【事例紹介あり】採用オウンドメディアとは?立ち上げ方や期待できる効果について


採用市場において、超売り手市場の背景となっているのは、労働人口の低下です。
労働需要と労働供給の需給バランスは今後悪化をたどり、2030年には600万人以上の人手不足を予想するデータなども出てきています。
そんな中で、採用広告を出しただけで後は応募を待つだけ、という今までの採用活動のあり方が大きく見直され、「戦略やマーケティングを人材採用に」という流れが大きなうねりとなってやってきています。
「採用マーケティング」という言葉をよく耳にするようになったのは、2017年頃からのことではないでしょうか。
就職・転職市場において従来の採用手法に行き詰まり感が見えめ、「待ちの採用」から「攻めの採用」への転換が起こり始めました。
一時期注目されたダイレクトマーケティングなどの採用手法はその皮切りだったのかもしれません。それに加えて企業WEB広報戦略の大きな流れとしてのオウンドメディアも一般的になりました。たとえば採用ルールのユニークさなどとともに注目されたメルカリ社の「メルカン」(http://mercan.mercari.com/)、早期からオウンドメディアに取り組んだミクシイ社の「ミクシル」(https://mixil.mixi.co.jp/)、数多くの社員が登場し会社の雰囲気をよく知ることができるユーザベース社の「UB Journal」(https://journal.uzabase.com/ )などがその一例です。
しかし、こうしたコンテンツメディアの増加によって、徐々に「まずは発信だ」という戦略なきコンテンツが激増。
その結果コンテンツは埋もれやすくなりましたが、コンテンツの重要性は変わらない事実として残り、適正な戦略と綿密なマーケティングが求められるようになっていきました。それが、「採用にマーケティングを」という声の高まりです。
採用マーケティングには、その名の通りマーケティング・プロセスのすべてがあり、そのため戦略策定は一足飛びにはいきません。
その全体像を確認したいと思います。まず、多くの場合、採用マーケティングが必要となるケースには2つの目的があります。
・「潜在層」に定義される求職者を掘り起こしたい、というニーズ
・「顕在層」や「候補者」の入社までの道行きを最大化したい、というニーズ
です。他には採用活動を通した企業のブランディングニーズなどもあります。
これらのニーズを実現するためには数々のプロセスがあり、これらを適切な戦略の元で、詳細を検討、実行・運用していく必要があります。下図がその概略です。
採用マーケティングの入り口は、たとえば「ターゲット設定」「自社の魅力の分析」「競合分析」です。3C分析とよばれるフレームワークで検討するケースが多いでしょう。
採用市場では、これを意識することはありながらも、あまりきちんと戦略まで設計した例はおそらく多くはありません。そこには採用担当者を取り巻く、環境の激変や戦略開発という時間創出の難しさがあります。採用マーケティングの課題は、これらをやりきることの難しさにあります。
入り口は3C分析ではじめたとしても、その集客設計だけでもだめだし、ナーチャリングだけでもだめだし、コンテンツ開発だけもいけない。すべての連携を適切につなぎあわせて、効果検証を継続していくことが必要なところに大きな課題が存在します。
採用マーケティングが必要だ!と考える採用担当者のみなさんには、この創造的な時間をいかに作り出していくのかという課題克服がいま求められているのではないでしょうか。
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