マーケターの必要条件(初級編)
マーケティングは基本的に「伝える」作業です。そして、その効果を営業に活かしていく作業です。しかし、実際には「伝わる」ことが効果の最大化にはたいへん重要です。
少し古いデータですが、下記をご覧ください。
「選択可能情報量」とも言われますが、世の中に流れている情報量の総数は飛躍的に伸び続けています。これは言わずもがなインターネットの普及と比例しているわけですが、消費者がこの情報の渦中にいることをマーケティング担当者は知らねばなりません。加えて個々人が情報を摂取できる情報の量を示す「消費可能情報量」は、10年前に比べ2倍になったと言われていますが、それでも選択可能情報量との伸び率とはたいへんな開きがあり、この差を埋めることは困難です。一人の個人を取り囲む情報量は増えているのに、消費できる情報量はスマホの登場で伸びたとはいえ、たかだか2倍なのです。
発信して安心していては、情報は伝わらない。
これらの事実をふまえ、マーケターが取り組まねばならないことは、自社の商品の魅力を知るのはもちろんのこと、世の中が何を求めているかをより正確に捉まえることです。優秀なマーケターは単純な実績データ、つまりは過去のデータにだけ縛られるのではなく、いま世の中が求めている潜在ニーズにまで目を凝らし、それらをマーケットに提案していくことができます。
それができればマーケターは一定の市場に対し、ムーブメントを起こすことが可能です。この活動はセールスプロモーションやブランディングとも非常に近い活動ですが、商品に感動してもらい、次のアクションを起こしてもらうことができるなら、マーケターにとってその仕事の成果は100万倍にも1億倍にもすることが可能です。
情報が増大する社会の中では購買者の気持ちは常に変化します。今日のデータはもう明日には過去のデータとして取り扱われます。つまりそこに鉄板のロジックは存在せず、消費者行動についての深い見識と想像の繰り返しのみがヒット商品を生み出し、 「売れる」状態を創りだすのです。
「いい商品でありさえすれば売れる」。そんな時代はとうに過ぎ去っていることをマーケターのみなさんは強く肝に銘じましょう。消費者に「そうそう、これこれ!」と言わせることができるか。それがマーケターの腕の見せどころなのです。
安井省人
取締役 クリエイティブディレクター
組織活性につながるクリエイティブとは何か?問題の本質は何か?を追求する毎日。近道でも回り道でもゴールに繋がるプロセスを大切に、現実にも夢にも向き合いたいと思っています。二地域居住の週末田舎暮らしやってます。
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