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採用コラム

若手社員は本当にコミュニケーションが苦手なのか?コミュニケーション能力の磨き方 ~後編~

石川沙絵子

人は社会的な生き物で、他人に共感し、共感してもらいたいという本能が生れながらに備わっている、というお話をした前回(若手社員は本当にコミュニケーションが苦手なのか?コミュニケーション能力の磨き方~前編~)。だからこそ、コミュニケーション能力はトレーニングによって誰でも身につけることができます。では具体的にはどうやってコミュニケーション能力を磨いていけばよいのでしょうか?職場でもゲーム感覚でとり入れられるコミュニケーションワークをいくつかご紹介します。

1、感情読解

2人1組のペアになり、ペアの1人が、「幸せ、不快、驚き、悲しみ、怒り、恐れ」といった人間の基本感情を表情だけで相手に伝え、相手はどの感情かを推測するワーク。
自分は相手に表情が読み取られやすいタイプか否か。つまり、思いが伝わりやすいタイプなのかの自己認知ができると共に、コミュニケーションの大部分を占める非言語コミュニケーションの表出トレーニングにも繋がります。

2、同一性を探る

選択を迫られると判断に迷うような4つの言葉、例えば、「控えめ、内向的、温かい、ロマンティック」などを提示し、各自が最もよく表していると思うものを強制的に1つだけ選択させ、同じ言葉を選択した者同士が選択理由を話したり、他の言葉を選んだグループとも意見交換をする。これを複数回言葉を変えて行うワーク。
自分と他者との解釈の違いを通じて、自己概念の見直しや言語的意味の多様性を認識できます。

3、価値観ランキング

「名誉、仕事、快楽、自己実現、お金、愛、健康、社会貢献、飲食、生きがい」といった10の言葉で、自分が価値がある(大切である)と思っているもののベスト3を選び、理由を考える。その後、4~5名程度のグループ内で各自の結果を共有し、気付いたことを意見交換するワーク。
自分が大切だと思うものを考える中で自らの行動を振り返ったり、他の人と価値観を比較して自分の価値観が「当たり前」でないことに気づき、結果互いの価値観を受容するきっかけづくりができます。

4、トラストウォーク

3人1組のペアになり、1人が目隠しをし誘導される役、1人は誘導役、1人は観察役となり、施設内を歩く。誘導役は声掛けも禁止で、目的地まで誘導する。役割を交代しながらすべての役割を終えた後、感想を共有するワーク。(※2人1組、誘導役の声掛けOKなど、やり方は様々です)
自分の感覚と相手の感覚の違いに気づき、他者への理解や配慮の方法を考えられるようになります。

5、コンセンサスゲーム

人類滅亡の危機となり、弁護士、女子大生、プロサッカー選手、生化学者など8人のうち5人しか生き残れないとしたら誰を救うか、といったような正解のない問いに対して、自分なりの答えを考え、4~5人程度のグループで討議するワーク。
集団討議における自分の役割の認識と、相手を尊重しつつ自分の考えを素直に、効果的に表現するスキルが学べます。

コミュニケーション能力を磨くためには、「自分を知り、他者を知る」ことが何よりも大切で、小さなステップでも繰り返し経験することで、自己概念を広げ、多様な価値観を受容することができるようになります。今回ご紹介したワークは自らの「気づき」を重視したワークですが、自己認識には適性テストなどの客観的指標を活用するのも一つの手です。ジャンプでも自己理解、相互理解を目的としたコミュニケーション研修を行っていますので、ご興味ある方はぜひお問い合わせ下さい。

石川沙絵子
クライアントパートナー

「調和のとれた社会づくり」というビジョンに向かって、働く一人ひとりが強みを発揮できる組織づくりをめざしています。また、一人でも多くの女性が活き活きと働ける社会をテーマにした活動も広げています。プライベートでは三児の母。


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