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【採用こっそり相談室】新卒採用担当者が読むべき一冊『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』から読み解く就活生の3つの傾向

弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。

第7回目は、企業人事向け「おすすめの本のご紹介」と、そこから読み解く就活生の傾向についてです。
本記事では、動画で解説している内容のポイントをまとめています。

●人事担当者におすすめ『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』

『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』は、金沢大学の金間大介教授が2022年3月に出版された本です。この本には、時代と共に変化する若者たちが抱える複雑で微妙な心理や、行動原則が分析されています。
いまの就活生や若手社員とのコミュニケーションの手助けとして、また、彼らが育った社会背景を考えるきっかけとして、人事のみなさまにおすすめの本です。

●若者の3つの「たくない」傾向とは?

この本から増渕自身が読み解いた、若者の「〇〇したくない」という3つの「たくない」傾向について解説します。具体的には、「目立ちたくない」「失敗したくない」「引っ張りたくない」という3つの傾向があります。もちろん、若者の全員にあてはまるわけではない、というのが大前提です。しかしながら、このような傾向をもつ若者の比率が上がっているのは間違いありません。

●傾向①「目立ちたくない」

最近の傾向として、「集団の中で浮くことに対する恐怖心」が強い子が増えています。良くも悪くも上や下にはみ出ると「叩かれやすい」のが現状です。例えば、SNSでも見られるように、目立つ意見や際立った成功・失敗には、必ず賛否両論あります。匿名性の高いSNSでは否定的な意見も投稿しやすく、社会問題にもなっていることから、「浮く」ことへの恐怖心が強くなっていると考えられます。そのような背景が、「なるべく目立たずに同化したい」という気持ちにつながっています。

●傾向②「失敗したくない」

失敗を恐れる背景には、「失敗をしたら、その損失は取り戻せないのではないか」という恐怖心があります。ここ10~20年の間、何かしらの不祥事が起きた際、「大人が謝るシーン」や「大人が責められるシーン」を子どもたち自身が目にする場面も多かったと思います。そのため、「失敗は怖いもの」と刷り込まれている部分もあるのではないでしょうか。

●傾向③「引っ張りたくない」

この傾向には、自分に対する「自信のなさ」「自己肯定感の低さ」が関係しているように思います。他の動画でも解説していますが、「その子らしい良さ」を持っているのに、なかなか自分自身を肯定できない、自信が持てないという傾向は増えてきています。SNSなどで日々目にする莫大な情報の中には、極めてポジティブでキラキラとしたものも多く、無意識のうちに自身と比べてしまい、「自分なんて…」という気持ちや、「こんな自分が集団を引っ張るなんて、おこがましいのでは…」と考えてしまう傾向があります。

●人事・採用担当がやるべきことは?

いまの就活生の傾向に対して、企業側は、「チャレンジャー・リーダー渇望傾向」にあります。「失敗を恐れずに挑戦する人材がほしい」「リーダーシップを発揮して、集団を引っ張る人材がほしい」というニーズは、以前よりも強くなっています。
経済環境や社会の変化も大きく、企業間の競争も激しくなる中、「新しい価値を生み出すためにチャレンジが必要だ」という危機感もあり、チャレンジャーやリーダータイプを渇望する傾向が強くなっているといえます。
「企業が求める人材」と「昨今の若者の気質傾向」が逆方向に進む中、人事担当者はどのようにしたらよいのでしょうか。

まず、短期的な視点では、「現実を理解し、許容する」ことが必須です。
若者の全員ではないものの、3つの「たくない傾向」が増えていることを受け止め、認めることです。自分たちの若い頃と比べずに、現状を許容し向き合うことが、今すぐにでも実践するべきことだと思います。

その上で、中期的な視点では、「小さな成功体験を大切に育成する」ことが重要です。
採用で解決できることは限られているため、採用した後の重要度がより高くなっています。大きな目標に向かってチャレンジさせることも成長する上では大切ですが、そのようなチャレンジが向かないタイプの子には、小さなチャレンジでも成功したことを承認・賞賛し、それを積み重ねることで、自信につながります。自信が持てるようになると、大きなチャレンジもできるようになります。

そして、長期的には、「より心理的安全性の高い風土をつくる」ことです。
風土変革や風土づくりは、一朝一夕にできるものではないので、長期的な取り組みになると思います。たとえ失敗したとしても、許し合える風土があり、何か小さなことでも良いことや成功体験があれば、承認・賞賛し褒め合う風土があると、心理的安全性も高くなります。そのような風土がある会社は、今後の新卒や第二新卒採用、また採用後の定着や活躍においても有利になっていくと思います。

動画では、就活生の傾向に対する人事担当者の向き合い方についても、より詳しく解説していますので、今後の採用活動の参考にしていただけましたら幸いです。引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分弱にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください。チャンネル登録もお待ちしております!

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ジャンプ株式会社
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「世界にひとつの採用戦略を。」をスローガンに採用力の強化により、企業価値そのものの向上までを支援する会社。本気で、会社を変えたい。本気で、会社を良くしたい。そう強く決意する皆さまに、採用戦略、組織戦略、ブランディング、販促・集客、などを支援しています。


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