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リファラルリクルーティングを始めよう(後編)

平山博喬

前回「リファラルリクルーティングを始めよう」というテーマのもと、まず導入にあたってのメリットや意識しておきたい事を、簡単にご紹介しました。今回は後編として導入企業に多くみられる基本フローをもとに、意識したいポイントなどをいくつかご紹介していきたいと思います。

●前編の振り返り

▶リファラルリクルーティング導入の5大理由
1.採用単価を下げたいため
2.多様化する外部の採用チャネルに振り回されない、自社採用力を付けたいため
3.採用競合とバッティングしない経路でアプローチしたいため
4.定着率の高い人材を採用し離職率を下げたいため
5.転職潜在層にアプローチしたいため

▶リファラルリクルーティング3大メリット
1. 採用単価が圧倒的に低い
2. 既存チャネルではリーチできない、転職潜在層にアプローチが可能(競合他社に勤める友人等)
3. 社員のスクリーニングを通した紹介のため、確度が高く、マッチ率が高い(離職率も低い傾向)

▶導入にあたって確認しておきたいこと
・欲しいポジションが明確になっているか?
・人財要件は明確になっているか?

簡単に以上が前編でお伝えした内容でした。それでは今回は導入企業に多くみられる基本フローを簡単にご紹介しながら、成功のポイントをお伝えしていきます。
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●準備

・欲しいポジションと人財要件の明確化
・欲しいポジション毎の求人情報の作成
・紹介をしてくれた社員に対してのインセンティブの有無、その内容の決定
・協力してほしい社員向けに案内する内容を作成

インセンティブについては、紹介してくれた社員にお金を支払う企業もありますが、規定上お金は出せない企業も多くあります。その場合、企業によっては食事会に招待したり、評価に反映するなどしている企業もみられます。自社が出来る範囲で、社員からの紹介が促進されるような、何かしらのインセティブを用意しておくのがおすすめです。

●案内

・社員にリファラルリクルーティングの案内と求人情報を伝え協力をお願いする

自社社員への協力は配布文書でもかまいませんが、社内メールで協力を呼び掛けるケースが多くみられます。おすすめはスマホで閲覧できる画像も準備して社員に渡しておくことです。この画像のイメージは最低限の求人情報がコンパクトにまとまっているものです。例えば「特別紹介枠」なんて情報も入っているとさらに特別感がでますね。協力社員に対象となりそうな知人がいた場合、細かく説明させる手間を省き、さっとラインなどで画像を送って「興味があれば面談してみたらどう?」といった具合に、手軽に知人を誘う事ができるようにするためのツールとして機能します。

●応募受付

・候補者情報(履歴書など)を受け付ける

ここでのおすすめは、候補者からの応募は人事部門が直接受け付けるということです。つまり応募に必要となる履歴書などの情報は、紹介社員を経由せずに候補者から直接送ってもらうようにします。そうすることで、紹介社員に関与してもらう部分は入口だけになり、知人紹介に対するハードルが下がります。ただ、どの社員からの紹介なのかを候補者に明記してもらっておくと、すぐに紹介社員にお礼も言えるので、紹介社員の更なるモチベーションアップにもつながります。

●選考

・特別な選考ルートは用意せずに通常の選考を行う

候補者を集める手段は社員紹介ですが、その後の選考は通常実施している選考方法をとる企業が多いようです。ただ「入社に向け選考に参加したい」という候補者もいる一方、「興味はあるけど、まずは話を聞いてみたい」という候補者もいるはずです。この普段なかなか会えない、自社に興味のある転職潜在層と接触できることは、リファラルリクルーティングの強みです。そのため候補者の状況によっては、面接から入るのではなく、面談というかたちから入るなど、柔軟に対応することがおすすめです。

さらに選考結果についてどこまで紹介社員に共有するか?ということも考えておきたいポイントです。これは導入している企業毎にバラバラで一概には言えないのですが、個人的には各選考を通過するたびに共有することはせず、人事や紹介社員の心理的負担を考え、「応募があった際の共有とお礼」「入社が決まった際の共有とお礼」くらいで留めておくのがいいのでは?と思っています。企業によっては、自社社員が知人(候補者)に対して気まずくなってしまう状況を、情報を渡さないことで防ごうとする企業もあります。そのような企業の場合は、候補者の選考結果については紹介社員には共有しません。このあたりは自社らしいやり方を考えていきたいですね。

以上いかがだったでしょうか。自社採用力を強化する手段の1つとして注目されているリファラルリクルーティング。いろいろお伝えしてしまいましたが、成功に一番大切なことはインセティブでもフローでもありません。一番大切な事は社員のロイヤリティーをどう高めていくのかということだと思います。働いている社員がその企業に対し愛着を感じている状態、さらには紹介で入社した人も満足して働いている状態。この状態を作り出さないことには紹介は促進されません。いつか日本中に働きたくなる会社が溢れるとすてきですね。

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平山博喬
クライアントパートナー

「もっと頼っていただける人間になりたい」 組織・育成・ブランディング・マーケティング・プロモーションまでマルチな企業支援を目指します!プライベートでは体を動かすことが好きでいろんなスポーツに手を出しています。ひさびさにお会いする人にはいつも背伸びた?とか痩せた?と言われますが、食べるのも飲むのも大好き!行きましょう!


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