【マンスリー採用ウォッチ9月】就活もタイパ重視に?今年の傾向・前年と比べた変化を解説!
7月よりスタートしたショートセミナー「マンスリー採用ウォッチ」
このセミナーは、毎月公開される最新市場データを弊社代表取締役YouTuberの増渕が読み解き、採用活動におけるポイントを30分で解説するオンラインセミナーです。
9月は、「就活もタイパ重視に?今年の傾向・前年と比べた変化は?」を解説します。
引き続き、できる限りリアルタイムに近い「旬」のデータをお届けし、みなさまからの質問にも「その場で」お答えしておりますので、是非ご視聴ください。本記事では、セミナー内容をまとめています。
●25卒就活生に見る「蛙化現象」の実態
まずは、25卒採用に関するデータをいくつかご紹介します。
25卒採用はほぼ終息し、10月の内定式に向けて準備中の企業さまが多いかと思います。
以前、採用こっそり相談室の動画でも「蛙化現象」というキーワードについて解説をしましたが、マイナビさんの調査データをご紹介します。
入社予定企業を決めたあとに、「本当にこの会社でいいのか」と不安になったことがある学生の割合ですが、実は17年卒や18年卒の方が高かったことがわかります。データを見ると、「蛙化現象」は昨今始まった傾向ではないといえそうです。このあたりは、誤解をせずに学生と向き合った方がよいかなと思います。
【関連動画】
採用こっそり相談室・新卒採用における「蛙化現象」、どう対応すべき?
また、「オヤカク」もトレンドキーワードの一つですが、同調査を見ると、オヤカクを実施する企業が特段増えているというわけでもないことがわかります。
これらのデータを見ると、「蛙化現象」や「オヤカク」など、トレンドワードがいくつかありますが、あまり振り回されないよう判断することが必要かなと思います。
【関連動画】
採用こっそり相談箱・「オヤカク」ってどのくらい重要?どんな取り組みをするべき?
●26卒学生のインターンシップに関する秋~冬の動向
続いて、26卒採用に関して、マイナビさんが運営するサポネットより、興味深いコラムがありましたのでご紹介したいと思います。
26年卒学生における秋~冬の動向について、インターンシップ・仕事体験の参加割合に関する単月データでは、6月に続き7月も前年比よりも下回る結果となっていました。8月,9月は例年最も参加率が高まるため、前年比較も含めて、動向が気になるところです。
次に、インターンシップの「プログラム別での参加割合の推移」に関するデータをご覧ください。
こちらは、意外とありそうでなかった、とても参考になるデータです。
調査結果を見ると、夏休み前・夏休み期間・9月以降と時期によって人気のあるプログラムが異なることがわかります。
例えば、オープンカンパニーは、夏休み前の6月・7月と10月以降に再び参加割合が高まっています。大学の授業状況に合わせて参加ニーズが異なることが表れており、10月~12月にかけて、複数日程でのプログラム参加割合は下がると予想されます。秋冬のインターンシップを検討されている企業さまは、このようなデータも集客の参考にしていただければと思います。
実際に参加したプログラムについては、やはり現場社員を呼べるかどうかは大きな要素で、「社員との座談会・交流会」という回答が多くなっています。社員との接点を通して、学生が会社の雰囲気や情報を得ようとしていることが伺える結果だと思います。
現場社員の参加が難しい場合は、「グループワーク」での惹きつけや、企業理解促進の内容で勝負するのが良いでしょう。どちらも実施できればベストですが、秋冬のインターンシップにはどちらかを組み込み、働く人の雰囲気を学生に伝えることも重要になります。
また、インターンシップ・仕事体験で関わりたい社員については、「2~5年目以内の社員」が最も多く、次いで「入社1年目の社員」という回答結果も出ています。座談会・交流会やグループワークでのサポート・フィードバックに協力をお願いできると、惹きつけに効果があります。
インターンシップ参加後は、夏のシーズンに複数回接触できることが重要ですので、セカンドインターンシップの参加案内や情報などを届けることがネクストステップとして有効になります。
【関連記事】
インターン参加学生を次のステップに移行させる5つのコツ
●26卒学生の志向が見える「夏休みの過ごし方」
先にご紹介したインターンシップの「プログラム別での参加割合の推移」に関するデータともつながりますが、「学生が夏季休暇中に時間を取りたいこと」というデータをご紹介します。
大学の夏季休暇中の過ごし方について、「インターンシップ・仕事体験への参加」を希望している学生が73.0%と最も多い結果でしたが、2位の「アルバイト」(60.9%)も、注目したいポイントの一つです。
実際、「アルバイトが忙しい」という学生の声は以前より増えてきている印象があります。先月の採用ウォッチ8月でも触れましたが、単月でのインターンシップ・仕事体験の参加割合は6月・7月共に前年比を下回っており、その背景にはアルバイトとの兼ね合いもあるといえそうです。
後ほど詳しく解説しますが、「タイパ」への意識が強くなっている中で、インターンシップ・仕事体験先を選んでいるという傾向もあると考えられます。
期間が短い(半日・1日)のプログラムの人気が高いのも、「サクッと参加ができる」「スケジュール調整がしやすい」という点で学生のニーズと合致しているのではないでしょうか。
引き続き、26卒学生の夏のインターンシップ傾向が昨年と少し変わっている可能性がある、というのは注視したいなと思います。
●タイパを意識した就職活動が増えている?
就職活動でも「タイパ」を意識する学生が増えているかもしれない、という傾向について株式会社学情さんによる調査データをご紹介します。今回も前年比較をしてみたいと思います。
まずは、普段の生活の中で、「タイパ(タイムパフォーマンス)」や効率を意識しますか?という質問に対して、26卒学生は「意識する」が33.8%でした。
昨年25卒学生への同じ調査では、「意識する」が19.0%でした。
就職活動でタイパ(タイムパフォーマンス)を意識しますか?について、26卒学生は「意識する」が27.9%でした。
昨年25卒学生について、「意識する」は19.3%でした。
「どちらかと言えば意識する」を含めた場合で見ても、円グラフの割合が変化しており、普段の生活だけでなく就職活動においても、明らかにタイパ傾向が強くなっていることがわかると思います。
このような学生の志向の変化が、インターンシップ参加率や希望プログラムなどのニーズともつながっているのではないでしょうか。
●「学生の質が変わった気がする…」は本当?
日々の採用活動を通して、「昔と比べて学生の質が落ちた気がする…」「学生の気質が変わった気がする…」と感じることもあると思います。
学生の本質を定量的に把握することは難しく、感覚でとらえがちですが、適性検査を実施する株式会社イー・ファルコンさんより、興味深いデータが発表されていますので、ご紹介します。
20卒と24卒の傾向値を比較した「パーソナリティデータで見る学生の質的変化」によると、20卒と24卒ではいくつかの性格特性に差があるように見えるものの、項目ごとの偏差値差は2未満でした。つまり、パーソナリティーの側面において、20卒と24卒の質的変化はほとんどないという結果でした。
「昔と比べて学生の質が落ちた気がする…」「学生の気質が変わった気がする…」と感じる場合は、もしかしたら、ご自身や自社の中に何かしらのバイアスが生まれているのかもしれません。
ただ、コロナ禍を経験せずに就活をした20卒と、大学時代のほとんどをコロナ禍で過ごした24卒では、「経験の量や質」に差は出ていると考えられます。24卒の方が「ガクチカ」のエピソードも選択肢が狭いため、その点での違いはありますが、「根本の気質は変わっていない」ととらえた方が良いと思います。
一方で、24卒の方が「高めに出ている性格特性」もあるとのことです。特に、協調性や素直さ、寛容性が高く、自分よりも周囲(相手)に重きを置き、他者との関わりや連携を重視して目的を達成しようとする傾向が強いことがわかりました。「個の力」より「チームの力」、「一人で」より「みんなで」、「競争」より「尊重」というようなキーワードも、求める人材要件や惹きつけにおいても参考になる点かと思います。
詳しいデータは、こちらよりご覧になれます。
【関連記事】
ガクチカ不足の時代に聴くべき「ココチカ」とは?
「採用いいとも!」では、イー・ファルコンの田中代表と対談をさせていただきましたので、併せてご覧ください。
OfferBoxの誕生秘話とは?~i-plug社創業メンバーの1人である、田中社長との対談~
以上が今月注目したマーケットデータでした。採用活動に少しでもお役立て頂けましたら幸いです。
YouTube動画では、「内定者フォローに関する25卒学生のニーズ」「26卒学生における大手企業の採用実態」に関するマーケットデータもご紹介・解説しています。
動画は、以下のリンクよりご覧いただけます。
来月以降のご視聴もお待ちしております!
ジャンプ株式会社
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