STRUCT REPORT
採用コラム

採用計画・採用戦略立案のポイント(ダウンロード資料あり)

林田宏基

◎採用活動は一大プロジェクト

採用活動は、その準備段階から実行、目標達成まで、様々な工程を踏みながら最短でも数ヶ月~1年以上に亘って継続する一大プロジェクトです。加えて、採用活動が通年化する流れの中で、複数年度の採用プロジェクトを同時並行で推進していく必要に迫られるため、各年度の採用活動を成功裡に進めて行くためには、「急がば回れ」で綿密な採用計画を立てること、その採用計画に基づいて着実に採用活動を遂行すること、そして進捗状況を適時的確に把握しながら、柔軟に施策を講じていくことが理想です。そこで今回は、採用計画の立て方について考えていきたいと思います。

★記事の最後には、自社らしい採用計画を立てるために必要な「7つのステップ」をまとめた資料をご用意しております。ダウンロード申請の上、採用計画・戦略立案にお役立てください。

◎採用計画の前にまず振り返り(レビュー)を

採用活動に限らず、あらゆるプロジェクトは計画や仮説をもって実行に入ることが原則です。実行の結果を検証して改善につなげ、また次の計画に活かしていくPDCAサイクルですが、近年ではそのサイクルのスタートをPlanではなくCheckに置くCAPDo(キャップ・ドゥ)という手法も主張されるようになってきました。場当たり的な活動に陥ることを防ぐべく、まずは前回の振り返り(結果の検証と改善)をしっかり行い、その上で仮説に基づいた計画を立てよう、ということですね。採用活動においてもこの考え方は重要です。

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◎採用計画立案のポイント

採用活動の振り返りによって、今後に向けた採用課題、すなわち次は何を強化して何を改善すべきであるのかを明らかにできたら、いよいよそれを活かして採用計画を立てていきましょう。以下に採用計画立案のポイントを一部ご紹介していきます。

1.採用タスク整理

冒頭で、採用活動はプロジェクトである、と述べました。採用活動に限らず、プロジェクトのスタートはまずタスクの洗い出しとともにスケジュールを引くことです。なおスケジュールは、「タスクスケジュール」と「採用スケジュール」の双方が必要になります。

2.採用マーケティング

採用活動の振り返りは、社内分析に留まりがちです。計画立案に際しては、社内分析に加えて社外分析も欠かせません。求人動向や採用競合動向などの採用市況把握から、求職者数推移や求職者志向トレンドなどの求職者動向把握もおこなっておきましょう。

3.採用ビジョン確立

採用活動は、経営や事業のビジョンを実現するための手段です。つまり、経営戦略や事業戦略と採用戦略は密接不可分なのです。採用計画を考える際は、いきなり各論から詰めるのではなく、「経営」「事業」を起点に組織課題や人的課題を定義することで、採用の目的とターゲット人材要件を言語化しましょう。

4.採用コンセプト確立

採用活動は、究極の択一選択マーケットです。気に入ったものはすべて手に入れることが可能な購買行動と異なり、求職者は原則として最後に1社しか選ぶことができないためです。最後の1社として選ばれるために、自社らしく、ターゲット人材の心に刺さり、採用競合に言いにくいコンセプトの確立が求められます。

5.採用プロセス設計

採用プロセスとは、ターゲット人材と出会い、心をつかみ、口説くまでのストーリーです。まずターゲット人材と出会うために、どのような方法で自社を認知してもらうのか。どのように募集内容を届け、どのように応募してもらうのか。その後どのような接点を通して心をつかみ口説くのかをストーリーとして構想しましょう。

6.選考設計

選考設計は、採用プロセス設計の一貫ですが、採用成果の「質」を左右する大変重要なテーマです。面接官任せの場当たり的な選考では「質」の担保はできません。自社の採用ターゲットの人材要件に基づいて、評価項目とその定義、評価尺度、選考ステップ、評定票、選考手順などを構造化していきましょう。

7.オンライン化企画

オンライン化企画もまた、採用プロセス設計に含まれます。従来型のオフライン採用を単純にオンラインに置き換えるだけでは、採用競合との差別化を図ることが難しくなります。オンライン化に伴って「新しい採用を作る」つもりで、各採用ステップの根本的な目的や内容から見直していきましょう。

8.シミュレーション設計

いわゆるKPI(Key Performance Indicator)やKGI(Key Goal Indicator)と言われる、目標達成に向けた定量的な指標を設定します。予実管理を行わない採用活動は場当たり採用の極みです。どの時点で、どの程度の数値達成を目指すのか、実際の進捗状況はどうかを日々追跡し、適宜対策を打っていきましょう。

9.採用ツール制作

出会った採用ターゲットの心をつかみ、口説く。そのための武器が採用サイトや採用動画です。採用ターゲットと出会うことができても、初期段階で一定の理解と共感を醸成できなければ、選考プロセスに乗ってもらえるかどうか分かりません。制作には3~4ヶ月程度を要することを念頭に検討を進めましょう。

10.採用イベント設計

インターンシップや説明会などが代表的な採用イベントです。これまでオフラインで開催していたプログラムをオンライン化する、或いはオンライン化に伴ってプログラムを刷新する、という決断が求められますが、「何をやるか」の各論に入る前に「なぜ採用イベントを実施するのか」という目的の設定を優先しましょう。

◎採用担当者はプロジェクトリーダーである

採用計画立案のポイントについて、その一部を紹介してきましたが、採用成果を上げるために検討・確立が求められる項目は多岐に亘ります。計画だけに膨大な時間を掛けるのではなく、「走りながら考える」という取り組み方も重要ですが、「計画を持ちながらも柔軟に対応する」ことと「無計画で場当たり的に対応する」ことは、似て非なるものです。冒頭で「採用活動は一大プロジェクト」と述べました。採用担当者の皆さんには、採用プロジェクトのリーダーとして、全社を巻き込みながらCAPDoを推進し、会社の発展につながる採用成果を創出されることを期待しています。

今回、自社らしい採用計画を立てるために必要な「7つのステップ」をまとめた資料をご用意いたしました。
以下よりダウンロード申請の上、採用計画・戦略立案にお役立いただけましたら幸いです。

林田宏基
クライアントパートナー

「何が目的か、何が手段か」に拘ります。顧客以上に顧客好き、はもう治りません。論理派気取りで情緒的、寂しがりやの一人旅、早起き苦手な山登り、真面目な顔してヘヴィメタル、強くもないのにお酒好き。典型的な天邪鬼ですが、実は褒められて伸びるタイプです笑


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