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【マンスリー採用ウォッチ8月】コロナ前の学生と企業はどう変わったのか?26卒学生の内定獲得社数もまさかの数値に!

採用ウォッチ8月

ショートセミナー「マンスリー採用ウォッチ」は、採用活動におけるポイントを30分で解説するオンラインセミナーです。毎月公開される最新市場データを、弊社代表取締役YouTuberの増渕が読み解きます。

今月は、「コロナ前の学生と企業はどう変わったのか?26卒学生の内定獲得社数もまさかの数値に!」を中心に、最新データをもとに解説します。

引き続き、できる限りリアルタイムに近い「旬」のデータをお届けし、みなさまからの質問にも「その場で」お答えしておりますので、是非ご視聴ください。本記事では、セミナー内容をまとめています。

●コロナ禍以降、学生の志向や意欲・企業側にはどんな変化があったのか

まずは、パーソル総合研究所による「新卒就活の変化に関する定量調査」をご紹介します。
パーソルさんのデータは、採用ウォッチ1月でも、勝手ながら「採用マーケットデータof The Year2024」として特集させていただきました。データのとり方や分析の切り口が大変参考になるものばかりですので、今回の調査結果も、新卒採用に携わる皆さまにぜひご覧いただきたいと思います。

この調査では、2018年~2019年に実施した同様の調査結果と比較しながら、近年の新卒就活の変化・傾向を見ることができます。

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

概要としては、学生側では就活のスタートが早期化と長期化が進み、結果として就活の始まりと終わりが不明確となる「通年就活化」が見られるようになりました。その他、働き方への柔軟性重視成長意欲の減退SNS重視の情報収集といった変化がありました。
企業側では、内定辞退者の増加採用工数と負荷の増加採用者の「質」への課題感が上昇したという変化が見られました。以下、それぞれ詳しく解説します。


●学生側の変化―就活の開始時期についてー

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

上のグラフを見ると、就活を始めた時期について、2019年では大学3年生の冬が最も多いのに対して、2025年では大学2年生の冬までに始める学生が最も多く、早期化が読み取れます。
一方で、大学の偏差値別でも開始時期が異なり、偏差値58以下の大学では大学3年生の冬から就活を開始する学生が最も多いこともわかりました。そのため、大学のレベルに拘らない企業については超早期化の波に乗らなくても良いかもしれない(春夏よりも冬から勝負をかける方が良い)、ということも考えられます。


●学生側の変化―参考にするメディアについてー

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

就活で参考にしたメディアは、2019年学生と2025年学生では変わらず「就活サイト」がトップで、2位はクチコミ情報サイトでした。
2019年に比べて2025年に大きく順位が下がったのは、「就活本・就活情報誌」や「会社四季報」でした。逆に順位が大きく上がったものは、「企業のSNS公式アカウント」や「その他のSNS」であり、SNSやWebサイトが重要な情報源となっていることがわかります。


●企業側の変化ー採用活動の難化と企業の課題ー

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

次に、企業側の変化では、2020年に比べて現在では「新卒採用にかかる工数・負荷」が増えていると回答した企業が47.4%でした。「採用こっそり相談室」でもお話していますが、現在の採用マーケットは獲得競争が激しいため、1対1の個別最適フォローや現場社員の巻き込みの重要性が高まっており、結果的に採用にかかる工数・負荷が増えていると考えられます。
また、この5年間での変化では内定辞退の増加も挙げられます。コロナ禍でオンラインの採用活動が一般化する中、企業と学生の関係性の希薄化もあり内定辞退がしやすくなった影響もあると思います。


●企業側の変化ー採用成果についてー

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

2025年の採用成果に関するアンケートでは、全体的に採用の「質」に課題感のある企業が多いことがわかります。特に企業規模が500人未満の企業では「質・量ともに採用できていない」が5割を超える結果となっていました。


●学生の価値観とキャリア観の変化

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

2019年~2025年の間で「就活で重視すること」については、「やりたい仕事ができること」を重視する学生が大きく減り、「勤務時間・勤務時間など、働き方が柔軟に選択できること」を重視する学生が増加しています。コロナ禍の影響で2020年以降にリモートワークが広がり、働き方の選択肢が増えたことも、増加の要因かと思います。
一方で、「やりたい仕事ができること」や「自分が成長できること」を重視する学生が減っていることは、注目すべきポイントですので追って解説します。


●キャリア意識の変化について

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

2019年~2025年での学生のキャリア意識については、非常に注目すべき変化があります。
先ほどの「就活で重視すること」とも重なりますが、「勤務場所に融通が利く職場で働きたい」が大きく上昇しています。同時に、「働くことはお金を得るための手段にすぎない」というキャリア観も上昇しており、昨今の就活生のドライ化と通じる点です。
また、6年前に比べて最も下がっているのが「仕事を通して成長したい」というキャリア観です。一般的に企業が求める学生像は、「独立心がある」や「仕事にやりがいを求める」、「成長意欲がある」、「尊敬できる上司・先輩のもとで働きたい」など、低下したキャリア観に挙がるものが多いと思います。この調査からは、「企業が採用したい学生像の出現率が下がっている」と捉えられます。

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

企業が感じる学生の変化という調査項目では、5年前と比較して顕著に上がったのは、「リモートワークのスキル・知識」「デジタルスキル・知識」「データリテラシー・データ分析」「真面目さ」など。下がったのは、「起業家精神」「積極的な態度」「リーダーシップ経験の多さ」などでした。
「変革人材がほしい」という企業ニーズは高いかと思いますが、そのニーズに見合う学生が明らかに減っているという「ねじれ」が起きていることがわかります。このような現象が、採用成果の「質」にも課題が残る要因ではないでしょうか。


●インターンシップの実態と学生の視点

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

2025年のインターンシップ参加率は68.3%で、2019年より約7ポイント上昇していました。インターンシップの経験内容と入社意欲の相関関係の上位は、「企業・職場の雰囲気」、「業種・企業の具体的な内容」、「社員の優秀さ」が並び、職場・会社・仕事のリアリティが重要だとわかります。
インターンシップのコンテンツにおいて、「業種・企業理解の促進」に注力している企業は多いと思います。もしやり切れていない余地があるとすれば、「企業・職場の雰囲気の訴求」や「社員の優秀さの訴求」ができると、採用成果につながる確率が高まると読み取れます。
逆に入社意欲との相関関係が低かった項目から読み取れることとしては、幹部や他学生よりも、現場社員との接点が重要だとわかります。

出典:パーソル総合研究所 新卒就活の変化に関する定量調査

一方で、企業理解との相関関係が高い項目には、幹部との継続的な人脈・交流が挙がっています。企業の幹部がインターンシップに関わることは意味がない訳ではなく、入社意欲の向上よりも、企業理解の点で効果を発揮すると読み取れます。1位は「仕事の忙しさ・厳しさ」であることから、やはり働くことに対して「リアリティのあるイメージが持てること」は企業理解につながるようです。

《まとめ》
今回の調査結果は、コロナ禍を経て選択肢が増え、価値観が多様化した面も大きく影響しているため、就活生の変化を当然の流れでもあります。社会人になり、仕事をしながら、やりがいや成長をよろこべるような経験は絶対にありますので、採用の「質」への難易度は上がっていますが、諦めることなく探求を続けることが大切かと思います。


●26卒学生の内定獲得者数がまさかの数値に!?

次に、マイナビさんによる2026年卒・内定者意識調査をご紹介します。まず、内々定保有者数について、26年卒学生の内々定保有者数は平均1.73社で、昨年よりも0.55pt減少しました。グラフからも大幅な減少がわかり、視覚的にもインパクトの大きさがわかる結果かと思います。

出典:2026年卒 内定者意識調査(マイナビ)

また、内々定保有者数の内訳では、「1社」という回答が62.2%で、前年の41.0%から大幅に増加しています(21.2pt増)。3社以上の内々定を保有する学生は、昨年よりも15.9ptの減少でした。

出典:2026年卒 内定者意識調査(マイナビ)

活動終了率については、内々定が1社のみの学生が大幅に増加している一方で、全体の就職活動の終了については昨年比3.2pt減でした。また、複数内々定者に比べて、内々定1社の学生の方が活動終了率が8.9pt高いことがわかりました。第一志望の企業1社から内定を獲得し就活を終えるという、タイパ志向が伺える結果ではないでしょうか。

出典:2026年卒 内定者意識調査(マイナビ)

《まとめ》
売り手市場による影響も大きく、第一志望の企業から内定を獲得する割合が増えていると考えられます。同調査によると、「1社内々定者」は、入社予定先企業が活動開始時点から第一志望だったという回答が多いこともわかりました。そのため、就活の早い時期から、学生にとって志望度の高い企業であることの重要性も示しています。低学年時のキャリア形成活動の実施率も増加していることから、やはり企業側にとって、低学年向けの認知形成の重要度が上がっていることは確実だと思います。

以上、今月のマーケットデータでした。採用活動に少しでもお役立ていただけましたら幸いです。
動画は、以下よりご覧いただけます。来月以降のご視聴もお待ちしております!

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