STRUCT REPORT
採用コラム

保育園に入れなくても男性が「仕事辞めよう」とならない今の社会について

石川沙絵子

保育園の待機児童問題。都内に住んでいる私にとって耳にしない日はないぐらいで、現に私も4ヶ月の娘の預け先として、10ヶ所以上の保育園に待機申請をしながら、今は娘が寝ている間にこの記事を書いています。生まれ月や兄弟の有無によって保育園に入れる可能性が大きく変わってしまう今のシステム。首が座る前の小さな赤ちゃんを抱え、育休ママたちは保育園への電話かけ、見学と、不安を抱えながら保活をスタートさせるのです。

「結婚するから仕事辞めます」と言った男性社長

私の知人のある男性社長は、新卒で入った会社を結婚が理由で退職し、自ら会社を興しました。恐らく、この先の収入や家族との時間の確保などを考えて働き方を変えたのだと思いますが、同じように、「保育園に入れなかったら自分が仕事を辞めよう」と本気で考えている男性はどれくらいいるでしょうか?育休ママであれば、「保育園入れなかったらどうしよう?」と誰しもが1度は頭をよぎるこの考え。しばらくは専業主婦でいようか、パートにでようか、色々とシミュレーションをしてみます。そこまでするから、保育園に入れたら保育園には本当に感謝しますし、復帰できた仕事でパフォーマンスを発揮したいと心の底から思うのです。

家族視点で働くを考える

育児や介護など、ケアする対象が家族にいる世帯は、夫婦どちらかの働き方だけ考えるのではなく、互いの働き方を中長期視点で考えることが大切だなぁと思います。特に小さい子どもがいる世帯では、女性が仕事をセーブせざるを得ない状況が多いとは思いますが、少し子どもが手を離れた時にまたアクセルを踏めるよう、ペースを落としても細く長く何かを続けておくとか、5年、10年先を見て夫婦で仕事のバランスを話し合えると理想的です。こうした合意があると、共働きでも片働きでも、お互いの状況を理解し、協力し合える関係が作り出せると思います。

誰もが預けたいタイミングで子どもを預け、仕事復帰ができる社会となるにはもう少し社会インフラが整うことも必要ですが、家族という単位で理想的な働き方を考え、協力し合うことで従来の男女の役割にとらわれないその家族らしい働き方が実現できるのではないでしょうか。

石川沙絵子
クライアントパートナー

「調和のとれた社会づくり」というビジョンに向かって、働く一人ひとりが強みを発揮できる組織づくりをめざしています。また、一人でも多くの女性が活き活きと働ける社会をテーマにした活動も広げています。プライベートでは三児の母。


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