人事部は、経営パートナーへ。
企業の人事部、とくに採用担当者といえば人材調達をするために活動するイメージがあります。ただ今後は、求人を出し、面接をして、内定を出して、というプロセスを繰り返すのではなく、経営会議などにも食い込んでいく採用担当者が、今後企業成長のポイントになると思っています。
人間が、今まで以上に責務を担う問題。
少子化は、労働人口の減少につながります。人間の仕事をAIが代行する未来、経営判断等の重要な部分を人間が担うことになります。跡継ぎ問題。伝統工芸などは、跡継ぎがおらず、消えていく企業や技術があります。次代の経営者として今いる社員を育てるのか、新しく採用するのか。会社と社員の人生の責任を負う人ですから、簡単には決められません。今いる社員を育てるにしろ、新しく採用するにしろ、人事と経営陣に企業ビジョンの共通認識がなければ、適切な採用活動の実現は難しいのかもしれません。
採用したい人がバラバラ問題。
現場が必要と思う人材。人事が必要と思う人材。経営陣が必要と思う人材。ずれることが多いです。見ている視界や直面している課題が異なるので、ずれるのが普通だと思います。即戦力など短期的成果を求める人材採用にしろ、経営幹部など長期的育成を見据えた採用にしろ、全社の共通理解が大切です。長期的育成を見据えて採用したのに現場からは「使えない」と声が上がる。即戦力を期待して採用したのに経営陣からは「事業立案ができる人間を育てろ」と声が上がる。なんて、問題がでてしまいますから。現場と経営陣の間にいる人事が、両者をつなぐ要となれるはずです。
ビジョンと組織が噛み合わない問題。
会社が社員に期待すること、もしくは描きたい未来に、組織や評価や育成は噛み合っているかどうか。デジタル化、IT化、AI化、ロボット化など時代の変化に合わせて、経営や仕事の仕方は変わります。他にも、将来の幹部候補として採用した社員には、特別なキャリアプランが必要となることもあるでしょう。10年前と同じ組織や育成体制でいいこともあれば、そうでないこともあります。会社の目指す姿に合わせて柔軟に組織を変えていける人事が、企業成長の鍵となるのではないでしょうか。
伸びている会社の社長のとなりには、必ず優れた人事部がいる。改めて言うことではないのかもしれませんが、すでにそんな時代があたり前になっているのかもしれないですね。
田邊宏明
コピーライター/ディレクター
広告は、目立ってナンボの世界でもあります。ただ、たとえ派手さはなくても、相手のことを思いやる人間らしい誠実なスタンスこそが、人を動かすということを忘れないでいようと思います。腹の肉を追いやるため、なにか運動をはじめようかと思案中。
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