働き方改革、楽しくないのはなぜだろう?
サイボウズさんの「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。」という20周年記念制作アニメを見ました。
私が特に共感したのは「残業編」。
私自身、20代の頃はそれこそ始発から終電まで、お昼を食べる時間も惜しみながら猛烈に働いていました。「働き方改革」という言葉もなかった時代でしたので、誰にも何も言われずに、自分が気のすむまで働けたことが、今の自分をつくっていると思う部分も正直あります。
そんな私でしたが、3人の子どもの出産、育児を通じて、強制的に働き方を変えざるを得なく、個人的には「働き方改革」を常に実践してきたつもりですが、あらためて「働き方改革」とは何なのか、考えてみました。
1人目の育休明けに私が一番考えていたことは、「前と違う働き方で組織にどんな貢献ができるだろう?」ということでした。営業の最前線から、数字を持たない営業企画へ。数字をあげることが組織への貢献だと思っていた私は、営業企画となり、どうやったら会社から自分の働きを認めてもらえるかを常に考えていたように思います。営業数字を上げる、という目に見えやすかった会社との信頼関係を、別の軸で再構築しようとしていたのだと思います。初めのうちは数字を持たないことへの違和感がいっぱいで、「本当に私は組織に貢献できているのか?認めてもらえているのか?」と常に不安との葛藤でした。自分なりに工夫しながら、取り組みを見える化したり、成果を数字で分析したりして、自分の働きを認めてもらえるよう努力していきました。結果的に、今こうして3人の子育てをしながら働きつづけられているのも、その時々で変わる自分自身の働き方について、常に会社と対話し、信頼関係を再構築し続けてきたからだと思います。
また、家族が増えるにつれてわかってきたことですが、会社と自分との信頼関係だけでなく、家族、もっと言うと夫婦間の信頼関係、親子間の信頼関係も、その時々で再構築していくことが重要だなと感じています。
働き方を変えるのは、個人にとっては今まで認められてきた会社との信頼関係が揺るがされること。前と同じのような信頼関係を構築できるのか、働き方を変えることで評価されなくなるのではないか、どこかで怖さがあるのではないかなと、自分の経験から感じます。
「働き方改革」とは、制度の整備、業務の見直し、意識改革、など色々な解決策は言われていますが、要は、「今の時代に合わせた、会社と個人の信頼関係の再構築」のことなのかなと個人的には思います。
今まで築き上げてきた会社と個人の信頼関係を「変える」のではなく、今までの信頼関係をベースに、より良い信頼関係が築けるよう、考え方、やり方を「加える」という方がしっくりくるのではないかなと思います。
冒頭のアニメ
を教訓にしながら、個人と会社、お互いがハッピーになれるような「働き方改革」が進むよう、私も自分の経験を活かしてお役に立っていきたいなぁと思いました。
石川沙絵子
クライアントパートナー
「調和のとれた社会づくり」というビジョンに向かって、働く一人ひとりが強みを発揮できる組織づくりをめざしています。また、一人でも多くの女性が活き活きと働ける社会をテーマにした活動も広げています。プライベートでは三児の母。
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