採用コンセプトは、「かっこよさ」より「使いやすさ」。


天才漫画家・手塚治虫は、人材育成でも天才的でした。
「コブラ」の寺沢武一、「BARレモン・ハート」の古谷三敏、「狼少年ケン」の月岡貞夫、「総務部総務課山口六平太」の高井研一郎。(若い人、漫画に詳しくない人はわからないですね。すみません)彼らは皆、手塚治虫のアシスタント経験者。他にも手塚プロダクション出身の漫画家やアニメーター、イラストレーターは数え切れないほどいます。
そんな手塚治虫が、新人アシスタントに入社後、最初に言ったとされる言葉はこうでした。
「早く辞めてください」
「早くアシスタントを卒業できるように成長し、自分の漫画で食べられるようになってほしい」というメッセージ。なかなか言えないセリフだと思います。普通なら「会社のために長く続けてほしい」ですよね。アシスタントはいつか独立するのが当たり前の漫画の世界と、ビジネスの世界で、事情は異なるとは思いますが。
会社と社員の関係は、WIN-WINでなければ成り立たない。マネジメントの際に「君の売上目標は〜」という会社の言葉しかもたない上司の元では、人は育たない、続かない。「会社の業績を伸ばす優秀な人材に育ってほしい」という会社側の都合。「自分のキャリアビジョンを実現したい」という社員側の都合。この2つの交差点となる言葉をもつ上司こそ、人を伸ばす上司。手塚治虫の「早く辞めてください」は、まさにそんなメッセージだったのではないでしょうか。「手塚作品に貢献できるよう早く成長してほしい」と、「早く一人前の漫画家になりたい」の交差点という意味で。
手塚治虫がそこまで考えて言ったかどうかは分かりません。でも、人間への深い洞察に富んだ作品群を読むと、ついそこまで深読みしたくなってしまいます。
普段は温厚だった手塚治虫。晩年病床から電話で、仕事の指示を待っていたベテランアシスタントに向かって激怒したそうです。
「まだ手塚プロにいたのか!自分の漫画はどうした!」
怒鳴られたのは、伴俊男。手塚治虫の死後、彼が「自分の漫画」として描いたのが「手塚治虫物語」でした。
じっくりとヒアリングを繰り返し、課題発見、企画提案から取り組む「対話型モノづくり」を信条としています。クリエイターである前に、信頼できる相談相手でありたい。最近始めた野球では、長打が打てるようになりたいとバッティングセンターに通う日々です。
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