パソコンを使えない若者が増殖中


一人一台パソコンを使って仕事をするのが当たり前の世の中になって、かれこれ10年以上は経ったように思います。パソコンが普及していく過程ではさまざまな現象が起きました。例えばパソコンの価格ですが、20年前は50万円近くしましたが、今では性能が何万倍にも進化したものが10分の1以下の金額で買えるようになりました。手に入りやすくなったとは言え、使いこなすのが難しいシニア世代の管理職などは社内文書を作成するのに、内容を口頭で伝えて若い社員にタイピングしてもらっているなどという話は、今でもたまに耳にします。時代に取り残されつつあるおじさんたちを尻目に、若者たちは小さいころからパソコンが身近にあり、家庭でも学校でも当たり前のように使いこなしていきます。パソコンが使えないと仕事にならないことが多いビジネスの場に、若者たちは少なくともパソコンのスキルの面ではスムーズに順応して来ました。
ところがここ数年、さまざまな業界・規模の会社で、「パソコンを使えない若者が目立つ」という話を耳にするようになりました。そんな中、新卒採用の選考において十数年ぶりにパソコンのスキルをチェック復活する会社も増えています。売り手市場下での新卒採用は学生の獲り合いであり、採用業務は激務にならざるを得ませんので、余計な仕事は増やしたくないのが本音のはず。とは言えパソコンのスキルのある新入社員とない新入社員では、育成の手間や戦力化までの期間は大きく違うためやむを得ないのだと思われます。
では、パソコンを使えない若者はなぜ増えているのでしょうか。格差の拡大により、貧困家庭ではパソコンを子供に買い与えてやれないなど、原因はさまざま挙げられているようですが、やはりスマホの普及が大きいのではないでしょうか。大学生のスマホ普及率は2014年に98%にまで達したと言われています。普及率の伸びに比例してスマホは性能もどんどん向上し、今ではパソコンと同じかそれ以上のことができるとまで言われています。パソコンのキーボードでの文字入力はできないけれど、スマホのフリック入力は得意ですという学生は多く、卒論をスマホで書き上げたという学生も珍しくなくなってきました。そういうことを考えると、新卒採用活動においては企業もまだ当面はパソコンスキルのある学生を重要視すると思われますが、程なくして次の時代の波がやってくると思っておいた方がいいでしょう。彼らがビジネスのメインプレーヤーになるころには、キーボード入力は時代遅れ、まだパソコンで仕事してるの?という時代がやってくるかもしれませんね。
前職は人事を担当。会社全体の仕組みから社員一人ひとりのケアまで、幅広い視点から会社や組織の活性化に貢献します。既存の概念にとらわれることなく、常に柔軟に考えることを心がけています。趣味は料理。食べるのも作るのも大好き!
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