STRUCT REPORT
採用コラム

パラレルワークの落とし穴と知っておきたいポイント

安井省人

パラレルワーク、他の言い方だと複線型キャリアとか複業といった言葉に出会うようになってしばらくが経ちました。未来の働き方だと言われることもありますが、果たしてパラレルワークは今以上に広がっていくでしょうか?

自己成長は、促進するか?停滞するか?

パラレルワーカーになることはそう難しくありません。単に肩書を複数もてばよいのだし、そういう働き方を歓迎する企業も今はかなり増えています。しかしその複数の仕事によって、自分がすべての仕事で成長できるかは「器用」であるかどうかがかなり重要だと私は思っています。仮に一日の仕事時間を8時間と制限するとして、2つの仕事をすればそれぞれに割ける時間は2分の1の4時間です。ひとつの仕事に専念している人は8時間をすべてその仕事に注ぐことができます。どちらが1ヶ月後、ひとつの仕事で成長できるかは明白です。不器用さんには、単線キャリアで徹底的にひとつのキャリアをつきつめることをおすすめします。より成長できるパラレルワークを実践するには、複業の仕事と仕事にいかにストーリーや「関連性」を見つけられるかがカギを握っています。一つの仕事Aでは手に入れられない視野や知識をもうひとつの仕事Bで獲得することができ、それをもう一方の仕事Aに活かすことができれば成長は加速します。さらにAをBに活かせればその広がりはさらに大きくなっていくのです。4時間+4時間を16時間の価値にできるかどうかなのです。

1701_安井さん

社会はまだ、パラレルワークの現実に追いついていない

生活をしているとさまざまなシーンで身分証明を求められることってありますよね?カードをつくったり、ローンを借りたり。でもそんな時、複数の仕事の証明を出すことは意外とたいへんです。細かいことですが、書類に所属の会社を記入する欄だって、たいていひとつしかありません。自然にひとつの会社やその所得を証明として提出することになります。保険はひとつの会社でしか適用されないし、会社同士がそれを連携するなんてことはまだ当面はできそうにない気配です。税関連は確定申告さえすれば問題ないですが、年金や各種制度はまだまだパラレルワークにフィットできていません。制度はまだ「副業」くらいにしか対応できていないのです。時代だからとか、面白そうだから、とかいう気軽さで、飛び込んでみることも私はいいと思いますが、パラレルワークのメリットとデメリットを理解して、未来への「覚悟」だけは持っておきたいものですね。

安井省人
取締役 クリエイティブディレクター

組織活性につながるクリエイティブとは何か?問題の本質は何か?を追求する毎日。近道でも回り道でもゴールに繋がるプロセスを大切に、現実にも夢にも向き合いたいと思っています。二地域居住の週末田舎暮らしやってます。


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