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インターンシップノウハウ

インターンシップ実施に向けた「準備」は万全ですか?

平山博喬

■インターンシップは採用活動の主戦場

年を追うごとに、インターンシップが各社の採用活動において極めて重要な位置付けになり、20卒において企業のインターンシップ実施率は昨比で5%上昇の約75%というデータがディスコの調査から出ていました。学生の意識でいっても、インターンシップ参加は単なる就業体験目的ではなく、就職活動の一環として捉えているといって間違いはありません。

こうした学生の意識も年を追うごとに高まり、ディスコやマイナビの調査では、20卒では約85%の学生がインターンシップに参加し、参加社数平均は3.2社というデータが出ました。さらにこの数字を細かく見ると、学生全体の20%は5~10社のインターンシップに参加しています。みなさんの会社のインターンシップにも5社以上のインターンシップに参加するような学生がいても、なんら違和感はありません。

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ここからの時期、具体的に2月は上の図にもあるように、学生のインターンシップへの参加が多くなる山場の時期です。もちろんこの時期は企業のインターンシップが多く開催される山場の時期でもあります。おのずと学生側から、自社と採用競合となる他社を比べられやすい時期で、インターンシップの内容次第では、学生側に絞り込まれた結果、自社の選考に進んでくれないといった事が起こる怖さもありますので、しっかり自社に振り向かせるようなインターンシップを実施していきたいですね。

■インターンシップの内容は変えられなくても「質」は上げられる

2月のインターンシップに向けて、多くの企業ではすでに実施プログラムを準備済だったり、作成大詰めだったりすると思います。もしかすると、いまいち自社が実施するプログラムで、自社に振り向かせるような自信が持てないといったこともあるかと思います。このタイミングで、自社インターンシップを、強化していきたいとなった場合、プログラム自体を変えたりしていく事はなかなか難しいですよね。しかし今からでも「質」は上げられるんです。それは「準備」につきます。

■「準備」における重要ポイント

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▶運営チームで目的を共有する

インターンシップの目的を明確にしておくことが重要です。その目的をしっかりと運営メンバー全体で共有できているでしょうか。企画者が目的を把握していることはもちろんですが、当日運営に関わるのは企画者1人だけではありません。チーム全体として共通の目的を共有する事がポイントです。

インターンシップの目的を果たし、成果を最大化するためにもチーム全体で目的を把握しましょう。その際に、必ず明文化することをおすすめします。明文化することで共有しやすくなるだけでなく、企画者の中でのブレや矛盾に気づきやすくなり、より明確な目標を設定できます。

▶詳細スケジュールの作成

インターンシップを含めイベントを実施する場合、事前に当日をいかにリアルに想定できるか、が重要になります。そのために、各スタッフの動きや、配布物のながれにいたるまで、詳細の運営スケジュールの作成をする事は大変効果的です。

運営スケジュールを細かく作ることにより全体像の把握ができる他、細かい抜け漏れを未然に防止できます。それにより必要な人員や備品、リスクヘッジもかけることが可能です。仕事において「段取り八分」とよくいいますが、インターンシップについても段取りは重要なポイントです。

▶役割分担を明確に

インターンシップは企画者1人ではなく、チーム単位で実施することが多いです。その際に役割分担を明確にしておく必要があります。役割を明確にしていないと、進行役が学生との連絡のやり取りを担当し、進行に支障をきたす、なんてことも起こりえます。

また、役割分担をする際に、具体的にどのような仕事を受け持つのか、まで落とし込むのがポイントです。「学生の誘導係」という役割も、ただ単に入場した学生を席に誘導するだけなのか、誘導した上で配布物を配り、何か説明までするのか、両者だけでも事前準備に大きな違いがあります。

▶インターンシップの目的を学生に伝えられる準備をする

インターンシップの目的についてのお話は事前準備編でもお伝えしましたが、運営側だけでなく学生に伝えることがポイントです。運営側と違い参加学生はどんなことが目的でこのインターンシップが実施されているのかを知りません。それを冒頭に伝えることで、学生自らがその目的を遂行するように動いてくれるようになるのです。

例えば「選考の一環としてではなく、入社後にどのような業務をするのか実際に体験して考えて欲しい。なので、仕事に対する疑問点などは積極的に聞いてください。」と伝えたりすると、選考に有利/不利を考えて質問しづらくなることを防ぎ、学生に自社を知ってもらうという目的を果たしやすくなったりします。

▶アンケートで振り返りの時間を確保する

すでにアンケートを実施しているインターンシップは多いですが、アンケートをする際に
・学生の満足度はどうか
・改善点はあるか
・また参加したいと思うか

といった企業視点の質問事項ではなく、インターンシップで何を得たのか、など学生視点の質問事項を設けるようにするのがポイントです。インターンシップは通常の説明会などと違いイベント生が高く「楽しかった」という感想のみで終わってしまうことも稀ではありません。インターンが終わってまだ気持ちが熱いうちにアンケートを実施することで、学生自身に体験を咀嚼させることができます。

▶事後の連絡を忘れずに

インターンシップへの参加率を高めるために、事前連絡をすることは多いと思います。しかし、それはあくまでインターンシップを実施するという目的です。インターンシップ後の連絡は実施のための連絡ではなく、参加者の満足度を向上させ、採用に直結させるものです。このインターンシップ後のフォロー内容や体制を事前に準備しておくこともポイントです。

インターンシップを受ける前と異なり、学生は企業に関心を寄せていて開封率や応答率が高くなる可能性があります。この効果的なコミュニケーションのタイミングを生かさない手はありませんので、積極的に活用したいところです。

以上いかがだったでしょうか。インターンシップのコンテンツに目がいきすぎて運営が疎かになっているインターンシップは少なくありません。しっかりした準備を行うことで、インターンシップの質を向上させ、採用成果にもつなげることが可能になるはずです。ぜひ本記事を参考に次回のインターンシップ運営に向けて準備していただければと思います。

平山博喬
クライアントパートナー

「もっと頼っていただける人間になりたい」 組織・育成・ブランディング・マーケティング・プロモーションまでマルチな企業支援を目指します!プライベートでは体を動かすことが好きでいろんなスポーツに手を出しています。ひさびさにお会いする人にはいつも背伸びた?とか痩せた?と言われますが、食べるのも飲むのも大好き!行きましょう!


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