ほしい学生と出会うたった一つの方法
◎リーズナブルだが非効率なナビ
新卒採用にナビが使われるようになったのは2000年を過ぎた頃でした。インターネットの威力を使ってできるだけ大きな母集団をつくり、そこから選ぶのが優秀な学生を獲得するのに最善の策であるという価値観は、そこからおそらく10年以上は続いたように思います。しかし、理想的な成果を得られる企業はそれほど多くはなく、結果的に少数の勝ち組企業と、大多数の負け組企業を生み出すことになりました。負け組とはもちろん十分に学生が集まらないということですが、勝ち組にも悩みがありました。膨大な母集団の中から良い学生を捜し出すのは、まるで砂山から砂金の一粒を見つけ出すような途方もない労力を強いられることになったのです。
◎効率的だが費用が高い新卒紹介
たくさんの学生と会うということは、換言すれば一人一人とは十分なコミュニケーションができないということになります。そのような採用は、早期離職などの形でツケを支払うことになります。いつしか母集団は量から質を求める時代へとシフト、つまり学生と十分にコミュニケーションを取り、お互いに理解を深め納得した採用ができる方がいいという価値観に転換していきます。新卒紹介会社の登場と浸透は、それを後押しすることになったかもしれません。自社の代わりに学生の適性を見極めてくれて、その学生に自社の魅力を理解させ、ある程度その気になった状態で会わせてくれるのですから、これは大きなメリットです。しかしその分費用が問題になります。数人であればそれほど問題になりませんが、数十人となってくると採用費用は1000万を軽く超えてきます。
◎学生と会えない時代
こうした流れを経て、最近は企業から学生へ個別にアプローチをするダイレクトリクルーティングの流れが加速しつつありますが、まだ労多くして実り少ない感じです。一方で、学生の就活のやり方も大きく変わってきています。一昔前までは100社以上エントリーするのが当たり前であり、いくつも内定をもらってその中から承諾先を選んでいました。ところが今は2~30社しかエントリーせず、しかも最初に内定が出た企業に決めてあっさりと就活を終えてしまう学生が非常に目立つようになりました。これはつまり、企業は今までと同じことをやっていても思うように学生と会えなくなってきているということです。ではどうすればよいのでしょうか。
◎採用ブランディングを確立せよ
そこで重要になってくるのが採用ブランディングの確立です。一言で言えば、他社に言えない自社らしい魅力を、ターゲット学生に響く方法で発信し続けることです。時間もパワーもかかる取り組みではありますが、いったん確立してしまえばこんなに強いことはありません。また、この取り組みは全社一丸となって取り組むことで社員の意識も変わっていきます。魅力を再認識することで自社に対する愛着が湧き、組織には活力が生まれ、結束力が高まります。これがまたターゲット学生を惹きつける魅力として作用し、いつしか確立されていくのが採用ブランディングです。ジャンプには数々の事例がございますので、よろしければお気軽にご相談ください。
辻隆斗
取締役 クライアントパートナー
前職は人事を担当。会社全体の仕組みから社員一人ひとりのケアまで、幅広い視点から会社や組織の活性化に貢献します。既存の概念にとらわれることなく、常に柔軟に考えることを心がけています。趣味は料理。食べるのも作るのも大好き!
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