新人育成を新人研修だけで終わらせないように。


最近、「人事評価制度って必要なんですか?」と聞かれることがあります。アメリカなんかでは、レーティングを廃止する動きもありますしね。私は、「必要です」とお答えしています。人事評価制度がなくても組織運営が機能するためには、組織と個人にかなりのマネジメント力が必要だと思っています。このあたりの話はまた別の機会にするとして、ここでは人事評価制度が必要な理由について、私なりの意見を書きます。
多くの企業では“社員側の視点を持った人材”が多いなと感じています。この場合、程度の問題はありますが、組織運営において“会社VS社員”という構図が存在します。インタビューなんかすると、「社長は何もわかっていない・・・」という話が、社員の方からよく出てきます。それが、部長層の言葉だったりするときもよくありますよね(気持ちはわからなくもないですが)。現場で、社員の不満を「うん、うん、わかるよ。おれだってさ・・・」なんていうコミュニケーションの取り方を部長層がやっている時には、これはかなりまずいなと感じます。いつまでも、“社員側の視点”が強い管理職がいるケースです。創業者の色が強いベンチャーやオーナー系企業に多いかもしれません。
こうした企業には、人事評価制度は必要です。人事評価制度を通じて、“会社側の視点を持った人材”を生み出すための基準の設計と、そのための運用を徹底して行う覚悟が必要です。特に、新人~若手、若手~中堅、中堅~管理職などといった、階段を昇る時の基準作りと運用をしっかりしていかないと、“会社側の視点を持った人材”を生み出していくことは難しいなと感じています。
この先、人事評価制度は、一定の組織と個人のマネジメント力が備わっている企業であれば、必要ない時代になるかもしれません。(ただし、これも結局は人事評価制度そのものが必要ないのではなく、形が変わるだけだと思いますが)しかし、まだまだ多くの日本企業にとっては、人事評価制度によって求める視点や基準を明確にし、その運用を通じて組織と個のマネジメント力を高めていくことは、重要なことだと思っています。まずは、自社の人事制度について、制度の基準や運用が今の組織の状況に合っているのか、点検してみてはいかがでしょうか。
大切にしていることは、その組織や人が見てきたものと同じ景色を見ること。その上で今後の仕組みを作ること。仕組みとはいえ、人間っぽさを捨てないこと。サッカー大好き。企業内でサッカー的組織創りに挑戦したいです。興味のある方はご一緒に!
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