STRUCT REPORT
採用コラム

人は本当に「変われない」のか?

林田宏基

「人は変われない。」

そのような主張を見聞きすること、多いですよね。

三つ子の魂百まで、とはよく言ったもの。まさに人生100年時代の到来を予見していたかのような故事と言えます。

でも、本当に人は変われない生き物なのでしょうか?

ほんとはどっち?
さっそく専門家の見解を伺ってみましょう。

「性格や人格などは、生まれ持った先天的なものがベースにあり、そこに幼少期における環境や体験などが作用して形成されるものなので、成人後は基本的に変わることはありません。」

あらら、いきなり結論が出てしまいましたね。

「しかし、厳密に言えば日々刻々と変わっているとも言えます。」

一体どっちなんですか? 笑

絵にして考えてみよう。
これ、図形に例えると分かり易くなります。

例えば、Aさんの生まれ持った性格が三角形だとすると、それ自体は四角形にはならない。
ここでのポイントは「それ自体は」という条件。下記の図を見てみてください。何となくイメージが掴めるでしょうか?

三角四角

元の三角形自体は変わっていませんが、領域が拡がることによって四角形になっています。

三角形で表現した「本来の性格」は、ほとんどが乳幼児期に形成されてしまうため、それ以降の若干の変化の可能性は否定できないものの、大きな変化は望めないと言います。(人生を激変させるような事件や事故に遭遇してしまった場合などには例外もありますが、今回の主旨から外れるので割愛します)

この、生まれ持った三角形が四角形に発達する領域の拡がりをつくるのが、大人になってからでも積み重ねることができる日々の学びと経験、ということなんですね。

変われるかどうかじゃない、拡げるんだ。
「人は基本的に変わらない。」

誤解を恐れずにそのように位置付けてしまえば、自分自身のキャリア展望も、人間関係も、もしかしたら少し気が楽になるかもしれません。

自分を無理に変えようとしなくていい。相手を無理に変えようとしなくていい。

でも、諦めたくはないですよね。

ならば、ちょっと自分を拡げられるような経験に一歩を踏み出してみよう。ちょっと相手が拡がるような働き掛けをしてみよう。

どうですか?これならちょっとやってみたくなりませんか?
採用の場面でも、育成の場面でも、こんな考え方をしてみると、これまでとちょっと違った見方、聴き方、接し方ができそうな気がします。

人は一生をかけて心身を発達させていくもの。何歳になっても発達することができる生き物です。自分にも、相手にも、そこは期待し続けてあげたいものですね。

ところでジャンプでは毎年、全員で「相互フィードバック」なるものをおこなっています。今年も7月のジャンプSUMMIT(年1回の1日全社会議)で実施しました。
入念な準備とシステムを要する360度サーベイと異なり、アナログかつ記名式で、全員が相互に 「ここが良かったね!」 「こうなるともっといいね!」 を、配慮はしつつ遠慮はせずにストレートにフィードバックし合います。

これ、自分のことも、相手のことも、どこがどう拡がったか、これからどう拡げていけそうか、という自己認識と相互理解を促進する大切な場になっています。(この「拡がる」という解釈は、まさに今回のSUMMITの中で気付かせてもらったものなんです。)

誰かと何かをするのであれば、自己認識と相互理解は不可欠。
皆さんの会社でも、部署単位でもチーム単位でも、ぜひこんな取り組みをしてみてはいかがでしょうか。

林田宏基
クライアントパートナー

「何が目的か、何が手段か」に拘ります。顧客以上に顧客好き、はもう治りません。論理派気取りで情緒的、寂しがりやの一人旅、早起き苦手な山登り、真面目な顔してヘヴィメタル、強くもないのにお酒好き。典型的な天邪鬼ですが、実は褒められて伸びるタイプです笑


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