STRUCT REPORT
インターンシップノウハウ

失敗に終わるインターンシップ3つの特徴

小緑直樹

加熱するインターン市場

世の中はインターンシップ戦国時代。
マイナビが2021年1月に実施した調査によると、2022年卒学生のインターンシップ参加率は84.9%。今年度は新型コロナウイルスや緊急事態宣言の影響があったものの、前年2月時点の調査結果(85.3%)と同水準となっています。
また、学生一人あたりのインターンシップ平均参加社数は4.5社(就職白書2020‐インターンシップの現状より)。学生にとって、インターンに参加するかどうかではなく、複数社参加するのが当たり前の時代となってきました。

企業も同様の傾向にあります。リクルートの調査によると、新卒採用を実施している企業のうち、2019年にインターンシップを実施(予定を含む)した企業は95.0%で、2018年度の89.4%に比べ5.6ポイント増加しています(就職白書2020‐インターンシップの現状より)。この数字は年々増え続け、今後もインターンシップを実施する企業は増えることが予想されています。

インターンシップ採用成果の二極化

加熱するインターンシップ市場の中、採用成果までつながる企業、採用成果までつながらない企業の、二極化が年々進んでいるように感じます。
インターンシップで採用成果を出すためには、採用成果につながらない原因となっている「落とし穴」を知ることが大切です。
失敗するインターンシップには、下記のような共通する特徴があるのです。
それは、①他社の模倣、②やりっぱなし、③辞退学生を集客 といった特徴です。それぞれの項目について、詳しく見ていきます。

失敗ケース①:他社の模倣

「A社はビジネスコンテスト形式のインターンをやって、〇人採用したらしい」「B社の3日間プロジェクト型のインターンは、〇人もの学生が集まったらしい」
一度はそんな人気インターンのウワサを聞いたことがあるのではないでしょうか?
そんなウワサを受けて、人気インターンシップと同じようなプログラムを実施したものの、うまくいかなかったという事例をたくさん見てきました。
では、なぜ、他社の成果の出ているインターンプログラムの模倣では採用成果がでないのでしょうか?

答えは単純。「ターゲット学生」も「自社の魅力」も異なるからです。
A社は、A社のターゲット学生を呼び込んで、その学生に刺さるA社の魅力を伝えるためのプログラムとして、ビジコンを行っています。根本的に、A社と「ターゲット」も「自社の魅力」も異なれば、ビジコンだけ真似たとしても、採用までつながりません。

自分の会社にとってのターゲットを呼び込めているか、自社の魅力を伝えられるプログラムに落ちているか、そのあたりを考えるにあたり、以下の記事も参考にしてみてください。
【関連記事】インターンシップ企画・プログラムの作り方(オンライン&リアル)

失敗ケース②:やりっぱなし

「インターンシップの満足度も高いし、参加学生はうちの会社を受験してくれる」
インターン終了直後、そんな手ごたえをもっていたにも関わらず、いざ本採用シーズンに入ると、説明会にすらエントリーしてくれない。そんな話もよく聞きます。

インターンからの採用成果は、事後のフォローが生命線となります。
学生は「インターン直後」に、志望度が最も向上しています。この志望度は時間の経過とともに下がります。昨今は複数社のインターンに参加するのが当たり前の時代。どんどん、新しい企業情報が上書きされていきます。

この状態を打破するために、インターン後の学生に対して、どのようなコミュニケーションストーリーを作っていくのか?そんな視点が重要になります。

やりっぱなしにせずに、適切なフォロー施策を考えるにあたり、以下の記事も参考にしてみてください。
【関連記事】インターンシップ後のフォローに有効な3つの施策と事例について

失敗ケース③:辞退学生を集客

・外資コンサル出身の社員を講師としたインターンをウリに告知&集客
・普段出会えない頭のキレる学生とも出会えたものの、結局、内定を出しても承諾してもらえない。

こんなケースもよく聞きます。
たしかに、自社に優秀な社員がいる、という社員の魅力を伝えることができるかもしれません。ただ、大切なのは、インターンで集めた学生に自社を選んでもらうことです。

上の例でいうと、外資コンサル出身社員の講義を受けたいと思う学生の多くは、就活本番では、外資コンサルを受験します。そして、優秀な学生ほど、受験した外資コンサルに内定をもらい、承諾します。

そこをひっくり返すストーリーや勝ちパターンが明確であればいいですが、それがなければ「良い学生が集まったけど、結局他社に逃げてしまった」で終わってしまいます。

インターンでは、どのような志向性の学生を集めるのか、その学生は最終的に自社を選んでくれるのか?そのあたりも考えながら集客を行うことが大切になります。

インターンの集客については、以下の記事も参考にしてみてください。
【関連記事】インターンシップの集客力アップにつながる3つの施策

【まとめ】採用成果を出すには「インターンシップの設計」こそが重要

採用成果が出ていないインターンシップは、以下の3つにまとまります。
1) ターゲット不在(Who)
2) 伝えるべき会社の魅力がズレている(What)
3) ストーリー設計不足(How)

逆に、採用成果を出している企業は、この3つを確実に抑えています。
つまり、
どんな学生に(Who)、どのような会社の魅力を(What)、どのように理解してもらうのか(How)
を、徹底的に考え抜いています。

「とりあえずインターンシップをやれば、いい学生と接触でき、採用もできた」という時代は終わりました。

インターンシッププログラムを作成するためには、自社内製でも、パートナー会社に作ってもらう外注でも、どちらにせよ、「考え抜かれたインターンシップ」が必要な時代に突入しています。

弊社ジャンプには、インターンシップに関する具体的な実施事例や採用成果など、様々なノウハウがあります。インターンシップのお悩みやご相談がございましたら、下記より、お気軽にお問合せください。

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(株式会社セブン‐イレブン・ジャパン様/三井物産ケミカル株式会社様など)

小緑直樹
クライアントパートナー

「採用」や「組織」に関わる仕事は、よりよい日本、さらにはよりよい世界を創っていく上での最適な人材活用に携わる ことだと思っています。そんな大きな思いを忘れず日々仕事に打ち込んでいます。趣味のジャグリングはいつでも披露します!


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