STRUCT REPORT
採用コラム

クリエイターとして死ぬ日。

内田直樹

これから先、食っていけるのか?

いわゆる「広告クリエイター」が、僕の周りで減っているような気がします。最近、有名なコピーライターの方々でも開店休業状態だとか、大御所と呼ばれるデザイナーさんが廃業したとか。心がどんより重くなる話をチラチラ耳にします。

広告クリエイターが減っている理由のひとつは、従来型の広告自体が減っているからです。その分、リスティング広告やアドテクノロジーの進化など、今までのクリエイティブが求められない広告の台頭。しかも今後、コピーもデザインもAI化が進んでいくと言われています。実際、電通がAIによるコピー生成システムを開発していますね。
参照:https://dentsu-ho.com/articles/5128

そういえばWebサイト制作の案件になると、「テキストはクライアントから支給」というケースもけっこう多い。コピーライターの出番は確実に減って来ている。業界では知っているような、すごいクリエイターでさえ食えなくなっている時代。クリエイターの端っこ中の端っこにいる僕みたいな零細コピーライターなんか、いつ食いっぱぐれてもおかしくない。クリエイターとしての死期は着々と近づいているのか。日々、戦々恐々としております。。。

生き残る人の特徴とは?

しかし、こんなクリエイターにとって逆風の時代でも、ちゃんと生き残っている人は生き残っている。そういう人たちは何がちがうのか?気づいた点が1つあります。それは、クリエイターを「職種」ではなく「スキル」として考えている、ということじゃないかと思うんです。

たとえば、コピーライター。コピーライターを「職種」として定義すると、「コピーライター=広告のなかのキャッチコピーなどの文章を書く人」になります。そう定義した時点で、「広告」自体がなくなったり減ったりした場合、食い扶持も減っていきます。

でも、コピーライターを「スキル」として定義すると話は変わってくる気がします。コピーライターのスキルは「その企業や商品の価値を明快に整理し、伝達スピードの速い明確な言葉で表現すること」「誰も気づいていなかった価値を見つけ、新しい価値発信をすること」などと言えます(だいぶざっくりと粗い定義づけです。同業の方々、すみません)。そう定義づけることで、活躍の場は広告の文脈にとらわれることなく、広がっていくのではないでしょうか。

企業の未来を指し示す経営理念やビジョンの策定、あらゆるステークホルダーに分かりやすい事業計画書作成、自社の強みの源泉を社員全員と共有する社史ストーリーの編纂。さらには上記を表現する前段に必要となる、企業の課題発見や事業の棚卸し、今の時代に合わせた商品価値の再発見など、経営者も気づいてなかった視点から問題提起できるコンサルタントとして、経営者から直接求められる人になれる。つまり広告代理店からの発注を待つだけのクリエイターではなくなり、たとえ広告がなくなったとしても食べていけるかもしれない。

「スキル」で再定義することで、人も企業も変わるかもしれない。

同じようなことはクリエイターに関わらず、他の職種でも言えそうです。たとえば「営業=すでにある商品を売る人」と「職種」で定義するより、「営業=お客さんの潜在化された悩みや要望を浮き上がらせる、コーチングスキル」「営業=お客さんのニーズに合わせて、その商品がもつ3つの価値のなかから最適なものをチョイスし、分かりやすい言葉で翻訳するコミュニケーション技術」、さらには「営業=お客さんから直接聞いたニーズを製造側にフィードバックし、商品の改良改善にも携わる、商品企画的発想も併せ持つ」など具体的な「スキル」で再定義すると、ざっくりとした「職種名」で定義したときの何倍も行動やキャリアの幅も奥行きも大きく変わっていきそうです。転職のシーンでこういう形でスキルをアピールできれば、別職種へキャリアチェンジできるかもしれない。また、企業側の視点で言えば、「他社とはちがう、自社ならではの営業のあり方とは?」という行動指針の策定にも役立ちそうです。

これまでのビジネスの枠組みが通用しなくなってきている時代。職種のあり方、捉え方もこれまで通りではなくなってきていると感じます。「Youtuber」とか、少し前だと「ハイパーメディアクリエイター」とか、これまでなかった職種名もたくさん出てきていますし(僕はさしずめ「ハイパー遅れ誤字脱字ライター」でしょうか)。それでも生き残っていくためには、職種のイメージや既成概念にとらわれることなく、自分を変えつづけないといけない。僕自身、将来年金を期待できそうにない世代の一人です。あと30年40年働きつづけ、世の中から捨てられることなく、求められつづけなければいけません。実際、ローンもたくさん残ってるし。大変な時代ですが、楽しくしがみついていきたいと思う次第です。

内田直樹
コピーライター/ディレクター

じっくりとヒアリングを繰り返し、課題発見、企画提案から取り組む「対話型モノづくり」を信条としています。クリエイターである前に、信頼できる相談相手でありたい。最近始めた野球では、長打が打てるようになりたいとバッティングセンターに通う日々です。


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