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【マンスリー採用ウォッチ8月】26卒のサマーインターンシップは、25卒より活性化しない?

採用ウォッチ8月

7月よりスタートしたショートセミナー「マンスリー採用ウォッチ」
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8月は、7月以上にたくさんの方からお申し込みをいただきました!
引き続き、できる限りリアルタイムに近い「旬」のデータをお届けし、みなさまからの質問にも「その場で」お答えしておりますので、是非ご視聴ください。本記事では、セミナー内容をまとめています。
8月は、「26卒のサマーインターンシップは、25卒より活性化しない?」を解説しました。

●26卒のインターンシップ、6月の参加率は前年よりも大きく減少⁈

2026年卒採用、インターンシップも真っ只中かと思います。
まずは、7月にリリースされた「マイナビ2026年卒 大学生 インターンシップ・就職活動準備実態調査(6月)」をご紹介します。非常に興味深く、且つ要因の分析が難しいデータですが、下の図をご覧ください。

出典:マイナビ2026年卒 大学生 インターンシップ・就職活動準備実態調査(6月)

アンケートによると、6月単月のインターンシップ・仕事体験参加率は22.3%でした。前月比では13.7pt増でしたが、前年比で見ると4.2pt減少しています。
4月・5月は今年から調査を開始しているため前年比較がありませんが、早期化が進む中で6月が前年よりも減少しているのは意外な結果です。さらに、【図2】インターンシップ・仕事体験に参加した割合(累計)もご覧ください。

出典:マイナビ2026年卒 大学生 インターンシップ・就職活動準備実態調査(6月)

調査月によって対象者が異なるため、先月を下回ることもあるとはいえ、6月単月で見ると参加割合は前年比12.7ptと大きく減少しています。こちらも、意外な結果と思われる方も多いのではないでしょうか。
【図3】インターンシップ・仕事体験に申し込んだ割合(単月)を見ても、わずかですが前年同時期よりも減少しています。8割近い学生が申込をしているものの、右肩上がりではない点に注目したいと思います。

出典:マイナビ2026年卒 大学生 インターンシップ・就職活動準備実態調査(6月)

●26卒のインターンシップ、6月の参加率が減少した要因は?

26卒のインターンシップ参加率が減少した要因について、データを基に仮説をお話したいと思います。

出典:マイナビ2026年卒 大学生 インターンシップ・就職活動準備実態調査(6月)

【図4】の通り、「インターンシップ・仕事体験応募時に不安に思うこと」で最も多い回答が、「スケジュールの調整ができるかどうか」です。夏休みには長期休暇中にしか参加できないような開催日数の長いインターンシップ・仕事体験も開催されるため、スケジュール調整に不安を感じる学生が多いと考えられます。
6月の参加率が減少した背景には、「スケジュール調整の難しさ」があるという仮説を持ちつつ、株式会社学情による「夏休み中のインターンシップ参加」に関するアンケートを比較してみたいと思います。

出典:2026年卒学生の就職意識調査(夏休み中のインターンシップ参加)2024年7月版・株式会社学情

学情さんのアンケートによると、夏休み中に開催されるインターンシップについて、参加を「希望する」と回答した学生は84.6%でした。この結果については、ある程度みなさんの想定通りかなと思います。
昨年の同時期に発表された同様のアンケート結果とも比較をしてみましたので、下の表をご覧ください。

出典:2025年卒学生の就職意識調査(夏休み中のインターンシップ参加)2023年7月版・株式会社学情

2025年卒学生を対象にした同様のアンケートでは、参加を「希望する」と回答した学生は78.3%でした。つまり、夏休み中のインターンシップに参加したいと回答した学生は、2025年卒学生に比べて、2026年卒学生の方が増えています。

次に、応募状況について比較をしてみました。
夏休み中のインターンシップ参加を希望している学生のうち、インターンシップに「応募した」と回答した学生は、2026年卒学生は55.7%でした。

出典:2026年卒学生の就職意識調査(夏休み中のインターンシップ参加)2024年7月版・株式会社学情

対して、夏休み中のインターンシップに「応募した」と回答した2025年卒学生は61.1%でした。
夏休み中に開催されるインターンシップへの応募状況については、予想外に2025年卒学生の方が高い数値でした。

出典:2025年卒学生の就職意識調査(夏休み中のインターンシップ参加)2023年7月版・株式会社学情

2025卒学生と比較すると、2026卒学生について、夏休み中のインターンシップへの「参加希望」は増えているものの、実際に「応募した」という学生は減っているということです。
マイナビさんの調査結果とつながりますが、昨年同時期よりも学生の動きが鈍くなっているかもしれない…とも考えられます。
参加を予定しているインターンシップの実施方法についても、2025年卒学生と2026年卒学生を比較してみました。

出典:2026年卒学生の就職意識調査(夏休み中のインターンシップ参加)2024年7月版・株式会社学情
出典:2025年卒学生の就職意識調査(夏休み中のインターンシップ参加)2023年7月版・株式会社学情

2026年卒学生のインターンシップでは、リアルのみ参加する学生が増え、オンラインのみに参加する学生が激減しています。インターンシップは「リアル参加したい」という学生の声が多くなっていることは、みなさんもご存知かと思います。上記のアンケート比較からも、オンラインのみのインターンシップは人気が落ちている、ということは明確です。

先ほどご紹介したマイナビさんのアンケート、「インターンシップ・仕事体験応募時に不安に思うこと」に対して、「スケジュールの調整ができるかどうか」という回答が多かったことにもつながりますが、「インターンシップのリアル参加希望」が増えると、参加できる社数が限られるため、必然的に「応募数」が減ります。

このような構造が、冒頭にご紹介したマイナビさんの6月のアンケート結果に反映されているのではないか、と仮説を立てました。

まとめると、夏のインターンシップへの学生の参加意向は高まっているものの、「リアル参加」への希望が高いため、応募数(行動総量)が増えていないのではないか、と考えられます。
みなさんの企業でも、インターンシップの集客が難しくなっているのではないでしょうか。

では、集客のヒントがどこにあるかというと、スケジュール調整が難しい中でも「参加したい!」と思える魅力的な対面型のインターンシップ企画ができるかどうか、が王道の方法だと考えています。
考え方によっては、オンラインと対面の両方に参加する学生は半数以上いるため、短い時間でスケジュール調整がしやすいオンラインインターンシップを「会社を知るきっかけ」として開催し、セカンドインターンシップで対面型・複数日程の開催など、2段階のインターンシップを設計する取り組みも、やはり強いのかなと思います。

以上、今回最も注目したい、2026卒のサマーインターンシップに関するトピックでした。


●文系・理系で異なる企業選びのポイント

ここからは、株式会社ワンキャリアによる、2026年卒の学生に向けた就職活動に関する調査をご紹介します。
文理別に見た企業選びのポイントについて、とてもおもしろい結果が出ています。
「志望企業を決める際、何を最も重視していますか?」に対して、文系・理系共に1位は「ワークライフバランスが確保できる」という回答でした。昨今の学生傾向とも一致しており、プライベートを重視しながら働きたい学生が増えていることは確かです。

出典:2026年卒 就職活動実態調査(株式会社ワンキャリア)
出典:2026年卒 就職活動実態調査(株式会社ワンキャリア)

文系・理系を比較した際、「自分のなりたい職種である」は、文系2位、理系5位と差があります。また、「給与が高い」についても、文系6位、理系2位という結果でした。
職種別の初任給設定が増える中、獲得競争が厳しい技術職の初任給を上げる会社も多く、給与の差が開きやすいために、理系学生は企業選びの際に給与の重要度が高くなっている側面があると思います。

「自分のなりたい職種である」については、理系学生の方が「専攻分野・専門性を活かしたい」という希望が明確な可能性が高いため、文系学生での順位が高いのは意外な結果に感じる方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、以前YouTube「採用こっそり相談室」でも「配属コミット採用」についてお話したように、配属先がわからない総合職採用よりも、配属先が選べることは学生にとってもニーズが高いので、そのような背景も関係していると考えられます。

▼関連動画(採用こっそり相談室)
配属コミット採用の正しいとらえ方


●東京圏とその他の地域学生、企業選びの違いは?

次に、企業選びの軸について、東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)在住の学生と、その他の地域在住の学生を比較した調査結果もありますので、ご紹介します。

出典:2026年卒 就職活動実態調査(株式会社ワンキャリア)
出典:2026年卒 就職活動実態調査(株式会社ワンキャリア)

このアンケート結果を参考に、ターゲット学生を絞る際は、自社の強みや訴求しやすい要素(給与・社会課題解決or企業の雰囲気・福利厚生など)に合わせて、東京圏またはその他の地域学生(国公立の優秀層)のどちらで勝負をするか、という戦略を立ててみるのも良いのではないでしょうか。


●上位校ねらいの企業向け調査データ

株式会社リーディングマークが運営する「ミキワメ就活」が7月に発表した、「2026卒 旧帝大/早慶 新卒就職人気企業 夏期ランキング」をご紹介します。
調査は2024年5月11日~7月2日、2026年卒予定の、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京工業大学、一橋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学の計12大学の大学生もしくは大学院生1,741名を対象に行われました。

出典:2026卒 旧帝大/早慶 新卒就職人気企業 夏期ランキング(株式会社リーディングマーク)

TOP5を占めるほど、総合商社の人気が高いことが伺えます。コンサル、IT、銀行もシェアを伸ばしています。
また、企業選びで重視する要素としては、所得重視の傾向が継続し、30歳の期待年収(1000万円以上)も昨年に比べて大幅に上昇しています。やはり、上位校の学生が給与重視の傾向にあるのは、顕著になりつつあるのかなと思います。

出典:2026卒 旧帝大/早慶 新卒就職人気企業 夏期ランキング(株式会社リーディングマーク)

●男女別・上位校調査データ

男女別でも同様のアンケート結果が発表されていますので、ご紹介したいと思います。

出典:2026卒 <男女別>旧帝大/早慶 新卒就職人気企業 夏期ランキング(株式会社リーディングマーク)

男女とも人気業界1位は商社ですが、女性により人気が高い傾向があります。2位は、コンサルティング・シンクタンクで共通しています。3位以降については、食品業界・消費財は女性に人気が高く、電気・電子機器やIT業界は男性により人気が高い傾向があり、男女の志向に違いが見られました。

次に、キャリアゴールに関するアンケート結果をご覧ください。(※9つのキャリアゴールの中から最も重要だと思うものを最大で3つ選択。投票数が多いものをランキング化したデータ)

出典:2026卒 <男女別>旧帝大/早慶 新卒就職人気企業 夏期ランキング(株式会社リーディングマーク)

キャリアゴールに関しては、女性の方がワークライフバランス重視・社会貢献重視傾向、男性の方がスペシャリスト重視・リーダー・マネージャー重視傾向という結果となりました。
男性と女性を比較した際に割合が大きく違う項目は、純粋な挑戦(男子23.0%、女性12.1%)と国際的な職業(男性15.2%、女性28.3%)でした。
このデータは、「どんなキャリアプランを描いている学生を採用したいか」によって、自社との相性を見る際に一つの参考にしていただければと思います。


●初任給引き上げの実態は?

新卒採用では給与に関するトピックが多く重要度の高さが伺えますが、その実態について、マイナビさんによる2025卒採用における企業向けの調査データをご紹介します。

出典:2025年卒マイナビ企業新卒採用活動調査

初任給の引き上げについて、2025年卒採用では前年より14.4pt高い84.4%の企業で実施されていました。来春入社する学生の初任給は、顕著な引き上げ傾向があったといえます。
引き上げ額についても、2024年卒採用では5,000~1万円未満(36.0%)でしたが、2025年卒採用では1万円~2万円未満(35.9%)となり、上げ幅もよりも大きくなっています。

初任給の引き上げに伴い、既存社員のベースアップも考えなくてはいけないため総人件費も上がり、簡単ではないものの、ここにチャレンジしないと採用も苦戦してしまう、という経営判断をされた企業が多い表れかなと思います。

採用こっそり相談室でも「初任給引き上げ」に関する解説をしておりますので、ぜひご覧ください。

▼関連動画
「初任給の引き上げ」は採用活動のどこに寄与するのか。母集団形成?それとも承諾率改善?

以上が、今月お伝えしたいマーケットデータになります。採用活動に少しでもお役立て頂けましたら幸いです。
来月以降のご視聴もお待ちしております!

採用ウォッチ8月

ジャンプ株式会社
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