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【採用こっそり相談室】2022年の採用マーケットで人事が押さえるべき3つのターニングポイント

2022年採用マーケット

弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。

第8回目は、「2022年の採用マーケットを振り返る」というテーマです。
本記事では、動画で解説している内容のポイントをまとめています。

●2022年の採用マーケットにおける3つのキーワード

2022年の採用マーケットを振り返り、今後のターニングポイントとなる3つのキーワードをピックアップしました。何かしら参考になる点があるといいなと思います。「文理の格差拡大」「ダイレクトリクルーティングのコモディティ化」「集めにくく逃げられやすい二重苦のマーケット」という3つのキーワードについて、解説します。

●キーワード① 文理の格差拡大

2022年の採用マーケットにおいて、「文理の格差拡大」は非常に重要なキーワードです。文系・理系の差が開いているというのは、データからも明確に出ています。デューダによる「転職求人倍率レポート」では、最も求人倍率が高い職種であるエンジニア(IT・通信)と2番目に求人倍率が高い専門職(コンサル・金融)では、2年前の倍率差は約1.3倍だったのに対して、直近では約1.7倍の差があります。グラフからも、IT系エンジニア職種とそれ以外の求人倍率にどんどん開きがでていることがわかるかと思います。

新卒採用においても同様の傾向があり、学情による「23年卒内々定率調査 文理別比較」では5月末時点での内々定比率の「文理差」が、22年卒では16.7%に対して、23年卒では、21.3%まで開いています。つまり、理系学生の方が早く内定をもらう率が高く、この「文理差」は、来年以降もさらに開く可能性があります。

●文理の格差が広がる2つの背景とは?

エンジニア職や理系採用が進む背景には、大手企業のDX戦略があります。DX戦略を重視する企業が増える中で、「自社でエンジニアを採用しよう」という企業が業種問わず増えています。
また、スタートアップ企業のSaaSビジネスへの傾倒も背景にあります。SaaS型のビジネスモデルを選択するスタートアップ企業が増えていることで、エンジニアの重要度も上がり、新卒採用では素養を持つ理系学生の採用、キャリア採用ではエンジニア職経験者の採用に企業側のニーズが傾倒しています。この傾向は今後も加速すると考えられるため、ますます理系採用やエンジニア採用の難易度が上がり、給与や処遇の差も年々開いていく可能性があります。2022年はそのターニングポイントだったのではないかと思います。

●キーワード② 新卒採用におけるダイレクトリクルーティングのコモディティ化

新卒のダイレクトリクルーティングツールである「オファーボックス」を展開する株式会社アイプラグのIR資料によると、「オファーボックス」の利用企業数・オファー送信数は、どちらも前年比を大幅に上回っていることがわかります。
それに対して、登録している学生の人数は、前年に比べて微増であり、企業側のニーズに対しての伸びが追いついていない状況です。
その背景には、ダイレクトリクルーティングツール自体が多様化していることや、複数のツールを使いながら就活をする学生が増えていることも影響していると考えられます。昨今では理系に特化したツールを利用する企業や学生も多く、ダイレクトリクルーティングツールは、以前の普及期に比べると、飽和期になりかけている可能性があります。その初年度が、2022年の採用マーケットだったのではないでしょうか。

●中途採用におけるダイレクトリクルーティング

新卒採用におけるダイレクトリクルーティングのコモディティ化が進み、企業側にとって苦しい側面がある一方で、キャリア採用においては、プラスの数値も出ています。
ビズリーチを展開するビジョナル株式会社のIR資料によると、企業からの直接オファーによる採用決定率が増えていることがわかります。これまで日本のキャリア採用は、エージェントへの依存度が高く、採用予算も高騰しやすい傾向にありましたが、今後のキャリア採用では、ダイレクトリクルーティングがますます普及していく可能性が高く、その兆しがより出始めているのが2022年だったと思います。

●キーワード③ 集めにくく逃げられやすい二重苦のマーケット

マイナビによる企業アンケートでは、「採用活動で苦労した点」について、21年卒から22年卒の採用活動では、「内々定辞退の増加」「選考辞退の増加」が増えていました。直近の23年卒採用においては、「母集団の不足」「選考受験者数の不足」が前年と比較して増えています。つまり、22年卒は「辞退に悩む・逃げられやすいマーケット」だったのに加えて、23年卒採用では「集めにくい」という要素も加わりました。職種に関わらず求人倍率が上がる中で、新卒採用だけでなくキャリア採用のマーケットにおいても、「集めにくい」という傾向は強くなっています。

●集めにくく逃げられやすいマーケットになった背景は?

ここ数年、「承諾後辞退の増加」に頭を悩ませている企業も多いと思います。内定承諾後だけでなく、内定式後に辞退が出てしまうケースもあります。
このような辞退増加の背景には、「求職者の楽観視傾向」が影響しています。転職マーケットにおいても、エージェントに登録すれば、いろんな企業からのオファーが届くため、求職者側には「選べる状況」だという認識があります。
また、学生では対面授業が増え、社会人では出社などの対面業務も増えているため、就職活動・転職活動にかけられる時間も徐々に限られてきています。「選べる立場」という楽観視傾向や「対面授業や対面業務の復活」による求職者側の行動総量の減少に伴い、企業側は応募が集めにくくなっています。

●来年以降の採用マーケットはどうなる?

「集めにくく逃げられやすい二重苦のマーケット」は来年以降も加速すると考えられます。しかしながら、理想の事業戦略を実現するためには、欲しい人材の採用と定着するための戦略が、より重要になります。
採用の重要度が上がる中で企業がすべきことは、短期的な採用戦術の強化だけではなく、中長期的な採用戦略の強化です。
弊社が提唱する採用力5つの力(出会う力・つかむ力・口説く力・高める力・広める力)の好循環を生み出し、その中心にある企業ならではの「独自価値」をいかに自覚・発揮し採用力を強化するか、さらには、その企業の「独自価値」を高めることができるか、という「企業としての求心力を高める取り組み」を中長期的に続けることが非常に重要な時代になっていくと思います。

●さいごに

来年以降、ますます厳しいマーケットになるかもしれませんが、どう対応したらよいのかを一緒に考えていけるジャンプであり続けたいなと思っております。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

動画では、各キーワードに関する詳しいデータやより詳細の解説がありますので、今後の採用活動の参考にしていただけましたら幸いです。引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分前後にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください。チャンネル登録もお待ちしております!

採用こっそり相談室

ジャンプ株式会社
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