、基本的には内定辞退率は下がりますが、教員試験を受けている学生は、教員試験に合格した場合には迷いが出てしまうことがあります。また、地方出身の学生は、年末年始の帰省で、地元の友だちや親との会話を通して、以前とは違う心境の変化も起こり得る時期です。そのため、改めて学生一人一人の情報を把握しながら、適切なフォローをすることが重要です。
【入社直前期(1~3月)の辞退リスク】
1~3月は、卒業や社会人になることへの不安も出てくるため、入社前研修も含めながら、入社後すぐに活躍しやすいようにフォローをすることが重要な時期になります。
このように、就活の時期別に内定辞退リスクを意識することも、外せないセオリーの一つです。
■関連記事:内定承諾後辞退を抑制する「戦略的な内定者フォロー」とは
●接点のセオリー①合格理由と伸びしろをフィードバックする
ここでは、一人一人の学生と向き合う時のスタンスについてお話します。
内定者に対して、「合格理由」と「伸びしろ」をフィードバックすることは、ここ数年で重要度が高まっているセオリーです。
昨今、「自己肯定感が低め、承認欲求が高め」という学生が増えているという傾向があります。もちろん全員ではありませんが、このような傾向と共に、「合格理由(内定理由)を知りたい」というニーズも学生の間で強くなっています。なかなか自分に自信が持ちにくいけれども、褒められるとうれしいし自信にもつながるという点で、「自分のどこが、どのように評価されたか知りたい」という気持ちがあります。
実際に、内定した学生に対して、面接でどんなところを評価したのか、自社と合っていると判断したポイントなど、一人一人丁寧に合格理由をきちんと伝えられている会社の方が、承諾率が高くなる傾向にあります。
内定を出した学生が、「入社後に当たるであろう壁」や「入社後の課題」は、選考を通して想定できるかと思います。
そのような「壁」や「課題」も含めて本音でフィードバックやアドバイスをすることで、学生にとっては、より本気で向き合ってくれている会社という印象を持ちやすくなり、よりミスマッチのない入社状態に持っていきやすくなります。このように、「伸びしろ」も併せてフィードバックすることをおすすめします。
●接点のセオリー②個別最適を徹底する
学生が10人いれば、10通りのニーズがあります。それぞれのニーズやタイプ、特性に合わせて情報の提供やコミュニケーションを取りましょう。例えば、学生のタイプや特性を、仕事重視かプライベート重視か、論理的思考か情緒的思考かに分けて、図のような四象限で表すこともできます。もちろん、その他の軸で区切ることもできますが、A~Dのタイプごとに、学生との最適なコミュニケーションの取り方は変わってきます。
タイプごとのアプローチ例をまとめると…
【A】仕事重視×論理的思考タイプ
仕事のやりがいや、仕事を通して身に付く力について、事実を用いながら訴求するのが重要です。
【B】仕事重視×情緒的思考タイプ
自分自身や現場社員の成長実感や、仕事のやりがいにつながったエピソードなどを、感情表現を持って訴求することが重要です。
【C】プライベート重視×論理的思考タイプ
残業時間などの働き方について、具体的なデータや情報、事実に基づいて訴求することが重要です。
【D】プライベート重視×情緒的思考タイプ
一緒にご飯を食べに行って盛り上がるような、シンプルに「楽しい」と感じられる訴求も有効です。
内定者フォローのベストなあり方は違うという前提ですが、学生によって最適な訴求の仕方が異なることを改めて理解し、汎用的なセオリーとして、「設計のセオリー2つ」と「接点のセオリー2つ」を意識していただけたらと思います。
■関連記事:自社の強みを活かした内定者フォローとは?《内定辞退を引き起こす原因・解決策を解説》
「内定者フォローの要点と企画の考え方」をまとめた資料は、以下よりダウンロードできます。ご申請の上、内定者フォローにお役立ていただけましたら幸いです。
動画では、「内定者フォローで守るべき4つのセオリー」について、より詳細の解説やデータがありますので、内定者フォローでお悩みの企業人事の方に参考にしていただけましたら幸いです。
引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分前後にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください(火曜日配信)。チャンネル登録もお待ちしております!
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