【採用こっそり相談室】新卒ITエンジニア採用のポイント
弊社代表増渕によるYouTubeチャンネル「採用こっそり相談室」では、採用に携わる企業人事の方々に向けて、採用マーケットの情報をできるだけわかりやすく解説した動画をお届けしております。
今回のテーマは、「新卒ITエンジニア採用のポイント」についてです。
本記事では、動画内容をまとめています。
●ITエンジニアの新卒採用ニーズが高まる背景
新卒のITエンジニアは、情報系を専攻している学生がメインになるマーケットです。
日本全体でITエンジニアは何十年も前から不足状態のため、新卒に限らず、このマーケットは過熱しています。
もともと、情報系の学生を積極的に採用する企業はIT業界が多かったわけですが、昨今ではDXという文脈の中で、非IT系業界(メーカーや金融業界など)でも、新卒のITエンジニアを自社採用しようというニーズが高まっています。そのため、新卒のITエンジニアは「業種を超えた獲得競争になっている」というのが、ポイントの一つです。
もう一つのポイントとしては、ITエンジニアの中途採用があまりにも難しいということです。なるべく即戦力を採用したいという企業が多い中、エンジニア(IT・通信)職種の求人倍率は、多職種に比べて圧倒的に高いのが現状です。
このような背景から、「新卒で採用・育成する方が人材確保しやすいのでは」という傾向が強くなり、新卒ITエンジニア採用が過熱しています。
●新卒ITエンジニア採用マーケットの構造
新卒ITエンジニア採用マーケット構造は、専攻・人数別で図のように整理できます。
各層は以下のように定義します。
即戦力層:情報系の専攻かつ、授業以外(プライベートや業務)でも開発経験がある学生
情報系ALL:情報系の専攻かつ、授業のみで開発経験がある学生
その他理系:情報系以外(機械・電気・化学など)の専攻をしている学生
文系:文系だが、独学やスクールでプログラミングを勉強している学生(かじり文系層)
また、各層で毎年市場にでる人数は、おおよそ図のようになります。(かじり文系層は未知数なので割愛し、文系ALLの人数を示しています)各層のパイが全く異なるため、採用の難易度も当然異なります。
例えば、即戦力層の学生のみをターゲットにしていた企業が、情報系ALLまでターゲットを広げた瞬間に難易度も10倍近く採用しやすくなります。採用のパイと相関する難易度の違いは明らかなので、いかに即戦力層の採用が難しいかがよくわかると思います。
●新卒ITエンジニア採用マーケットでおさえるべき5つのポイント
新卒ITエンジニア採用でおさえるべき5つのポイントについて、それぞれ解説します。
①ターゲットに応じたチャネル選定
ピラミッドの上に行くほど、自分で検索して探さずともオファーが来るため、その中から選ぶようになります。
具体的には、新卒紹介エージェントやダイレクトリクルーティングを使って探す学生が多くなります。 そのため、ターゲットに合わせて「出会いやすい」チャネル選定をすることがポイントの1つめです。
②ターゲットに応じた訴求内容の最適化
自社がどの層の学生を狙いたいかによって、訴求内容の最適化をしましょう。
ピラミッドの上に行くほど、「専門性の発揮と成長」が訴求ポイントになります。即戦力層の学生は、他の層に比べて、学んできたテーマや分野、興味が絞られてくるため、それが発揮できる会社なのかどうかはとても重要です。
そのため、配属をコミットした採用でないと、なかなか内定承諾につながらないというケースも多くあります。さらに、これまでの経験を磨いてエンジニアとしての価値を高めたいという志向の学生も多く、「専門性を磨ける成長環境があるかどうか」も重要になります。
逆に、パイが多いその他理系や文系層に対しては、「不安払拭と成長」が訴求ポイントになります。
「自分でもエンジニアになれるだろうか…」「どうやって一人前のエンジニアに成長していけるのか…」と不安に思う学生が多いため、不安を払拭しながら、数年後の成長や未来をイメージできるような訴求をしましょう。
③即戦力採用の場合は高報酬must
ここ数年で大きなポイントになっていますが、即戦力となり得るエンジニアについては、新卒採用でも中途採用と同じような感覚で各社動いています。新卒紹介エージェントに払うフィーが高騰しているだけでなく、ジョブ型のオファーをする中で、即戦力層の初任給もどんどん上がっています。
ある調査では、即戦力層になると6割強が400万円以上の初任給かつ、10%くらいが700万円以上の初任給というデータもあります。また、情報系ALLでは400万円未満が6割強となり、同じ情報系でもスキルによって初任給に差があることがわかります。新卒ITエンジニアで即戦力に近い学生を採用したい場合、通常の総合職的なオファーではなかなか難しいと思った方がよいといえます。
④カジュアル面談はエンジニアmust
新卒ITエンジニア採用においては、現場のエンジニアがカジュアル面談に対応できるかどうかがとても重要です。
「実際に開発をしている人の話を聞きたい」という学生のニーズにこたえると同時に、「カジュアル面談」であることもポイントです。
新卒紹介やダイレクトリクルーティングなどレコメンド型のオファーでは、受け皿がインターンシップや会社説明会よりも、現場のエンジニアとフランクに話せるカジュアル面談の方が、オファーの承諾率が高くなります。
カジュアル面談は個別対応になるため、自社への興味を高める上でもmustといえます。また、カジュアル面談をアサインする現場エンジニアは、ターゲットとしている学生と入社時のカテゴリーが同じであると、学生にとってもキャリアがイメージしやすいので、理想的です。
⑤地方学生が相対的にねらい目
新卒採用では、いわゆる偏差値が高い大学に各企業が注目しやすいという構造はありますが、理系の場合、専門分野として情報系を徹底的に研究しているような大学・大学院は地方に多いことから、文系に比べると相対的に都市圏以外の大学に優秀な学生の出現率が高いという現状もあります。
2020年以降オンライン採用が進み、より地方の学生ともコミュニケーションが取りやすくなったため、いかに地方の優秀な学生と接点をつくり、個別のコミュニケーションから自社への志望度を高められるかが、このマーケットでの一つの勝ちポイントになります。
以上5つのポイントを参考にしていただけると、新卒ITエンジニア採用が成功しやすくなると思います。
動画では、「新卒ITエンジニア採用のポイント」について、より詳しい解説があります。
引き続き、企業人事の方々に役立つ情報、「気になっていたけど調べられていない…」という情報を、10分前後にまとめて、わかりやすく解説してお届けいたしますので、ぜひ、ご視聴ください(火曜日配信)。チャンネル登録もお待ちしております!
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