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【採用こっそり相談室】「内定辞退」が起きる3つのパターンと企業が取るべき対策とは?

内定辞退抑制

弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。

今回のテーマは、「内定辞退のメカニズムと企業が取るべき対策」についてです。
本記事では、動画内容をまとめています。

●はじめに

内定辞退」は、ここ数年で最も採用担当の方を悩ませているキーワードです。最近よく聞くようになった「承諾後辞退」も含め、本当に悩ましい課題だと思います。
しかしながら、「なぜ内定辞退が起きるか」「どんな辞退パターンがあるのか」については、意外と考えたことがないのではないでしょうか。
そこで、まずは、内定辞退のメカニズムを解説します。


内定辞退の3パターン

内定辞退には、大きく3つのパターンがあります。

A:練習台パターン(もともと目がなかった)
学生側からすれば、最初からその企業に入る可能性は限りなく無かったが、企業側は内定を出したというパターンです。つまり、本命企業の練習として選考・面接を受けて、内定をもらったケースです。このケースは、当然ながら辞退率が高くなります。

B:お友達パターン(他の相手に競り負けた)
3~4社から内定をもらった学生が、最終的な1社に絞る中で、相対的な比較で辞退になった(競り負けた)パターンです。結婚に例えると、「いい人なんだけど…」で終わってしまう、お友達パターンです。これは、昔から一番多い内定辞退パターンです。

C:婚約破棄パターン(交際したが振られた)
内定承諾書のサインはもらったものの、承諾後に辞退されてしまうケースです。


●内定辞退増加の背景にある2つのキーワード

3つの中でも最近増えているのが、「A練習台パターン」と「C婚約破棄パターン」です。

この2つが増えている理由のキーワード1つ目が「不安心理」です。

Z世代傾向の一つとも言われているリスクヘッジ傾向から、「本命の面接の前に練習をしておきたい」「失敗したくない」という不安心理が働き、練習台パターンを増やしています。
企業側から見ると、超売り手市場なので、学生側はもっと優位に立てると思う訳ですが、「不安心理」は学生側に常にあることがわかります。

婚約破棄パターンにつながる理由としては、「決め手に欠けるが後悔したくない」という不安心理があります。
複数社の内定から一社を選ばなければならないけれど、「決めきれない」という状況の中、内定承諾期限が来てしまい、「後悔しないように」とサインをしてしまいます。このように、複数内定承諾をしてしまった結果、最終的に承諾後辞退をする会社が出てきてしまう、というのも「不安心理」が働いています。

また、2つ目のキーワードには、「法的拘束力」があります。
内定承諾書には法的な拘束力は無い、というのが一般的な見解になっています。大学側も同様の見解を持っているため、学生側にも、以前よりこの見解が浸透しています。そのため、「とりあえず承諾」がかなり増えている、という現実です。

このように、学生の「不安心理傾向」「法的拘束力の解釈」から、「練習台パターン」と「婚約破棄パターン」の内定辞退が増えています。


内定辞退を抑制するための必須ポイント【基本編】

内定辞退を抑制するためのポイントを、基本と応用に分けて解説します。
まず、内定辞退抑制を考えるうえで必須のポイント【基本編】は、以下の3つです。

1勝負は途中で決まっている
志望度が変動する一番のポイントは、「一次面接終了後から最終面接の前まで」という調査データもあるように、重要なのは、一次面接官・二次面接官、その間に接触するリクルーターがいかに惹きつけをできるかです。最終面接の前までの選考過程で、学生の気持ちはある程度固まるため、内定出しの前段階で「勝負は決まっている」ということです。

2.可変要素を明確化する
内定承諾率を高めるために重要はファクターがいろいろある中で、当然、変えられること、変えられないことがあると思います。例えば、「給料を上げる」というのは、昔はとても難しく変えにくい点でしたが、昨今の賃上げトレンドもあり、給与アップを考える会社はどんどん増えています。
その他にも、「仕事のやりがい」を現場社員から伝える場をつくることや、集団面接を個別面接に変えて、「一人一人にじっくり向き合う選考」にするなど、可変要素が高いものもあります。

変えられること、変えられないことを明確にし、「変えられること」にフォーカスして実践することが重要になります。

3.結局YTK(よってたかって口説く)できる会社が強い
「実際に会った社員が魅力的だったから、この会社に決めた」という承諾理由は、特に文系の学生に強い傾向があります。事業内容や仕事内容の細かな違いなど、考えてもわからないという時に、最後のよりどころとして、「人の魅力」があります。「この会社に入ったら、安心して働けそう」という心理が決め手となるケースはとても多いです。

学生に内定を出すときや会社に訪問してもらう際、現場社員に内定者を紹介する場をつくり、「内定おめでとう!」と歓迎してもらえるような演出をすることも、学生の心を動かします。現場社員と協働して、いかに寄ってたかって口説けるかが重要ということを、改めて捉えましょう。

選考プロセスやフォローの過程で志望度を上げるためには、「面接官やリクルーターの強化・研修」や、可変要素を明確化するための「内定辞退者インタビュー」も重要な打ち手となりますので、お困りの際はご相談ください。

●関連記事
内定辞退抑制のポイント【基本編】については、以前の記事からもご確認いただけます。
【採用こっそり相談室】なぜ「内定辞退」が増えているのか、企業人事はどう向き合うべきか。


●内定辞退を抑制するための必須ポイント【応用編】

最後に【応用編】として、今後、重要度が高まると予想する取り組みを2つご紹介します。

1.セルフスクリーニングを利かせる
採用難になると、各社で応募のハードルを下げて間口を広げ、採りやすくなると応募条件を絞るというのは、昔から繰り返している方法です。現在も人が集まりにくいため、募集上の選考基準を広めにする会社が多くなっています。
しかし、募集の初期段階で、「自社に合う人・合わない人」をきちんと伝えて、「セルフスクリーニングを利かせる」ということは、よりマッチング度の高い人の志望度を上げることにもつながります。
結果として、「練習台パターン」の内定辞退を減らすことにもつながるため、セルフスクリーニングを利かせる傾向は、今後ますます重要度が高まります。

2.タレントプールへのチャレンジ
昨年、三井住友海上の事例(新卒採用で内定辞退をした学生に対して、入社後3年間のうちに中途採用で応募した際の選考パスを渡す取り組み)が、新聞記事になりました。
アルムナイ採用と同様に、内定辞退をした学生ともつながり続ける仕組みをつくり、転職を考えた時に応募先の一つとして検討してもらう、という取り組みです。
まだ取り組んでいる会社は少ないですが、この仕組みができている会社は、よりマッチング度の高い採用ができるので、今後のトレンドになり得ると思います。

動画では、「内定辞退のメカニズムと取るべき対策」について、より詳しい解説があります。
引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分前後にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください(火曜日配信)。チャンネル登録もお待ちしております!

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