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【採用こっそり相談室】25新卒からインターンシップはどう変わる?新卒採用活動への影響を予測解説!

インターンシップ・三省合意の改正

弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。

今回のテーマは、「三省合意の改正でインターンシップはどうなるのか?」についてです。本記事では、動画内容のポイントをまとめています。

●三省合意によるインターンシップの改正ポイントは?

「三省合意」の三省とは、経済産業省、文部科学省、厚生労働省です。
これまでは、『インターンシップで得た情報は選考に使ってはいけない』という取り決めがされていましたが、3つの省庁の合意により、「インターンシップの定義がどのように改正されたのか?」を解説します。
新しい「定義」には、大きく分けて2つの分類があり、さらに4つのタイプに分けられます。

大きな2分類は、以下の通りです。
《インターンシップとは「称さない」もの》※図の左側
就業体験は必須とせず、「個社・業界の情報提供等」や「学生の就業への意識醸成」といった教育を目的としたものになります。

《インターンシップと「称して」実施できるもの》※図の右側
就業体験が必須となり、「学生自身の能力の見極め」や「自社が学生を評価するための材料取得」が目的となります。

上記2つの分類を、4タイプに分けたものを解説します。
《インターンシップと「称さない」もの》
タイプ①:オープンカンパニー
オープンカンパニーの定義は、1dayインターンシップなどワークショップ型のものだけではなく、単なる「会社説明会」や「業界理解セミナー」というものもOKとされています。その他、「先輩社員との座談会のみ」といったものも含めて、非常に広い定義のプログラムです。

タイプ②:キャリア教育
これは、産学が連携をして、学生の意識を醸成していくプログラムとなり、企業にとっては社会貢献的な取り組みもできます。

《インターンシップと「称して」実施できるもの》
タイプ③:汎用的能力・専門性活用型インターンシップ
これが、一般的に「選考に使ってよいインターンシップ」と考えてください。

タイプ④:高度専門型インターンシップ
タイプ④の詳細は、まだ決まりきっていないようで発表されていませんが、ごく一部の専門的知識をもっている学生が対象となることをイメージすると、かなり限定的で不透明であるといえます。

タイプ②が社会貢献的な産学連携プログラム、タイプ④の詳細が未定のため、企業にとって重要度が高いのは、タイプ①のオープンカンパニーとタイプ③の汎用的能力・専門性活用型インターンシップとなります。

4つのタイプに、対象学年・開催期間の定義を加えると以下のようになります。

タイプ①:全学年対象(大学1年生~)/1日(数時間の開催も可)
タイプ②:全学年対象(大学1年生~)/1日~(1日~3日程度)
タイプ③:就活年次(大学3年生の夏休み~)/5日~
タイプ④:大学院生(一部の専門的なスキルを持つ学生)/2か月~

そして、タイプ①オープンカンパニーと、タイプ②キャリア教育は、選考に使ってよいもの、タイプ③汎用的能力・専門性活用型インターンシップと、タイプ④高度専門型インターンシップは、選考に使ってはいけないものとなっています。

●インターンシップと選考の関係は?

実際のところ、インターンシップを実施している企業では、参加した学生について、「この子は良かったね」というような会話はされていると思います。
さらに言えば、人気があり応募数も集まりやすく、早期で採用の決着ができるような一部の人気企業については、インターンシップで学生の評価をして選考に使っている、という暗黙の了解もあります。
それ以外の企業では、インターンシップ時の評価は参考程度にし、就活初期の接点であるインターンシップで、いかにほしい学生とたくさん出会えるかという「母集団形成」と、「自社への興味喚起」を一番の目的としているのが現状です。

インターンシップの目的を「母集団形成」と「興味喚起」と捉えると、タイプ②キャリア教育とタイプ④高度専門型インターンシップは目的とは外れます。
また、タイプ③汎用的能力・専門性活用型インターンシップについては、これまでもインターンシップ実施と選考について、「本音」と「建前」があったことを踏まえると、実は大きく変わらないところでもあります。

●多様化・多数化するオープンカンパニー

結果的に一番大きく変わり得るのは、タイプ①オープンカンパニーだと考えられます。オープンカンパニーは、説明会・懇親会・座談会だけ、など就業体験的なものを伴わないものも含まれ、非常に広い定義のプログラムであることから、今後は種類や形式などが「多様化」「多数化」していくと予想されます。

例えば、一部の人気企業では、大学1~2年生に対してもオープンカンパニーを実施し、アプローチがより早期化されると想定されます。その他、多くの企業でも、オープンカンパニーの多様化・多数化により、募集する数がますます増えていくことが想定されます。

このように、オープンカンパニーの早期化・多数化・多様化という変化が起きると、掲載社数(募集社数)が増えるため、企業側にとっては集客の難易度が上がると考えられます。

●オープンカンパニー差別化のポイント

では、どのようにすればオープンカンパニーで差別化ができるのでしょうか。
これまでに比べて「集めにくくなる」のは間違いない状況で、参加してくれた学生に「いかにして自社に興味を持ってもらうのか、満足度を担保するのか」ということの重要度がますます上がります。
このような観点から、オープンカンパニー差別化の3つのポイントをご紹介します。

①グループワークより個人ワーク
②新規アイデアよりも改善策
③教育研修部門との協業

以下、具体的な方法を解説します。

グループワークより個人ワーク

現状の1dayインターンシップでは、何かしらのグループワークを実施して、グループにフィードバックをする形式がほとんどです。しかし、学生からは、「個人へのフィードバックがほしい」という声が多くあります。「自分自身がここで何かを得るためには、どうしたらよいのか」という視点で、グループではなく個人へのフィードバックができる会社の方が、より差別化がしやすくなると考えられます。
工数はかかりますが、集客が難しくなる中でも、自社に合った学生だけを集めて、個人ワークと個人へのフィードバックあるプログラムの方が、より満足度は担保しやすくなります。

②新規アイデアよりも改善策

インターンシップに参加した学生からは、新規事業企画など「新しいアイデアを出そう」というインターンシップが多かった、という声をよく聞きます。新規事業などは、興味喚起しやすいという先入観があるかもしれませんが、実際のところはどうでしょう。新入社員に新しい事業の立ち上げ企画を任せる会社ももちろんありますが、実はそんなに多くありません。
それよりも、既存の仕事や事業の中で、どうやったら改善できるのか?ということに取り組んでもらう方が、日々の仕事としては多いはずです。既存の仕事のお題を出して、その改善策を考えさせるようなプログラムの方が、リアリティを追求する意味でも、満足度の高いオープンカンパニーになるのではないでしょうか。

教育研修部門との協業

自社の社員に対する研修プログラムを、採用活動においても前倒して実施する会社は、これまでにもたくさんありましたが、今後はますます有効になると思います。
コロナ禍の影響もあり、学生時代に必要な体験を積めなかった学生も増えています。そのため、初期の教育がより重要になります。これまでは入社後に実施していた教育・研修を、インターンシップなどの早い時期から提供することで、自社の研修プログラムや教育体制をアピールすることもできます。また、研修プログラムの体験を通して、その会社に必要なスキルを理解してから選考に臨む学生は、より自社とのマッチング度合いも高くなると考えられます。

オープンカンパニーの多数化・多様化により、集客が難しくなると想定される中で、他社との差別化や満足度の担保、入社志望度を上げるためのポイントとして、ぜひ3つの観点を参考にしていただければと思います。

動画では、「三省合意の改正でインターンシップはどうなるのか?」について、より詳細の解説やデータがありますので、今後の採用活動の参考にしていただけましたら幸いです。
引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分前後にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください(火曜日配信)。チャンネル登録もお待ちしております!

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