女性の両立支援に男性側からもアプローチ!長時間労働を減らす3つのポイント。
●都会の核家族で二児の未就学児の子育てをするということ
男性の育休取得や、長時間労働の見直しなどのニュースが増えてきていますね。
私自身、保育園に通う5歳、2歳の2人の子育てをしながら仕事をしていますが、毎日が綱渡り状態。特に、18~21時までの3時間は本当に大変です。
子どもが1人の時は何とか1対1で乗り切れたものの、子どもが2人に増え、2人目が歩き出し、意思表示がはっきりし始めてからがまた大変。
夕食作りも、喧嘩する2人のやりとりを聞こえないふりをしながら。やっと作ったごはんも食べたり食べなかったり。夕食が終われば、嫌がるお風呂や歯磨きにどう誘うか。自分だけなら30分もあれば終わることを、2人それぞれの年齢に合わせて誘い文句を変え、やっと布団に入ったと思ったらあっという間に21時過ぎ。食器洗いも洗濯物畳みも、やる時間はありません。
昨日成功した誘い文句と同じでは今日の子どもには通用しない。常に頭を空っぽにして、やりとりの引き出しを増やし続けないと2人の子どもの相手はできないのです。
そんな毎日ですが、たまにパパが18:30とかに帰ってきてくれる日は何と気が楽なことか。
家事も進むし、子どもの反応も純粋に楽しみながら相手ができる。笑いが増えれば家庭内も明るくなり、きっと子どもにとってもこういう環境が情緒安定に繋がるんだろうな、と実感しています。
●女性の両立支援は、女性だけにアプローチしても解決しない
産育休制度や時短勤務制度、育休復職者への研修やイクボス研修など、両立して働く女性に対しては、様々な支援制度が整ってきました。私自身も2回の産育休を経験し、経済的にも、精神的にも安心して仕事を続けることができています。
ただ、子育ては出産前後の2~3年だけでは終わりません。しかも2人目、3人目となると、それが何年も続くわけで、子どもの年齢に合わせて大変さも日毎に変わってきます。そうなると、一時期、しかも女性だけへの支援ではどこかで限界が来る気がします。
女性への負担だけでなく、家庭内の緊張感を感じ取った子どもにまでその影響が及んでしまうのではないか?そんな気がしてなりません。
●男性も夕食を家族で食べられる働き方
私自身が感じている一番うれしい支援は、やはりパパが夕食時には帰ってきて、夕方以降は2人で育児ができる、ということにつきます。
もちろん、産後2ケ月ぐらい、一番大変な時期に育休をとってもらえるのも嬉しいですが、それ以上に、毎日残業なしで夕食を一緒にとれる生活の方が長期的に見たら何にも代えがたい支えになります。私も独身時代、終電まで働く日々でかなりの仕事量をこなしていましたが、そんな私でも回ってないなぁと切実に思うくらい、両立というのは様々な筋力が必要です。
それでも、やっぱり子どもの無邪気な笑顔は癒されるし、元気をもらえるし、創造力の豊かな子どもから毎日たくさんのことを教えてもらえるので、子育ては最高に楽しいと心から思います。
●企業に何ができるのか?長時間労働を減らす3つのポイント
残業せずに家に帰るためには、仕事の生産性を上げるという個人の意識や努力はもちろんですが、長時間労働が当たり前になっている風土や仕組みも同時に変えていく必要があると思います。
具体的には、
1、仕事の締切を意識させたマネジメントを行う
若手のうちは経験もスキルもないため、「完成させるまで」と、時間を意識せずに仕事を設定してしまいますが、上司がメンバーのレベルに合わせて、初めのうちは細かく締切設定をし、「仕事の進め方の型」を教えること。締切を常に意識し、量をこなしていくことで、時間内に終わらせるための工夫を常にしていける人材が育っていくはずです。
2、仕事の生産性も評価に加える
長時間労働に慣れてしまうと、そのスタイルを変えるのはなかなか難しいものです。組織として長時間労働を減らすためには、社員に労働時間を減らすことが得になる施策を導入することも重要です。残業時間削減の取組みをしたり、ワークライフバランスがとれている会社の多くが、人事評価に労働生産性の観点も入れています。
3、IT投資とその運用を徹底する
顧客DBや訪問履歴の整理など、クラウドをはじめとした多くの経営支援ツールがある一方、
それを上手に使いこなせていない企業も多く見受けられます。導入したものの運用できていない原因として、経営層やマネジメント層が旧来のやり方を重視してしまい、マネジメントが徹底できていないことも挙げられます。経営・マネジメントが一体となって、ITを活用した経営マネジメントに舵を切ることが大切なのではないでしょうか?
以上、今回はワーキングマザーとしての実体験から、女性の両立支援のために本当に必要な長時間労働の削減についてお伝えしてみました。こうした取り組みができる企業は、採用力もあがりますし、家族からの評価も高くなり、結果社員の定着率向上にも繋がるはずです。未来の子どもたちのために明るい家庭が少しでも増えるように、企業側も変わっていく時期にきているのかもしれません。
石川沙絵子
クライアントパートナー
「調和のとれた社会づくり」というビジョンに向かって、働く一人ひとりが強みを発揮できる組織づくりをめざしています。また、一人でも多くの女性が活き活きと働ける社会をテーマにした活動も広げています。プライベートでは三児の母。
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