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採用コラム

【セミナー速報】「新卒採用自由化時代」の予測。サイバーエージェント、ニトリの採用戦略とは?

増渕知行

2019年2月4月(月)に、永田町グリッドにてこんなセミナーを開催しました。

サイバーエージェントとニトリの採用から紐解く、「採用自由化時代」に競合と差別化するための戦略メソッドとは?

人事のみなさんにとっては忙しいこの時期。にもかかわらず、なんと150人を超える方々にお越しいただけました。あらためて、心より感謝申し上げます。そしてこの「新卒採用自由化」というテーマに、興味関心をもつ人事がいかに多いかという証明だとも感じました。

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歴史を紐解けば、新卒採用マーケットは大きな変化を繰り返してきました。私が採用に携わるようになってからの20数年でも、「ネット就活普及期」→「リクナビ全盛期」→「リクvsマイナビ期」→「脱ナビ厳選採用期」ときて、現在は「インターン主戦場期」であるというのが私の見立てです。そして昨年の経団連ルールの崩壊にともない、これから「新卒採用自由化期」が訪れる。これからのマーケットはどうなるのか?そして採用マーケットで勝ち続ける、成果を出し続けるにはどうしたらよいのか?それがこのセミナーのテーマでした。

私の担当パートは冒頭の15分と、サイバーエージェント宮本さんとの30分のトークセッション。冒頭の15分は本当に駆け足でしたが、「新卒採用自由化期におきることの予測」と「勝ち抜くためのフレームワーク」をお話ししました。このフレームワークは、そのあとのサイバーエージェントさん、ニトリさんのお話を聞いて自社で活用する上での下敷きにもなると思ってご説明した次第です。

実は今回のセミナー、後日「ログミー」というメディアで全編書き起こしの記事が公開されます。ですのでどんなことをお話ししたのかの詳細は、そちらに譲ったほうがよいかと思います。この場では、私がお話したことのサマリーと、サイバーエージェント宮本さん、ニトリ永島さんのお話を聞いて感じたことをまとめてみたいと思います。

■私がお話したことのサマリー
<新卒採用自由化期のマーケット予測>
1.1,2年生ターゲットのサービスが伸びる
2.中退採用または卒業支援企業が増える
3.タレントプール採用の導入が進む
4.とはいえ採用シーズンは3つに集約される
5.現場社員の採用協力レベルがますます問われる
6.育成・処遇体系の再構築が加速する

ここ数年は、ますます「カオス」なマーケットになり、人事が「振り回されやすい」マーケットになる。

<カオスマーケットだからこそ重要なこと>
◎事業戦略と同等のレベルで採用戦略をとらえ、企画・推進すること
◎具体的には以下のステップが必要
▼ビジョンメイク
▼マーケティング
▼戦略企画
▼実行推進

<それぞれのポイント>
▼ビジョンメイク
「事業→組織→採用」の順でブレイクダウンし、採用の「目的と目標」を共通認識化する
▼マーケティング
「採用3C分析」により、自社の「勝ちどころ」を明確化する
▼戦略企画
採用力を「5つの力のスパイラル」でとらえ、「独自価値を発揮する戦略」を企画する
▼実行推進
人事・現場・経営が「共通認識」をもち、「三位一体」となって実行推進する

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■サイバーエージェント宮本さん、ニトリ永島さんのお話を聞いて感じたこと
まず「やはり」というか、両社ともに採用に明確な「ビジョン」があります。それが人事、採用チーム全体の共通認識になっている。「現場がほしいスペックをもつ人を採る」のではなく、「未来の事業から逆算した採用を目指す」という意識が文化になっていることが共通項の一つだと思いました。

そして「三位一体」の推進レベルが半端ない!現場の社員が寄ってたかって口説いていく迫力が、両社の採用力のコアであると確信しました。この「現場の採用協力レベルの高さ」については、セミナーを聴講された人事の方々は「うらやましいなぁ」と思ったことでしょう。サイバーの藤田社長、ニトリの似鳥会長ともに創業社長であり、採用にかける情熱と優先順位が日本トップクラスに高い経営者だと思います。そうでない経営者のほうが当然多い。最後の質疑応答でも、「経営陣に採用の重要性を説くにはどうしたらよいのか?」という質問が出ていました。

この質問には私も回答しました。「気合と情熱だけでは難しいと思う。ある程度のロジックも必要だ。新規事業の立ち上げを目指すときには、事業企画書を書く。それと同様に、採用をダイナミックに転換するときは採用戦略企画書を書く必要がある。そこには事業と接続したロジックが必要だ。」という趣旨で回答しました。

これはまさに私が常々思っていることです。「Only1Camp」も、事業を伸ばす採用戦略企画書をアウトプットできる人事を増やすために立ち上げました。この「企画→アウトプット→合意形成→毎年ブラッシュアップしていく」というサイクルが確立できると、属人的になりがちな採用力を会社の「資産」としてストックしていくことが可能になります。そして人事がコストセンターではなく、企業の未来をつくるプロフィットセンターになっていくことにもつながると思うわけです。

今回のセミナーを通じて、あらためて「採用戦略で伸びる会社を日本中に増やしたい」という想いを強くしました。そして、サイバーエージェントさん、ニトリさんのようなすばらしい取り組みをされている企業の戦略を汎用性の高いフレームワークで読み解くセミナーを、もっと開催していきたいと思いました。この記事を読んで興味をもっていただけた方は、ぜひ次の機会にお越しください。

増渕知行
代表取締役 クライアントパートナー

理想を追求し続けたら、起業に行きつきました。ジャンプは自分の人生そのものです。ジャンプはクライアントにとって、頼れる同志であり続けたい。社員にとって、燃える場所であり続けたい。約束は守る男です。週末は野球がライフワーク。


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