ターゲットに刺さる採用告知文作成の鍵は、学生の志向性
●告知は【能力】ではなく、【志向性】を意識
インターンシップ、説明会、フォローセミナー、など、学生に向けて、告知文を書く場面は少なくありません。そして、告知を書く際は、ほぼすべての方が「ターゲット」を意識していると思います。
ただ、難しいのが、ターゲットを「どうやって意識し、どう告知文に表現するのか?」という点です。
よく、「コミュニケーション能力のある人、募集」といった、ターゲットの【能力、スキル】面を切り取った告知を見ます。しかし、多様性ある環境で自身を評価される経験が乏しい学生は、自分の能力を正確に把握できていません。なので、【能力】を打ち出した告知を見た際に、「自分のことかも!」と思えなかったり、思えたとしても、企業が求めるレベルと自己能力理解に齟齬があったりします。
以上から、告知の際は、【能力】で打ち出すのではなく、【志向性】で打ち出すのがおススメです。
●告知に効く3つの志向性
これから世に出ようとする学生にとって、仕事とは未知のもの。不安も大きいけど、夢や希望も大きい。そんな、学生たちの「将来こうなりたい」という願いが【志向性】です。
「経営者になりたい」「社会貢献できる仕事をしたい」「とにかく稼ぎたい」、たくさんの希望がある中で、どのような志向の持ち主が自社にふさわしいのか?求める人物像や会社の価値観とのマッチングから考えます。
学生の志向性は、千差万別ですが、私が告知を作る際に意識している大分類は大きく以下の4つになります。
1)能力アップ志向(自分の能力開発、評価を求める)
2)貢献志向(社会貢献、組織貢献、何かに役立っていることを求める)
3)エンジョイ志向(楽しさ、快適さ、自分らしさ を求める)
4)条件志向(報酬、勤務地、勤務時間、など希望する労働条件をもとめる)
たとえば、どんどん事業を創りだし、その事業を若手に任せていく。そんな戦略を掲げている会社の採用なら、1)能力アップ志向がふさわしいと言えます。あとは、その志向にはどんな訴えかけが有効なのかを探っていくイメージです。
たとえば、「独立支援制度」「実力主義」「20代経営者を〇人輩出」といったアピールポイントがあれば、それを打ち出すことで、意中の人材と出会える確率は高まります。
自社の求める人物像、会社が持つ価値観、環境などを踏まえて、できれば、ひとつではなく、複数選ぶようにすることもポイントになります。例えば、立ち上げている事業が、「社会貢献度の高い」という特徴があれば、2)貢献志向の学生も集められます。
一点、注意が必要なのが、4)条件志向です。1)~3)の志向性は人間の内発的動機なのに対して、4)は、外発的動機になります。表面的なスペック比較されやすく、「より良い条件の会社」が現れてしまうと、簡単に乗り換えられてしまいます。なので、4)を打ち出す際は、必ず1)~3)のいずれかの志向性もセットにすることが大切です。
自社にはどのような志向がふさわしいのか?また、自社の社風、環境はどの志向に訴えられるか?この二つの視点をとことん掘り下げて、それを告知に落としていくと、ターゲットに刺さる告知文ができてきます。
是非とも、ターゲットの志向性に訴えかける告知文、作成してみてください。
小緑直樹
クライアントパートナー
「採用」や「組織」に関わる仕事は、よりよい日本、さらにはよりよい世界を創っていく上での最適な人材活用に携わる ことだと思っています。そんな大きな思いを忘れず日々仕事に打ち込んでいます。趣味のジャグリングはいつでも披露します!
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