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クリエイティブ

【オヤカク】「お前らのような会社、俺は認めない」内定者の保護者から言われた。

田邊宏明

いやぁ、そんなことを言われた日には電車を止めてしまいそうです。そんなわけで、新卒就活生とその保護者について書こうとおもいます。オヤカクとは。

オワハラじゃないです。オタフクでもないです。オヤカクです。

「ウチが内定出したんだから、他の会社の選考辞めて就活終われよハラスメント」がオワハラ。お好みソースをつくってるのがオタフク。オヤカクは、「親確」。内定を出した学生に「ウチの会社に入ること親御さんからOKもらった?」と確認すること、もしくは企業が内定者の保護者に直接説明したりすることを指します。オヤカクなんて言葉が生まれたのは、「せっかく優秀な学生が採れたと思ったら、親の猛反対で内定辞退がされた…」というケースが増えたためです。なかには会社に怒鳴り込んできた保護者の方がいるとか、いないとか…。いやぁ怖いですね。ちなみに、親が子どもの意思関係なしに内定辞退をしても、子どもが20歳以上ならば法的拘束力はないとのことです。

学生も、保護者も、不安なんですね。

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「親に反対されたぐらいで内定を辞退するような決断力のないヤツはいらん!」と思う方もいるかもしれません。学生も、業界研究とか企業研究とかして、説明会や面接で実際に社員や社長に会ってるんですから、内定企業にかぎれば、親よりも確実に知識はあるはずなんですよ。なんで、親より学生本人の意思が尊重されていいと思います。とはいえですね。別に親に相談すること自体は悪いことじゃないですよね。現役バリバリで働いていて社会を知っている父親に、自分の内定先は大丈夫かなぁなんて聞く気持ちは、わからんでもないので。親が調べてみると内定先が実はヤバイ会社だったということも、まぁあるでしょうから。

そして、親の気持ちもわかります。「パワハラ」「セクハラ」「ブラック企業」にウチの子どもが巻き込まれて、辛い思いをさせたくないという方も当然いるでしょう。よくないのが、保護者の反対を押し切って入社した学生が、「やっぱり辞めたい」と思ったとき、その会社とも親とも確執ができてしまっていたら、救いをもとめる場所がなくなってしまいます。それはそれで、かわいそうです。それらも含めて、内定者だけじゃなく、必要に応じてという前置きはつきますが、保護者ともしっかりコミュニケーションを取ったほうがよさそうです。

各社いろいろ対策してるようです。

保護者としては「上場企業」「官公庁関連」など、名前を聞いたことがあって、経営が安定してそうな会社だと安心するそうです。だからといって大手企業は何もしないでいいというわけではなく。BtoB企業のような消費者と接点の少ない会社は、ネームバリューがないため親の反対もあるようです。また、大手企業だとしても不人気業種は、内定辞退に苦心されています。いかに、自社を保護者の方にご理解いただくか。企業規模関係なく、いろんな対策をされているようですので、その内容を簡単に調べてみました。

◆保護者向けの企業説明会・企業見学会を開催する
保護者を呼ばない場合は、内定式の様子を収めた写真を保護者に送る企業もありました。
◆保護者を内定式や入社式に招待する(某テレビ局がおこなって話題になりましたね)
ある大手飲料メーカーでは、家族の交通費の一部負担、
式典後の会社見学、自社保有のレストランでの家族の懇親会も開催したそうです。
◆高級な贈り物(花束など)を贈呈する
◆「親向けレター」「企業紹介DVD・パンフレット」「親向けの内定理由通知書」を保護者に送る
メーカーや小売企業は、自社商品も一緒に送るそうです。
◆経営者や採用担当者が直接家庭訪問する
◆採用ホームページに、保護者向けコンテンツをつくる

簡単なものから接待レベルのものまで、各社さんいろいろ試行錯誤されていますね。理想は、学生がしっかりと自分の言葉で内定先企業のことを伝え、親からの理解を得られることかなと。そういう意味では、内定者フォローのコンテンツも非常に重要。ジャンプでも、内定者フォローの相談はよくされますし、実際におこなっています。…最後は、ちょっと宣伝くさくなりましたが、もし内定辞退等でお悩みであればどうぞお気軽にご相談ください。

田邊宏明
コピーライター/ディレクター

広告は、目立ってナンボの世界でもあります。ただ、たとえ派手さはなくても、相手のことを思いやる人間らしい誠実なスタンスこそが、人を動かすということを忘れないでいようと思います。腹の肉を追いやるため、なにか運動をはじめようかと思案中。


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