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採用コラム

「入社の動機は、『人』です。」は、心配。

内田直樹

2018新卒採用、まさに真っただ中という感じでしょうか。面接などで学生に志望動機を聞く会社さんも多いかと思います。私自身もクライアント企業の採用広報を考えるにあたって、人事のかたに「内定者や学生は、御社のどんなところに魅力を感じたと言っていますか?」と伺うことがあります。

そのときによく返って来るのが「『社員』と言われることが多いですね!」という答え。これ、一見いいことに聞こえますし、実際にいいことなのですが、これを聞くたびに「採用広報がうまくってないのかな?」とも感じています。

なぜ「入社の動機=人」だと心配なのか?本質的な話として、そもそも採用の目的は「これからの企業成長を担う人材を採ること」です。だからこそ、「企業の未来ビジョンに共感した。いっしょに実現させたい」という学生、「ビジネスの独自性に魅力を感じた。事業を成長させることで自分自身も成長したい」という学生を集めるのが、採用広報のあるべき姿です。

そうではなく「人に魅力を感じた」や「説明会で話した社員さんに惹き付けられた」という学生ばかりが集まるのは、会社のビジョンや事業の魅力がきちんと伝わっていない可能性が高い。実際、私自身の就職活動を振り返っても、事業内容をよく理解できていない会社の面接では「会った社員さんが面白くて…(しどろもどろ)」みたいな回答をしていた気がします。「入社動機は人」は、学生にとって逃げ道だったりするのです。

仮に、本当に社員に惹き付けられたのだとしても、入社後にその社員と一緒に働く可能性は低いわけですから、ミスマッチが生じ、退職につながるリスクもありえます。なので「御社の社員さんが入社動機です」という学生が多い会社さんは、「おお〜!うちの社員の人的魅力は高いんだな」と喜ぶ一方で、「ちゃんと会社が伝わっているか?採用広報が機能しているのか?」と疑ってみることも大事ではないでしょうか。

内田直樹
コピーライター/ディレクター

じっくりとヒアリングを繰り返し、課題発見、企画提案から取り組む「対話型モノづくり」を信条としています。クリエイターである前に、信頼できる相談相手でありたい。最近始めた野球では、長打が打てるようになりたいとバッティングセンターに通う日々です。


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