STRUCT REPORT
採用コラム

従業員満足度調査 安易にやると不満のもと!?

辻隆斗

◎新生ジャンプ、スタートしております

ジャンプは今年度より、「働きたくなる会社を、日本中に。」をミッションとして掲げました。これにともなって自分たちのあり方を再定義し、新生ジャンプとして次のステージに向け歩きはじめました。そこでふと気づいたのが、世の中に対してお客様に対してそんなことを言うからには、自分たち自身がそれを体現していなくてはならないのでは?ということ。そこで組織運営プロジェクトを立ち上げ、メンバーみんなが働きたくなる会社づくりのために様々な小プロジェクトをスタートしております。その中の一つが、今回のテーマである従業員満足度調査です。

◎イヤイヤ回答させられる調査は・・・

アンケートに回答させられる社員の立場でちょっと考えてみてください。「ただでさえ日々の業務で忙しいのに」と反感を持つ人も少なくないですよね。ただ指示されて回答させられるだけの調査であれば、社員はイヤイヤ答えることになります。満足度調査自体が満足度を下げる要因になってしまっては笑い話にもなりません。満足度が下がることは会社への不信につながり、しまいには本音を隠したり、適当に回答したりと、調査をやる意義はどんどん失われていってしまいます。ではどうすればよいのでしょうか。回答率を上げる、本音を引き出すなど、調査を有益なものにするためにも留意すべきことを考えていきましょう。

◎満足度を知るのが目的ではない

ジャンプでは、自分たちが働きたくなる会社になるために、従業員満足度調査を実施すると前述いたしました。つまり名前とは違って、従業員の満足度を知るために調査を実施するのではないということです。では何のために調査をおこなうのでしょうか。私たちは、社員から信頼される会社になるためだと考えています。

重要なことはこの4つ。
① 目的を明示する: 何のためにやる調査なのかを、社員に明確に伝えます。
② 結果を公表する: 調査の結果がどうだったのかを、社員に公表します。
③ 対応を約束する: 結果から会社として何を考えたのか、どう対応するのかを、社員に約束します。
④ 約束を実行する: 社員に約束した対応策を実施し、次の調査にて効果を測定します。→①へ

この4つがしっかり回っていれば、社員はこの調査に対し希望を持ち、期待してくれるようになります。回り続けることによって、自分たちが大切にされている実感を持ち、会社に対する信頼が向上することでしょう。ジャンプでは、お客様の従業員満足度調査をお手伝いした事例がいくつかありますが、そのときからこの考え方は持っており、効果も実感しております。いよいよ自分たちで実践していきます。具体的には組織運営プロジェクトにて従業員満足度調査を実施し、回答結果をもとにして働きたくなる会社になるための小プロジェクトを発足させて走らせるということになります。

◎従業員満足度調査は、経営課題の発見ツール

調査項目を設計する段階では結果をある程度予測することと思いますが、実際にやってみると予想とは違う結果が得られることが多くあります。例えば経営陣、管理職層、若手層で大きく意識が違うというのは、実はよくあることです。他にも部署間、新卒入社と中途入社、都内と地方、男女、既婚と未婚など、いろいろな尺度で見てみると意識の違いが見え、そこから会社の課題も見えてきます。意識の違いが見えてきたら、該当すると思われる社員から実際に生の声を聞きに行ってみるといいでしょう。課題の核心に迫る瞬間と言えます。こんな調査結果が出たので、心当たりがあったらぜひ教えてほしい、できることはすべてやって解決したい、と言えば、きっと協力してくれることでしょう。どうしてもできないことはできないと正直に報告するのがいいと思います。
これは私見ですが、人は、問題に直面している自分に気づいてくれないことや、気づいても何も対応してくれないことに不満を持ちます。逆に、気づいて共感してくれたり、解決のために努力してくれることはうれしく思ってくれるでしょう。たとえそれが問題の解決に結びつかなかったとしてもです。

いかがでしたでしょうか。従業員満足度調査は、満足度を知るために実施するよりも、満足度を下げる要因となっている問題を発見し、それを解決するために実施する方が得るものが大きいということをお分かりいただけたでしょうか。また逆に、結果ついて公表したり対応するつもりがないのであれば、調査を実施することそのものが危険であることも、併せてお伝えできたかと思います。大きなパワーと覚悟、そして経営陣や部門責任者のコミットメントが必要となるなど、実施までのハードルは決して低くはありませんが、みなさんの会社で従業員満足度調査を検討される際にはぜひ参考にしてみてください。

辻隆斗
取締役 クライアントパートナー

前職は人事を担当。会社全体の仕組みから社員一人ひとりのケアまで、幅広い視点から会社や組織の活性化に貢献します。既存の概念にとらわれることなく、常に柔軟に考えることを心がけています。趣味は料理。食べるのも作るのも大好き!


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