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採用コラム

【イベントレポート】石田 裕子 氏(株式会社サイバーエージェント)・若新 雄純 氏(プロデューサー/慶応大特任准教授)「上から目線でも迎合でもない採用コミュニケーション」~若者という名の人間最新Ver.とどう向き合うか?~

ジャンプ株式会社は、昨年につづき、24新卒採用に向けたインターンシップ募集が本格スタートする2022年6月1日に、有識者を集めたオンラインイベント『経営×採用STRUCTサミット』を開催いたしました。

経営のための採用、経営に貢献する採用人事というものを、改めて見つめ直す1日にしていただくことで、人事のみなさまにとって、活力や新たなナレッジ習得につなげていただきたい、という思いで開催しているイベントです。

本記事では、石田 裕子 氏(株式会社サイバーエージェント 専務執行役員 採用戦略本部長)と若新 雄純 氏(プロデューサー/慶應大特任准教授)によるプログラム『上から目線でも迎合でもない採用コミュニケーション ~若者という名の人間最新Ver.とどう向き合うか?~』について、講演の様子を一部ご紹介いたします。

「Z世代」とラベリングされる若者たちは、前世代の人間からすると理解の難易度が高い存在。しかし、よく考えれば、若さとは人間の最新進化Ver.であること。いかに正面から向き合えるかが、企業の未来を大きく左右するのです。
今回は、さまざまな実験的取り組みで若者に向き合いつづけてきた若新雄純氏と、新卒採用マーケットで圧倒的なプレゼンスを確立しているサイバーエージェントの採用責任者・石田裕子氏の対談で、人事のみなさまにとって、新たな気づきにつながるメッセージをいただきました。

尚、イベント当日の動画もご用意しております。お二人の経験談なども大変興味深い内容ですので、ぜひ申請の上、ご活用ください。

2004年、新卒でサイバーエージェントに入社。インターネット広告事業部門で営業局長・営業統括に就任後、Amebaなどのプロデューサーを経て、2013年及び2014年に2社の100%子会社代表取締役社長に就任。2016年より執行役員、2020年10月より専務執行役員に就任。人事管轄採用戦略本部長兼任。

登壇者:石田 裕子 氏
株式会社サイバーエージェント 専務執行役員 採用戦略本部長

新しい働き方や組織、地方創生・まちづくり、キャリア・教育、人間関係・コミュニケーションなどに関する社会実験的な企画のプロデュースや研究を行う。ニュース・ワイドショーなど多数の番組でコメンテーターとしても出演。株式会社NEWYOUTH代表取締役、慶應義塾大学特任准教授などを兼任。

登壇者:若新 雄純 氏
プロデューサー/慶應大特任准教授

増渕:本日は、『上から目線でも迎合でもない採用コミュニケーション~若者という名の人間最新Ver.とどう向き合うか?~』というテーマで、1時間ほどセッションができればと思っております。ぜひ、視聴者のみなさまに何かしらヒントを得ていただきたいなと、お二人にお声がけをいたしました。では、簡単に自己紹介からお願いしてよろしいでしょうか。

石田氏:サイバーエージェントの石田です。現在は、採用責任者の役割も継続しつつ、採用育成や女性活躍を含めたダイバーシティ、働き方についても、人事の担当役員として携わっています。
私は2004年の新卒入社ですが、当然時代も変わっていますし、考え方や価値観も変わっていますので、今日は非常に楽しみにしておりました。どうぞよろしくお願いいたします。

若新氏:若新と申します。僕は、人が集まるところに起こること、人間関係に興味がありまして、大学でコミュニケーションの研究をしていました。研究者を続けながら、それに関連する「働くこと」とか「会社や組織のかたち」だったり、地方や町のコミュニティや、そこに集まる人たちや何かタイプの違う人たち同士がコラボレーションして新しいことを作るような場はどうやって生まれるか、といったことを色々と企画してきました。その中で、増渕さんには、ニートだけの会社を立ち上げる時にお手伝いいただいたご縁もあり、本日、呼んでいただきました。よろしくお願いします。

●どんな学生時代を過ごしていた?

増渕:ありがとうございます。本題に入る前に、お二方の大学生時代、20歳~20代前半くらいって、どんな若者だったかをちょっと聞いてみたいなと。石田さんは、どんな大学生でした?

石田氏:普通の、本当に普通の大学生でした(笑)ただ、就活は結構楽しくなってしまって、300社も受けちゃいました。就職氷河期だったのもあって、誰かに言われた訳でもなく、目標を自分に課していたら、結果的に300社を受けていて。
当然、数打ちゃ当たるみたいな話で、18社くらいの内定をいただきました。打率は低いんですよ(笑)その中から、サイバーエージェントを選んだという背景があります。

増渕:サイバーエージェントを選んだのは、何が決め手でした?

石田氏:大企業に入ることがゴール、それが「素晴らしい」「安泰」といった雰囲気がある中で、入社がゴールではないなと思っていて。その先どう働いて、自己実現していくのかを考えた時に、私の場合は、決められた道を歩むよりも、とにかく自分で意思決定や決断ができる経験、修羅場のような環境に飛び込むことが成長につながるんじゃないかと考えて、ドベンチャーであったサイバーエージェントを選びましたね。

増渕:なるほど、成長軸で選んだわけですね。石田さんは、めちゃめちゃ普通とおっしゃっていましたが、たぶん、めちゃめちゃ普通じゃなかった若新さんの学生時代はどんな感じでしたか?

若新氏:あの、僕の話は何一つ参考にならないと思います(笑)
大学ってどんなところにもそれなりのヒエラルキーがあって、先輩・後輩の関係とか、何かその学校内での人気を得てる人とかいるじゃないですか。

そういうものへのアンチテーゼみたいなものが強くて、僕は大学1年生のときから「自己陶酔」というテーマで活動を始めました。自分自身の等身大のポスターとか作って、大学のエントランスに貼ったり、PVを作って再生したりして(笑)
学園祭の時には、造花のバラをくわえて登場して、ビジュアル系バンドの曲を歌って踊る、っていう活動をしていたんですけど、それが謎に一斉を風靡しまして(笑)
社会に出た時に役立ちそうなことをやって後輩から人気を得ている先輩たちを、意味不明な活動で蹴散らすみたいなことをしていました。僕の中ではすごい素敵な思い出なんですけど、そんな感じだったので、普通に就職活動しても無理だろうなとは思っていました。

僕は逆に1分の1で、「この先輩と一緒に会社をやったら上手くいくんじゃないかな」って思う人がいたので、その人と起業して、今、上場して業界最大手企業になっているんですけど。当時から社名は2回ほど変わっているので、僕が関わっていたのはだいぶ初期の話ですけど、その中で組織についての葛藤とか色んなものが生まれていて。事業とかを大きくすることよりも、組織について突き詰めたり、研究をして、世の中に問いかけるような仕事をしたいと思って、今に至ります。
ただ、その会社が上場したおかげで、普通の人の生涯賃金くらいは創業者利益があったので、最強の就活でしたよね(笑)本当に幸運だなと思います。

石田氏:ますます凡人に思えてきました(笑)

●若者に見られる変化とは?

増渕:いやいや、なんかもう、300分の18分の1の方と、1分の1の方と…どうファシリテートしていいか難しいところですけど(笑)
どうでしょうか、今日のテーマについて、語り合っていければなと思いますが。若者の定義は一旦18歳~22歳くらいの大学生ゾーンをイメージしてもらったときに、例えば5年前と比べて最近の就活生で「このあたり変わった気がする」とか、石田さん、何かありますか?

石田氏:本当は100個ぐらいありますが…(笑)ただ一つ、5年ほど前と比較すると、パーパス経営のような話が出てきているという背景もあるのかもしれないですが、自分自身が関わる仕事が社会にどんな意味・意義があるのか、どんな形で社会に貢献できるのかを考える20代前半くらいまでの若い世代が非常に増えているのかなと思います。

実際に面接の場でも、以前は「〇〇がしたいです」というものがマニュアル的にあって、こう言えば受かるだろうという回答を勉強していたと思うのですが、それとは別に、自分なりのオリジナルな社会貢献を持ってきて、そこに当てはまるのでこの会社を選びました、という学生さんが非常に増えてきているのかなと感じますね。

増渕:(社会貢献について)何か思っているだけじゃなくて、既に行動している子も増えていますか?

石田氏:そうですね。まさに、ソーシャルネイティブの世代ですので、自分で行動を起こすことも、極端な話ワンクリックでできる、参入障壁がそこまでないので、キレイごとを言っているだけではなくて、実際に行動も伴っている、学生のうちに何ができるかを考えて実行している人が多い印象です。

増渕:例えば、サイバーエージェントに応募してきた学生で、社会性という意味でユニークな活動をしていたり、思い浮かぶ学生はいますか?

石田氏:たくさんありますが、地方創生とか、自身のふるさとに対して貢献したいと思って、クラウドファンディングで貢献する人もいれば、実際に労働者とお仕事をマッチングさせるサービスを短時間で作った、という人もいらっしゃいました。
ソリューションは様々ですが、色んな形で実際に貢献している人は、本当に少なくないですね。

増渕:ありがとうございます。若新さん、どうでしょうか。今のお話に関連してもしなくても、数年前と比べた若者の変化、いかがお感じですか。

若新氏:一番は、どの世代も共通ですけど、世界中の「先生」といわれる人たちの動画とかを簡単に見られるようになってるじゃないですか。なので、世界中で、学校とか会社で困っているとか、迷惑に思っている人も多いと思うんですよね(笑)

例えば、学校で先生ぶったことを言おうものなら、子どもたちも家に帰ってネット見て、あなたよりもっとすごい人はこんなこと言ってたんけど、みたいな。
会社でも上司は「仕事はこうするものだ」と言おうものなら、あなたよりもっと稼いでる人、立派な会社経営者・起業家がこう言ってます、みたいな。そんなこと、すぐ言われますよね。
そうなってくると、「ものを教える」ということで、若い人たちから信頼を得たり、頼りにされることがすごく難しくなってきているのかなと、思っています。

僕も常々自分に言い聞かせていますが、現時点で自分より若い世代の人が何かをできていなくても、成果を出せていなくても、どれだけ可能性に評価とか敬意を払えるかって、大事だなと。

僕は、よく地元の福井に帰るんですけど、そこで、進学校に通う高校2年生に会ったんです。すでに起業して「自分は大学には行かない」と断言して、MacBookAir持って、シャキッとしていて。けど、周りの大人たちはすごく馬鹿にしていたんですよね。「いや、いまのお前に何ができんの」みたいに。

結果、5年くらい経って彼はものすごく立派になったのですが、その時に、当時の大人たちは「見違えたよ!」とか言う訳ですよ。でも、そういう人たちは、優秀な若手と出会えない人たちだと思うんですよね。
成功してから、「出会ったころは何でもないただの高校生だったのに」とか、「こんなに立派になるなんて」っていう人たちは、立派になる前のシーズの段階を見逃して、評価できていないわけじゃないすか。
若い段階で新しいことを取り組んだり、決断してるんだし、そもそも僕らよりも新しい時代を生きているわけだから、5年経った時に「やっぱり思った通り」とか、「さすが、思った以上」と言えるような大人が、優秀な若い人と出会えるのかなって思いますね。

増渕:今の話に出てくる大人たちは、まさに、今日のテーマでいうところの「上から目線なフィードバック」ですよね。

若新氏:そうですよね。その時は「ありがとうございます」って言うけど、若い側からしたら、昔そんな言われ方していたら、もうあなたとのご縁はありませんよって思いますよね。

増渕:今の話とっても面白いなと思いましたが、石田さん、いかがでしたか?

石田氏:面白いですよね。上から目線の態度だと、今の時代の優秀な若い人たちは採用できなくなっているなと、本当に思います。仮に採用できたとしても、定着させることは難しいのかなと思います。

今日のテーマのように、上から目線でも迎合でもなく、若い人たちの価値観に寄り添って、自分たちの世代とは違うものであるということを受け入れた上で共感して、変化に対応していくことが必要ですよね。
今の時代、学生さんにもいろんな選択肢がありますから、就職が全てでもないですし、起業やフリーランスを選ぶ人も増えています。キャリアの選択肢がすごく増えているという前提で申し上げると、やっぱり上から目線だと、もう選ばれなくなるというのは、確実に言えると思いますね。

増渕:なるほど。迎合もだめですかね。

石田氏:結局、採用するためにチヤホヤしても、入社してからカルチャーが違うとか価値観が違うとか出てきますよね。優秀な人材ほしさに迎合しても、受け入れる側が変わっていかない限りは、その先が続かないじゃないですか。
採用して終わりではなくて、会社の中で活躍してもらう人材を一人でも多く採用するかが採用のゴールだと思っているので、その意味でいうと、迎合も違うよねと思います。

●若者をとりまく環境の変化

増渕:若新さん、この変化の要因の一つは、先ほど仰っていた、あらゆるオーソリティの情報を瞬時に得られるようになったところにもあると思いますが、その他に、今の若者のホンネや価値観を生み出している外的環境・育ってきた環境とかってどんなものがあるんですかね。

若新氏:あんまり僕は、「若者がこうだ」みたいなことを上手に捉えられているとは全然思わないんですけど…一つは、「大切にはされているけど、尊重はされていない」のかなと。

例えば、立派な一人部屋は与えてもらって、「エアコンも付けたよ」「いいベッドも買ったよ」とか、大事にはしてくれていますよね。けど、「門限は6時半」みたいな。大切にされているけど、自由はないのかなと思うんですよね。
もちろん良かれと思って、社会全体もありとあらゆる面でのリスクを最小限にしようと、子どもたちの身に危険が及ぶようなことを減らそうと、リスク回避もあると思うんですけど、それによって一人一人が持つ個別の判断能力とか、生きる覚悟、力強さみたいなものを、あんまり信じられてないのかなとは思うんですよね。

丁寧に扱われているんだけど、これから成長していく人材としての可能性にあまり期待してもらえていないのかなと。迎合ってそういうことかなと思っていて。
何回か言いましたが、やっぱり尊重することが必要なのかなと思うし、世の中からリスペクトされることが薄まってきている、失われてきているのかなとは感じています。 だから、インターネットとかで自由に発言はできるけど、なぜ自分と違う意見や生き方なのかということに関しての思慮深さが減ってきていて、一方で「俺も、俺も」と思えるような共感の輪とか居心地の良さを必死で求めているようなところがあるのかなと。

増渕:そうですよねぇ。上にも飛び抜けたくない、飛び抜けなくてもいいけど、下に飛び抜けるのは嫌だっていうのは、すごく多いのかなと思っていて。みんなと同じ中間のゾーンではみ出さないように、同化して生きていたいっていう子も増えている気はなんとなくしますが、その背景にあるものって、やっぱり「尊重しない」というのが、「信じて任せていない」ということだとすると、何か大人側のリスク回避が先行して、「信じて任せていない」ことの積み重ねは、いろんな背景に影響しているのかなって思いますよね。

●就活はゲーム感覚!?

増渕就職に関して何でも聞いていいよって学生に言うと、「こうすると受かりやすい」みたいな、確率を上げるハウツーの質問がすごく多くて。テクニカルな部分を教えると、そのまんま実行するっていう傾向も強くて、企業からすると、そうじゃないところを知りたいし、そうじゃない人を採用していと思っているのに、ちょっとニーズと傾向が逆行している部分もあるのかなと。

若新氏:でもそれって、若者は結構大人のゲームに乗ってるんだと思いますよ。

増渕:なるほど~

若新氏:だって、小学校入ってから、テスト配られて、いい成績とったら表彰されて、シールいっぱい貼ってもらえたりメダルもらえたりみたいな、大人ってこうやって自分たちに次々とゲームを課してくるんだなって。
受験だってそうだし、別に一定のフェアなルールのもとで運用されているから、それはそれで構わないと思うんですけど、就活も同じなのかなと。
企業側がゲームを運営しているホストで、ルールも作って、そのプレイヤーとして参加して、いち早くクリアするみたいな感じですよね。そこに、個別の人間性をちゃんと見てくれるなんて期待もしていないと思うし、ゲームのホストとプレイヤーみたいな関係にもなってしまったのかなと思うんですよね。もはや窮屈とか面白くないとか、そういう次元でもなく、「はい次のゲーム」みたいな、そんな気がするけどなぁ…。

増渕:なるほどね~今のお話を現場のリアル感から聞くと、どうですか、石田さん。

石田氏:まさに、ゲーム感覚という言葉…私も冒頭で申し上げた、学生時代に就職活動で300社を受けたのは、どこかでゲームをクリアしていく感覚になっていたのかなと思います。今から考えると、本当に行こうと思っていない企業も受け始めるというのはとっても失礼なお話で、採用する側になると本当にそう思うんですけど。

サイバーエージェントの場合、採用したい人材って、ルール通りにこなしていくプレイヤーよりも、ルールを作る側になってほしいんですよね。
それには、裁量権をどんどん渡して、意思決定の機会もどんどん経験してもらうことが必要で。私自身も2つの子会社の代表を経験して、どちらも撤退して10億円くらいの損失もしていますが、そういう場面にどんどん参画してもらうことを中長期的な人材育成のスタイルと捉えていて、ゲームやルールを作る側の人たちをいかに多く採用できるかに重きを置いていますね。

増渕:例えば、比較的レールに乗りたいタイプの学生と、レールを作りたい学生に分けたとすると、レールに乗って生きてきたタイプの子が、育成方法や任せ方で変わるということもありましたか?

石田氏:あると思っていますし、あると感じています。入社段階から自分が会社を興すとか、事業を成立させるという気持ちで入っていなくても、その後の育成環境とかミッションの渡し方や抜擢の仕方一つで大化けするんですよね。実例としても、たくさんあります。
もちろん、起業家精神の塊みたいな人たちだけを採用しているわけではないので、育成によって価値観やチャレンジの仕方、成長の仕方にバリエーションも持たせることが、育成テーマの一つにもなっています。
私自身も、全く自分でやるタイプではなかったので(笑)

増渕:その、変わるきっかけって、どういうものがあるんですかね。

石田氏:多くの企業さんでもあるかと思いますが、一つは自分で手を挙げるパターン、あとは、会社がポテンシャルや適切な人を見極めて任せていくパターンですよね。色んな失敗経験をもとに、精度を上げていきながら、チャンスをたくさん作っていくことだと思います。

増渕:なるほど、ありがとうございます。若新さん、さっきのゲームの話がすごくわかりやすくて、就活というゲームをクリアすると、次は何かしら、「仕事をする」という新しいゲーム、プレイヤーが多様なゲームに挑むことになるのかなと思いますが、「就職活動」とその後の「社会人」というところで、若者の捉え方も何か違ってきたりするのでしょうか。

若新氏:今のところは、石田さんがおっしゃっていた「ゲームに参加する側ではなくて、作る側になってほしい」というメッセージが色んなところから発せられている一方で、多くの若い人たち…というか、この社会に生きるすべての人たちは、ゲームのホスト側になっているのはごく一部で、基本は「いかにして良い条件で参加できるゲストになるか」という考え方で生きていると思うんですよね。

ホストになるにはリスクもあるというか、時間もお金も必要で、うまくいけば一攫千金だけど、それよりもゲストのVIP会員になりたいなって気持ちですよね。
けど、その構造では持たないんじゃないかっていう指摘を真に受けて、若い人もどんどんホスト側にチャレンジしようというのであれば、普段の環境とか言葉遣いとか、結構細かい設定すべてで「あなたたちはゲストじゃなくて、ホストなんだ」ということを自覚してもらえるような環境を作り続けないといけないと思いますね。

例えば、僕は日本の各地で、田舎で生活する女子高生と町の大人たちをつなぐような活動をしてきましたが、どこまでいっても高校生ってゲスト扱いなんですよね。
高校生を尊重するといっても、いいゲストとして扱う発想しか持っていなくて。それだと全然意味がなくて、女子高生がいつまで経っても参加者側。ホストにするっていうのは、その人たちが普段やってるスタイルのままその場にいてよくて、そこに大人が参加させてもらうっていうことが必要だなと思うんです。

高校生たちがスマホいじりながら市役所に入ってきたりすると、「若新さん、高校生が主役なのはわかるけど、ここは市役所なのに、スマホいじりながらってどうなの」とか言うわけですよ。
けど、「今はITデバイスは身体の一部みたいなもので、瞬きしたり背中掻いてるようなもんと一緒ですよ」とか言っても、「いや、そんなこと言われても」みたいなやり取りになるじゃないですか。それはもう、どっちがホストでどっちがゲストかってことだと思います。

そうやって考えると、面接も「フラットです」とか「フランクにいきましょう」といくら言われても、生きている年数も少なくて、経済的にもまだ立場の弱い若い人たちが、ノックして部屋に入る段階で、「あなたがゲームを作る側」って思うのは無理だと思うんですよね。

だから、サイバーエージェントさんぐらいお金に余裕のある会社さんには、何次面接かまでいったら全員小部屋を用意して、応募者側が自分の居心地の良いように資料とかドリンクとかセッティングして、そこに採用担当者がノックして「失礼します」って入って、会社を作る側としての学生のプレゼンを聞くようなことやってほしいですね(笑)

あくまで決定権は企業側にあるわけですから、それは迎合ではなくて、そこで初めて、イーブンになれるというか。ゲストではなくてホストとしてのポテンシャルを見抜くのであれば、そのくらいの環境を設定しないと、「いいゲスト」ではなくて、「ホストとして試されている」っていう気持ちになれないと思いますね。

増渕:確かに…石田さん、どうですか(笑)

石田氏:いや、ちょっと反省しました。ノックして来てもらっていました…(笑)
本当そうですよね。やり方についてはそれぞれの会社で現実的なラインがあると思いますが、ただ「大人として扱う」というのは大切かなと思います。面接での評価者と被評価者という立場は変えられないですが、当然学生さんにも選ぶ権利がありますから。
合否がつくものなので評価はしてしまうものの、大人として扱っているというその姿勢を、噓ではなくみせていかないと、入社してからも自由度や裁量権を渡していくことができないですし、面接時のヒエラルキーのような形が変わらないのかなと、お話を聞いていて思いました。

●さいごに

本記事でお届けする開催レポートは、以上です。
以降の対談では、「任せる」「任せきる」とはどのようなことなのか、Z世代の若者にみられる「個」と「チーム」について、サイバーエージェントの実例、30代以上の世代に求められている意識転換などなど、興味深い対談がまだまだ続きます。
ご興味がございましたら講演動画を申請の上、ご活用頂けましたら幸いです。

ジャンプ株式会社
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