STRUCT REPORT
採用コラム

「ダイバーシティを推進します!」の違和感。

花島克彰

最初に言っておくと、ダイバーシティのそれ自体を否定するつもりはありません。むしろ推進派です。ダイバーシティ(Diversity)とは、直訳すると「多様性」と言われます。さらに、最近では「Diversity & Inclusion」、すなわち「多様性の受容」という言葉もよく聞きますね。

組織や人事について話をしていると、いろんなところで耳にします。「うちもダイバーシティについて、取組みを始めました!」すごくなんかこう聞こえの良い言葉で、明るい感じがしていいですよね。内容について聞くと、外国人の活用や女性管理職の比率を上げる等が多いですね。

そして、違和感。

その前に、今の組織はどんな状態ですか?

●人が二人以上いれば、そこには違いがあり、既に多様性のある状態

ダイバーシティの取組みは、大袈裟な話ではなく、組織を運営する上で当たり前のことをしようという話だと私は思っています。ダイバーシティについて、多くの組織が「今の自分」ではなく、「自分ではない誰か」のために取り組んでいるように感じます。ダイバーシティ推進室なるものが作られることにも、わざわざ対象を限定しているようで違和感があります。人が二人以上いれば、そこには違いが存在します。自分の思考や価値観、性格、経験等、全く同じ人はいないわけですから、違いがあって当然です。違いがあるということは、既にそこは多様性のある状態なのではないかと思うのです。そう考えると、今も昔も多様性のある状態に全ての人が置かれているということになります。

大事なことは、自分もその多様性のある状態に存在する一員であることを認識し、違いを活かすことではないでしょうか。

例えば、管理職の方々は、部下との違いを認識していますか?違いを埋める努力をしていますか?
部下の方々も、上司の考え方を自ら取りにいっていますか?違いを認め、擦り合わせる努力をしていますか?
違いを認識するために、職場は誰もが自分の意見を主張しやすい安全・安心を感じる場になっていますか?

国籍や性別に限らず、自分と他者の違いを認め、違いを活かすために互いが行動を起こす。そうした当たり前のことが、仕組みや組織を整備するよりもよっぽど大事なことだと思うのです。

花島克彰
クライアントパートナー

大切にしていることは、その組織や人が見てきたものと同じ景色を見ること。その上で今後の仕組みを作ること。仕組みとはいえ、人間っぽさを捨てないこと。サッカー大好き。企業内でサッカー的組織創りに挑戦したいです。興味のある方はご一緒に!


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