STRUCT REPORT
採用コラム

デザインの良し悪しってどう判断すればいいか、ぜんぜんわからんちん!

田邊宏明

部下からパワポ資料を見せられたときとか。デザイン会社からパンフレットデザインプレを受けたときとか。プロダクトのモックを見せられたときとか。「どうでしょう?」といわれても、逆に「どうといわれても…」と困ることはありませんか。よりよいアドバイスを伝えて、「コイツ、イケるやん!」と思われるにはどうすればいいんでしょうか。

デザインを見たときの3つの反応。

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なにかしらのデザインを初めて見せられたとき。大きく3つの反応があると思っています。1つ目は、【感想】。「めっちゃええやん!」とか「こんなん誰でもできるわ…」とかです。初見の印象は大切ですが、感想は、デザインのブラッシュアップにはつながりにくいです。どう改善していくのかの方向性がないためです。2つ目は、【個人的な意見】。「オレやったら青を赤にするかなぁ」とか「マルよりシカクのほうがかっこええやん」とかです。これも、そのときの気分とかで言ってしまいがちなので、あんまり良くないです。明日になると、「やっぱ、青のほうがええか…」となることはあるあるです。3つ目が【批評】です。デザインがいいと思ったら、ちゃんと「いいね!なぜなら…」と、その理由をちゃんと説明すること。ダメならダメで、その理由をちゃんと説明すること。「こんなデザインはクソだ!やり直してこい!」は、批判です。デザイナーとケンカになること間違いなしです。3つのなかで、デザインのブラッシュアップに確実につながるのは、【批評】ではないでしょうか。

企画意図とターゲット視点を意識して見る。

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感想も個人的意見も、言ったらダメなわけじゃありません。大事なのは、その感想なり意見なりを言った理由に納得感のある説明ができるかどうかです。たとえば、女性向けの新製品なり、冊子のデザインがあがってきたとします。なんかいい感じにマルくて、色もパステルカラーです。でも、「なんかいい感じやん!」という感想だけではよろしくないです。女性向けだからといって、まるくて、ピンクって安易じゃないかと。想定ターゲットを思い返してみると、女性は女性でも、現役バリバリで働く女性がターゲットだと思い出したら。色は、ピンクよりも実はブラックやシルバーなどのクールなほうが、より効果のあるデザインになるかもしれません。企画コンセプトが「手に持ちやすいもの」だとしたら、マルよりシカクのほうが、手からずれ落ちづらいかもしれません。つまり、制作物の企画意図を強化するデザインになっているか、想定ターゲット視点で見たとき、ほしいと思ってもらえそうかという視点でデザインを見ると、的確な判断が出来る可能性は上がります。個人的な意見を言うにしても、自分自身がなぜそうしたほうがいいと思ったのかの理由をちゃんと考えて、言語化してデザイナー伝えるのが大切です。そうしたほうが、より良いデザインがあがってくる可能性があるからです。デザイナーは、デザインによって課題解決するプロです。引き出しの多さが違います。「○○という理由で、■■にしてほしいんです」と伝えると、「○○を解消するなら、■■よりも▲▲のほうがよりいいですよ」という、アイデアがもらえる確率はぐんとあがるのですね。

デザインをより機能させるために。

日本語で「トイレ」と書いても外国人には伝わりませんが、お馴染みのあの男女マークなら、「トイレ」に誘導することができます。デザインの力は、偉大ですね。そんな偉大な力を、より発揮させるデザインにつくりあげていくには、批評が有効です。「いい!」と言うにしろ「わるい!」と言うにしろ、なぜそう思ったのかの理由が大事なのです。もし、理由づけが弱ければ、デザインに対する意見としては再考する価値はあると思います。まぁ、見た人を惹きつける等のデザインの基本的な役割を果たした上での話になるのかもしれませんが。。コンセプトをより強化するために、もしくは効果の高い制作物をつくるために、ぜひとも、デザインのちからをうまく活用してください。

田邊宏明
コピーライター/ディレクター

広告は、目立ってナンボの世界でもあります。ただ、たとえ派手さはなくても、相手のことを思いやる人間らしい誠実なスタンスこそが、人を動かすということを忘れないでいようと思います。腹の肉を追いやるため、なにか運動をはじめようかと思案中。


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