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【マンスリー採用ウォッチ12月】Z世代とゆとり世代の就活生の違いは?企業は採用・育成にどう向き合うべきか

採用ウォッチ12月

ショートセミナー「マンスリー採用ウォッチ」は、採用活動におけるポイントを30分で解説するオンラインセミナーです。毎月公開される最新市場データを、弊社代表取締役YouTuberの増渕が読み解きます。

今月は、「Z世代とゆとり世代の就活生の違いは?企業は採用・育成にどう向き合うべきか」を中心に解説します。今後の採用活動だけでなく、採用後の活躍・定着を考える上でも重要かつ貴重なデータをご紹介します。
引き続き、できる限りリアルタイムに近い「旬」のデータをお届けしておりますので、是非ご視聴ください。本記事では、セミナー内容をまとめています。

●就活生の価値観や企業選びの基準は、どう変化したかーPart.1

まずは、リクルートマネジメントソリューションズさんによる「2026年度新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」をご紹介します。この調査では、約10年前の学生と今の学生を比較し、価値観や企業選びの基準がどう変化したかを紐解いており、非常に注目すべき結果が出ています。主なポイントは以下の通りです。

①仕事に求める価値観の変化:安心感のある環境を重視しつつも、「チャレンジ」「競争」などアグレッシブさを求める回答も高く、二面性のある価値観が浮き彫りに。

②企業選びの基準が変化:自分が働くイメージを持てるかどうかが決め手になり、「社員や社風」は応募段階のスクリーニング要素に変化

①仕事に求める価値観の変化について、下のグラフをご覧ください。

出典:2026年度新卒採用 大学生の就職活動に関する調査(リクルートマネジメントソリューションズ)

仕事に対する価値観(仕事に求めること)について、学生の安定志向が過去10年で最も高い数値になっていますが、この点については他のデータ等でも同様の結果が出ており、みなさんも実感されているかと思います。

一方で、「チャレンジ」「理想」「競争」といったアグレッシブな要素の回答率が高まってきていることも注目すべきポイントです。特に、「競争」については17卒の11.6%に比べると、26卒は14.2%と大きく上昇しており、意外な結果に感じられた方も多いと思います。各用語の定義は、調査資料のPDFに記載がありますが、「競争=競争に勝つ、注目を浴びる、誰にも負けたくない、No.1になる、話題になる」と定義されています。

安定志向も高いことを鑑みると、安定した職場環境という「土台」のもとに、「チャレンジ」や「競争」をし、「理想」を追求したいという気持ちがある学生が多いと受け取れるのではないでしょうか。そのため、入社後のオンボーディングや社風は、このような学生のポテンシャルを発揮する手がかりになると思います。

出典:2026年度新卒採用 大学生の就職活動に関する調査(リクルートマネジメントソリューションズ)

次に、学生が企業に応募するきっかけの変遷を見ると、「知人からの薦め」「斡旋会社やリクルーターからの紹介」「先輩社員からの紹介」が上昇しています。
学生の厳選応募傾向については過去の採用ウォッチでも言及していますが、やはり応募段階で自身に合うかどうかのフィルターをかける判断軸として、信頼できる相手からの薦めや紹介が影響していると言えそうです。

②企業選びの基準に関して、「承諾の最終的な決め手」についてのグラフをご覧ください。

出典:2026年度新卒採用 大学生の就職活動に関する調査(リクルートマネジメントソリューションズ)

内々定承諾の最終的な決め手が「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が1位ですが、昨年まで2位だった「社員や社風が魅力的」という回答が5位に大きくダウンしています。「社員や社風が魅力的である」ということは重要ではあることに変わりはないものの、「最終的な決め手」にはなりにくくなっている点が注目すべきポイントです。

「社員や社風が魅力的」であっても、入社後の配属先によって社員・職場の雰囲気は変わるため「不確定要素」が大きい点であることは確かです。一方で、順位を上げている「企業規模が大きい」「労働時間や勤務スタイルに魅力がある」「入社後のキャリアが具体的にイメージできる」は、確定要素が大きくかつ自身との関わりが直接的であるものが決め手となる傾向が伺えます。

今までは、応募獲得以降に徐々に惹きつけをする中で「社風や社員の魅力」で口説くという勝ちパターンがあったかと思います。最近の傾向としては「社風が合いそう・合わなそう」は応募段階でフィルターをかけ、最終的には不確定要素が少ないものを決め手とする志向の変化は、今後の採用コミュニケーション設計を考える上でも把握しておきたいポイントになります。

◎YouTube「マンスリー採用ウォッチ12月」では、同調査(リクルートマネジメントソリューションズ:2026年度新卒採用 大学生の就職活動に関する調査)より、「働く上で重視したい社風」、「就活中に学生が知りたかった情報」なども紹介しています。ぜひ動画も併せてご覧ください。

●就活生の価値観や企業選びの基準は、どう変化したかーPart.2

リンクアンドモチベーションさんも、ゆとり世代(2013年~2018年入社)とZ世代(2019年~2024年入社)就職活動の変化に関する調査を発表しているため、併せてご紹介したいと思います。
この調査はL&Mグループが提供する適性検査(BRIDGE)を受験した学生を対象として分析しているため、客観性が担保されており、採用育成の点でも有用かと思います。

調査では、ポータブルスキル(業界や職種の枠を超えて通用する社会人基礎力)を対人力・対課題力・対自分力の3分類24項目に整理した結果と、モチベーションタイプ(働く上での志向性や欲求の特性)を行動タイプ・仕事タイプ・組織タイプに分けて整理し診断した結果を発表しています。
調査サマリによると、Z世代は、挑戦や競争を避けているのではなく、行動に移す前の納得感と整合性を求めており、背景や意義を理解した上で行動する傾向があるとの考察結果が出ています。
この傾向は、前述したリクルートマネジメントソリューションズさんの調査結果(安定した職場環境という「土台」のもとに、「チャレンジ」や「競争」をし、「理想」を追求したい)とも通じるものがあると思います。

このようなZ世代の傾向は採用・育成・現場・経営間でも共有いただき、「今後どのような採用をするべきか?」「入社後の定着や活躍につなげるには、どうしたらよいか?」といった議論をする際にも価値ある参考材料になりますので、下の図や調査資料(PDF版)もぜひご覧ください。

出典:新卒就職活動生の傾向に関する調査結果(株式会社リンクアンドモチベーション)

詳しい調査結果については、以下よりご確認ください。
https://www.lmi.ne.jp/research/finding/detail.php?id=46

【関連動画】
採用こっそり相談室の新企画「5分でわかる採用ノウハウ!」では、パーソル総研さんによる「新卒就活の変化に関する定量調査」をご紹介しています。この5年間での就活生の意識・行動変化に対して、企業はどう対応すべきなのかを解説していますので、併せてご覧ください。
就活生は5年前と比べてどう変わった?ファクトをもとに増渕が5分で解説

●2027卒:最新の内々定率は?

学情さんの調査によると、11月下旬時点で2027卒の内々定率は29.3%でした。前年同時期の調査では16.9%だったことから、昨年よりも内定出しが早くなっていることが伺えます。一方で、就職活動の継続率は83.5%で昨年同時期とあまり変わりなく、早期に内定を獲得した学生も引き続き、就職活動を続けていることがわかります。

10月の採用ウォッチでは、2026年卒の就活において3月以降にエントリー社数が増加している傾向をお伝えしました。同様の傾向が2027卒にも表れる予兆を示しているとも考えられます。

出典:2027年卒 内々定率調査2025年12月度(Re就活キャンパス)

【関連記事】マンスリー採用ウォッチ10月
新卒採用の早期化に「歯止め」がかかった?複数のデータをもとに注目ポイントを解説!

●2027卒:就職活動状況や意識変化は?

キャリタス就活さんによる11月後半時点の就職活動意識調査について、いくつかポイントをご紹介します。

◎就職戦線の見方:全体的には「厳しくなる」という見方が7割を超えているものの、「やや楽になる」という回答が昨年よりも3ptほど増えており、楽観傾向も伺える。

◎志望業界:「明確に決まっている」と「なんとなく決まっている」を合わせると8割を超え、昨年よりもやや多い数値。

◎業界研究に役立つツール:業界研究イベントが最も多かったが(42.2%)、YouTubeやSNSは昨年に比べて大きくポイントが伸びている。

◎就職活動の開始時期:昨年同様「3年生の4月」が最多だが、昨年30.8%に対して今年は36.4%に伸び、より集中していることがわかる。

◎インターンシップの参加状況:全体では、「1日以内のプログラム」に参加した経験のある学生が87.1%で最も多いが、「5日間程度のプログラム」に参加した経験のある学生は、前年26.7%に対して今年は39.5%と大きく伸びている。

出典:11月後半時点の就職意識調査(キャリタス就活 学生モニター2027調査結果)

インターンシップの参加傾向については、11月の採用ウォッチで「5日~1週間程度のプログラムへの参加率が年々増加している」というマイナビさんのデータをご紹介しました。やはり、まとまった日数で参加できる夏のインターンシップに参加する学生が増えている傾向は明らかと言えそうです。

【関連記事】マンスリー採用ウォッチ11月
サマーインターンシップの参加傾向に劇的な変化!27卒採用の中間総括と26卒採用の総括データをわかりやすく解説!

◎YouTube「マンスリー採用ウォッチ12月」では、TalentXさんによる「採用活動の経営戦略の連動に関する実態調査」もご紹介しています。

以上、今月のマーケットデータでした。今後の採用活動だけでなく、採用後の定着・活躍に向けた現場・経営陣との情報共有という点でもお役立ていただけましたら幸いです。
動画は、以下よりご覧いただけます。来月以降のご視聴もお待ちしております!

採用ウォッチ12月

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