【採用こっそり相談室】「超早期採用マーケット」に参入すべき会社・参入すべきでない会社とは？

弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。

今回のテーマは、「超早期採用マーケット」についてです。
大学2年生や3年生の早い時期に始める就活との向き合い方について、解説しています。本記事では、動画内容のポイントをまとめています。

●早期化する就活スケジュール

22卒～24卒生を対象とした就活スケジュールの比較調査（株式会社学生就職支援センター調べ）によると、大学2年生など早い時期から、インターンシップや説明会に参加する学生が年々増えていることがわかります。裏返せば、早い時期から学生と接触し、選考していく企業が増えていることになります。

以前は、マイナビやリクナビがインターンシップのエントリー受付を開始する6月1日に合わせて、就職活動を開始するのが最もメジャーでした。
最近では、大学3年生の4月から就活を始める学生が増えており、実際に6月1日からインターンシップのエントリーをしようとしたら、「すでに締め切られている会社が結構あった」という声も聞いています。

このような背景から、超早期採用マーケットは、今後もますます活性化すると考えられます。
同時に、「超早期採用マーケットに参入すべきか」は、とても重要なポイントになります。早いタイミングで学生と接触し内定を出したものの、結局は辞退されてしまうという事象も起きていますので、冷静に自社を見定めて判断をした方が良いと思います。

●早期内定出しによる「学生の抱え込み」が進む

2023年2月に実施されたアンケート（「現在までに内定を獲得しましたか？」あさがくナビ調べ）では、前年度の同時期に比べて、12月～2月の内定獲得率が増えています。
また、文系学生に比べて、理系学生の内定獲得率は前年同時期に対して更に高く、理系学生の「早期抱え込み」が企業側で加速していることもわかります。

内定を得た企業の業種（あさがくナビ調べ）についても明確な傾向があり、特に多い業種がIT系やコンサル業界です。外資系のコンサルティングファームを中心としたコンサルティング業界や、理系採用に積極的なIT業界が、早期に学生と接触をしながら、抱え込みに入っている表れかと思います。

●超早期採用マーケットに参入すべき会社とは？

今後も超早期採用マーケットがさらに活性化するとして、そこに参入すべきかどうかという判断を検討されている企業のみなさまへ、一つのものさしとして

超早期採用マーケットに参入すべき企業は、「3Kを満たす企業だけ！」

という考え方をご提示したいと思います。
これは、昔から言われる3Kではなく、新しいK　①給与　②勤務地　③かっこいい　の3つです。

1つ目の「給与」を重視する学生は、年々増えています。背景には昨今のインフレもありますが、「初任給の差」が影響しています。
文系・理系による給与差や、ジョブ型採用が普及したことでの職種による初任給の差、今年はベースアップをする企業も増えたため、就職時点での初任給の差は、様々な側面から広がっています。このような点から、以前の新卒採用よりも給与を重視する学生が増えているというのが、ポイントの一つです。

2つ目の「勤務地」について、最近では「転勤したくない」という学生がとても増えています。リモートワークの普及に加えて、価値観の変化も影響し、勤務地を重視する傾向にあります。

3つ目の「かっこいい」。「有名でかっこいい会社であれば早く決める」という学生が多いのは、インタービューでも実際によく聞く声の一つです。早く内定をもらって早く就活を終わらせたい、内定を友達にも自慢できるという点で「かっこよさ」を重視している学生の比率が多いのも事実です。

まとめると…

①給与が高く提示できる
②勤務地がある程度希望に添える
③企業ブランドとしてもかっこよく、友達に自慢できる会社

については、超早期採用マーケットに参入していく価値があるといえます。
しかしながら、この3つを満たしていない企業は、超早期採用マーケットへの参入はリスクが大きいと考えた方がよいでしょう。
早期に希望の学生と出会えたけれども、結局採用できなかったというケースが多くなりやすいため、これまでと同様の採用活動スケジュールを踏襲した方が現実的にはよいかと思います。

動画では、「超早期採用マーケット」について、より詳細の解説やデータがありますので、今後の採用活動の参考にしていただけましたら幸いです。
引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分前後にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください（火曜日配信）。チャンネル登録もお待ちしております！