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人材育成

若手社員は本当にコミュニケーションが苦手なのか?コミュニケーション能力の磨き方~前編~

石川沙絵子

「コミュニケーション能力の高い人が欲しい。」「最近の新入社員はコミュニケーション力が低くて困っている。」「何かよいコミュニケーション研修はないの?」など、ジャンプでは特に新入社員や若手社員に関する課題を中心に、「コミュニケーション能力の向上」をキーワードにした採用や育成のご相談をよくいただきます。そもそも、今の若者は本当にコミュニケーション能力が低いのでしょうか?

人は生まれる前からコミュニケーションをしている

人は生まれる前、お母さんのお腹にいる時からコミュニケーションをしています。妊娠6か月ですでに聴覚器官は成立し、お母さんの語りかけやお腹をトントンとたたく刺激に反応して蹴り返したりします。また、生後2日未満の赤ちゃんに大人が語りかけると、人の話す言語音に関しては手足を動かしたりするのに対して、単なる物理音には全く反応しなかったという実験結果や、生後5日未満の赤ちゃんが無地の円、人の顔など6種類の刺激に対し、どの図をより長く見るのかという実験でも、人の顔の刺激を一番長く注視するという結果がでています。また、2、3歳の子どもが、「聞いて聞いて!」「見て見て!」と大人に言ってくるのがよい例ですが、他人に共感してほしい、他人を巻き込みたいという想いを誰しもが持っています。つまり、人間は非常に社会的な生き物で、他人に共感し、共感してもらいたいという本能が生れながらに備わっているのです。

コミュニケーションを学ぶ機会の喪失

本来コミュニケーション能力が備わっているはずなのに、なぜ今の若者はコミュニケーション能力が低いと言われてしまっているのでしょうか?そこには社会状況の変化が関係しています。

1、間接的なメディアを通じてのコミュニケーション

昔はコミュニケーション手段も限られていて、対面で顔と顔を合わせて行う直接的なメディアが中心でしたが、それが、文字(手紙)→音声(電話)→文字(メール)・画像・動画と、間接的なメディアへと移り変わってきました。五感をフルに使ったコミュニケーション機会が減ってきていて、加工された情報を受け取るコミュニケーションが中心となってきた結果、相手の表情や、その場の空気を読み取ったコミュニケーションに慣れていない人が増えてきています。

2、限定されたネットワーク

親戚付き合いの減少や、選んだネットワーク内でのコミュニケーションが中心となり、特定のことに深く共感できるネットワークは持ちやすくなりましたが、逆にそれ以外のネットワークで臨機応変な対応を学ぶ機会が減ってきました。そのため、社会人になって急に自分との共感の接点が少ないネットワークの中に放り出され、どうコミュニケーションをとっていけばよいのかわからないという状態に陥ってしまう人が増えています。

3、「自分モデル」の乏しさ

コミュニケーションの基本として、「自分を理解し、他人を理解する」というステップがあります。昔は学校などで偉人の話を聞いて、あの人みたいになろう、この人みたいになりたい、という「自分モデル」を見つけやすかったのですが、今は自分の人生は自分で考えなさい、という教育に変わったため、「自分モデル」が見つけにくくなっています。結果自分に対する理解が不足し、自分自身を適切に表現できず、それが原因で他人に対する理解が不足しコミュニケーションが取れない人が増えてきています。

こうしてみていくと、コミュニケーション能力は個人特性というよりも、その個人が生まれ育った社会状況の変化にも大きく関係してきます。本来人は社会的な生き物です。コミュニケーションを学ぶ機会が減っているだけで、適切なトレーニングをしていけば必ずその能力は向上させることができます。今では小学校の授業でもコミュニケーションスキルを含めた「ライフスキル」の授業も始まっているそうです。

ではどうやってコミュニケーション能力を磨いていけばよいのか?次回はその具体的な方法についてお伝えしていきます。

石川沙絵子
クライアントパートナー

「調和のとれた社会づくり」というビジョンに向かって、働く一人ひとりが強みを発揮できる組織づくりをめざしています。また、一人でも多くの女性が活き活きと働ける社会をテーマにした活動も広げています。プライベートでは三児の母。


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