STRUCT REPORT
採用コラム

把握しておきたい就活生の基本的思考

平山博喬

今回このようなタイトルのもと、書いていこうと思いますが、ただ就活生っていっても理系学生もいるし、文系学生もいるし、専攻したきた分野も違いますよね。基本的にはいろいろなタイプがいると思います。さらに言ってしまえば、女性と男性で思考面も異なると思いますし、育ってきた環境も千差万別であることからも、いろいろなタイプがいることは前提で、就活生の基本的思考における「大きな傾向」をテーマとして書いていきたいと思います。

■学生の思考は内定承諾する時点まで変化し続ける

まず学生の「こんな風に働きたい」「こんな業界で働きたい」「こんな会社で働きたい」といった思考はまず「初めて就職をイメージし始める段階」から「実際に就活を始めた段階」、そして「実際に企業の内定を承諾する段階」までで変化しうるものである。ということは押さえておきたいポイントです。ネットでも様々な会社の学生に関する調査データが見れますが、この前提があると理解しやすいと感じます。例えば今年1月末の日経新聞に以下のような記事が出ました。

【自分が成長できる企業へ、今春の新卒 年収・安定性より重視】
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「自分が成長できる企業へ、今春の新卒 年収・安定性より重視 」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40703020R30C19A1XXA000/

年収や安定性より自分が成長できるかが入社の決め手。就職情報大手のリクルートキャリアが31日に発表した調査で、今春就職予定の学生のこんな意識が明らかになった。――
上のグラフは記事内にあった、2019年卒業予定の大学4年生らを対象に18年12月にインターネットで調査したもので、民間企業への就職が確定している978人の回答を集計したデータです。ここでふと違和感が湧く方もいたかもしれません。マイナビの調査データでは経年でも、ここ5年ほどは1位と2位が飛びぬけていて、「1位:自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」「2位安定している会社(年々増加)」となっていたような。。それを鑑みると今回の記事をどう捉えるべきなのだろうかと。この時に先ほど、お伝えした、学生の「こんな風に働きたい」「こんな業界で働きたい」「こんな会社で働きたい」といった思考はまず「初めて就職をイメージし始める段階」から「実際に就活を始めた段階」、そして「実際に企業の内定を承諾する段階」までで変化しうるものである。という前提の上で整理すると理解しやすいのです。それでは段階ごとに少し整理してみます。

■初めて就職をイメージし始める段階

大学を卒業したら就職をするという漠然とした考えがあり就活をしていこうという状態の学生。就活超初期段階といえる、この時の学生の思考を把握しておくには、「学生の就職観」に関する調査データなどをみておくのが良いのではないかと思います。

【「楽しく働きたい」が不動の1位!】
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上のグラフは、2019年卒マイナビ大学生就職意識調査内で調査された、就職観に関する調査データです。概要としては「楽しく働きたい」が2001年卒からみても不動の1位を継続しており、今年は3割(33.3%)を超えています。細かいデータを確認すると、特に文系男子は前年の27.3%から4.8pt上昇の32.1%となっています。前年2位の「個人の生活と仕事を両立させたい」は順位としては前年同様ですが、13年卒以来6年ぶりに前年を下回っています。「自分の夢のために働きたい」が理系を中心にわずかではありますが増加しています。そりゃ楽しく働きたいですよねーー。07年卒の私も漠然とそう思ってました。笑

■実際に就活を始めた段階

実際に本格的に就活を始めた学生、具体的なタイミングでいうと、プレエントリーやエントリーをし始める時期で、いくつかの会社で説明会が始まり始めた頃ですね。早期化が進んでいますが、いったんは2月~4月前半ということでイメージください。この段階の学生の思考を把握しておくには、候補企業の選定という意味で「企業選択のポイント」に関する調査データなどを見ておくのが良いのではないかと思います。ここで弾かれてしまったら元も子もないので、参考にしたいデータでもあります。

【「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が2年連続1位!】
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上のグラフは、2019年卒マイナビ大学生就職意識調査内で調査された、企業選択に関する調査データです。「あなたが企業選択をする場合、どのような企業がよいと思いますか」という質問で2018年2月1日~2018年4月10日に実施されたものです。このグラフは経年ではないのですが、詳細の経年グラフからいえる概要としては、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社(38.1%、前年同値)」が01年卒からみても連続で1位です。ただ01年卒と比べると約10pt減少しています。01年卒から09年卒まで2位であった「働きがいのある会社(13.7%、前年比1.4pt減)」は、6年連続で減少し5位に留まっています。文系男子では、「安定している会社(37.2%、前年比2.7pt増)」が2年連続で最も多く選ばれており、安定を望む傾向が高まっているようにみえます。自分がやりたいと思う仕事ができて、安定している会社とは贅沢な気がしてしまうのは私だけでしょうかーー。笑

■実際に企業の内定を承諾する段階
就活も終盤に入り内定をもらう段階。6割を超す学生が2社以上から内定をもらうというデータもあるように、最終的にどの会社の内定を承諾するべきか悩む学生も多いことでしょう。この段階の学生の思考を把握しておくには、「入社企業決定のポイント」に関する調査データなどを見ておくのが良いのではないかと思います。これがまさに一番先に紹介した、日経新聞で取り上げられたデータでもあります。クロージングの際には学生の意思決定に大きく寄与する、これらの情報を軸に、自社の情報を改めて訴求できるかが勝負となってきそうです。

【「自らの成長が期待できる」が47.1%と、約半数が回答!】
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上のグラフは、リクルートキャリア就職みらい研究所が2018年12月1日時点で民間企業への就職が確定している大学生・大学院生を対象に調査した「就職プロセス調査」の中のデータで、「就職先を確定する際に決め手になった項目」について尋ねた結果です。ここから見えてくるものとして、就職みらい研究所としては、「定年まで一社に勤め上げる」「新卒で入社した企業は一生安泰」という志向にも変化が見え始めている。学生のコメントからは、安定志向が伺えるなか、「将来が見通しづらい社会では自らの成長こそが安定に繋がる」という声が多く挙がっている。こうした背景から、「入社の決め手」として、将来のキャリアにつながる「成長」を挙げる学生が多いと考えられる。といった考察を出しています。この調査をみて個人的にはやっと安心しました。会社が提供してくれる安定も重要かもしれませんが、自分が成長し、スキルや経験を上げることが本当の安定につながると思いますし、今の学生が少なからずそう感じているのであれば、そのスタンスで頑張って社会で生きていってほしいと心から思いました。

以上いかがでしたでしょうか。まとめると学生は就活超初期から終盤までに思考が変化していく、言い換えればその時々で企業に求めることは変化していくということです。企業側としてはそれを鑑みた上で、学生に対して適切な情報提供やコミュニケーションを行っていけると、「選ばれる機会」も多くなるかもしれません。

平山博喬
クライアントパートナー

「もっと頼っていただける人間になりたい」 組織・育成・ブランディング・マーケティング・プロモーションまでマルチな企業支援を目指します!プライベートでは体を動かすことが好きでいろんなスポーツに手を出しています。ひさびさにお会いする人にはいつも背伸びた?とか痩せた?と言われますが、食べるのも飲むのも大好き!行きましょう!


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