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【マンスリー採用ウォッチ11月】サマーインターンシップの参加傾向に劇的な変化!27卒採用の中間総括と26卒採用の総括データをわかりやすく解説!

採用ウォッチ11月

ショートセミナー「マンスリー採用ウォッチ」は、採用活動におけるポイントを30分で解説するオンラインセミナーです。毎月公開される最新市場データを、弊社代表取締役YouTuberの増渕が読み解きます。

今月は、「27卒採用の中間総括と26卒採用の総括データをわかりやすく解説!」を中心に、最新データをもとに解説します。
引き続き、できる限りリアルタイムに近い「旬」のデータをお届けし、みなさまからの質問にも「その場で」お答えしておりますので、是非ご視聴ください。本記事では、セミナー内容をまとめています。

●27卒就活の中間総括①:インターンシップの参加傾向

毎年この時期は、就活の総括的なデータが出そろいますので、マイナビさんによる2027卒の中間総括データをご紹介します。
まず、強調してお伝えしたいデータの一つとして、「これまでに参加したことのあるインターンシップ・仕事体験の参加期間」をご覧ください。

出典: マイナビ2027卒大学生キャリア意向調査(中間総括)<インターンシップ・キャリア形成活動>

27卒学生で最も多い参加期間は1日や半日ですが、24卒以降、「半日」の参加割合が顕著に減少しています。逆に、24卒学生から増加し続けているのが、「5日~1週間程度」のプログラムです。
参加した開催形式では、「WEBのみ・対面なし」が5.7%で24年卒より26.5pt減少、「対面のみ・WEBなし」が24.6%で前年から3.6pt増加、24年卒と比較をすると16.4pt増加しました。

この2つの傾向から、学生のニーズとしては、「対面形式で、じっくりと参加できるプログラム」への希望が増えていることがわかります。
一方で、WEBのみで実施される短時間のインターンシッププログラムは、年々参加傾向が低くなっています。このような傾向は採用担当のみなさまも実感されていると思いますが、データで見ると想像以上に顕著に表れていますので、今後のインターンシップ企画の参考にしていただければと思います。

また、同調査の「インターンシップ・仕事体験の応募や申し込みで重視したこと」という設問に対して、最も多い回答は「興味のある業界・職種である」が90.2%ですが、次に多いのが、「授業・研究・試験などと日程が重複しない」(53.3%)でした。
学業との両立を重視する学生が増えている点は、最近の傾向でもあります。そのため、夏休み以外の期間で学生と接するときは、スケジュールを調整しやすいものにするという重要度は以前よりも高まっています。

下記のデータでは、授業がある期間中(10月~12月)は、「半日・1日」のプログラムへのニーズが高いことがわかります。【図2】の通り、「5日~1週間程度のプログラム」に参加できる夏のインターンシップは、明らかに対面回帰の傾向にあり参加率も上がっていますが、秋冬のインターンシップでは、学業と両立しやすいショートプログラムが人気である点は、あらためて意識しておきたいポイントです。

出典: マイナビ2027卒大学生キャリア意向調査(中間総括)<インターンシップ・キャリア形成活動>

また、これまでに参加したことのあるインターンシップ・仕事体験のプログラム内容については、「架空の課題や問題解決に挑むグループディスカッション・グループワーク」(38.2%)でした。

出典: マイナビ2027卒大学生キャリア意向調査(中間総括)<インターンシップ・キャリア形成活動>

関連して、「最も印象に残ったプログラム内容」という設問でも、「架空の課題や問題解決に挑むグループディスカッション・グループワーク」(27.8%)が最も多い回答でした。

このようなプログラムを取り入れている企業様も多いと思いますが、やはり、「インターンシッププログラムとして実現しやすく、印象にも残りやすい」と前向きに考えてよいのではないでしょうか。


●27卒就活の中間総括②:就職活動の軸

「就活における軸は何ですか?」「企業選びの軸は何ですか?」など、就活や採用において「軸」という言葉は、一般的によく使われています。この「軸」に関する調査も興味深い結果になっています。

出典: マイナビ2027卒大学生キャリア意向調査(中間総括)<インターンシップ・キャリア形成活動>

就職活動において、「はっきりとした軸がある」や「なんとなくい意識している軸がある」と回答した学生は、71.0%でした。また、就活の軸を「持たなければならない」と感じたことのある学生は、「よくある」と「たまにある」を合わせると88.0%でした。一方で、「軸がないとやる気がないと見なされてしまうから」、「面接やインターンで必ず聞かれるから」という自由回答も見られました。
就職活動の早期化が進む中で、軸が定まらないまま活動を続けている学生も多いのではないでしょうか。
そのため、選考の早い時期から「軸の有無」や「軸に基づく論理的な意思決定」を求めるのは、学生にとっては負担になる可能性もあると考えらえます。


●26卒就活のキャリア意向調査①:入社したらやってみたい仕事

ここからは、26卒学生のキャリア意向調査に関するデータをご紹介します。
まずは、「入社したらやってみたい仕事」についてご覧ください。

出典: マイナビ2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>

25卒学生(水色)と26卒学生(青)を経年比較で見ると、「人の役に立てる仕事がしたい」や「自分の成果を認めてもらいたい」という割合が減り、「職場環境の良いところで働きたい」や「自分が何かを達成したと感じられる仕事がしたい」が増えています。
同調査による、「仕事のやりがいとは何か」についても、「誰かの役に立つこと」が減り、「仕事を楽しむこと」や「自分自身を成長させること」という回答が増えています。
「周りの役に立ちたい」という他者への効力感や貢献感よりも、「自分自身が納得したい、満足したい」と、自分自身にベクトルが向く学生が増えている可能性があり、企業にとっては悩ましい傾向かもしれません。


●26卒就活のキャリア意向調査②:入社何年目までに活躍したい?

入社1~2年目までに活躍したいと回答する学生は減少傾向にあり、入社4~5年目までに活躍したいと回答する学生が増えていることもわかりました。
学生への訴求ポイントにも関わるかと思いますが、「入社後すぐに即戦力として働きたい!」という学生の出現率は、今後減っていくかもしれません。しかし、だからと言って、全ての学生に「じっくり成長できる」と訴求する必要はなく、あくまで自社が求める人物像に目がけてメッセージを届けることが重要です。

訴求するメッセージを変える必要はないですが、出現率に変化があることは意識しておくべきポイントとなります。学生の全体傾向としては、「じっくり成長したい」というニーズが増えてきている可能性はあるため、入社後の教育研修部門との連携も重要になると思います。

出典: マイナビ2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>


●26卒就活のキャリア意向調査③:就活の「軸」となったフレーズは?

先ほどご紹介した27卒学生の「就活の軸」とも関連しますが、25卒学生と26卒学生の比較をご紹介します。
前年と比較して増加したものには「自分らしさ」や「やりがい」があり、減少したものの中では、「人の役に立つ」が顕著です。このデータからも、自分自身にベクトルが向く傾向が読み取れるのではないでしょうか。

文理男女別に見ると、理系男女ともに「人の役に立つ」が1位でした。自身の専門性を活かして誰かの役に立つことを軸としている学生が多いのかもしれません。この点も注目すべきポイントです。

出典: マイナビ2026年卒 大学生キャリア意向調査9月<就職活動・進路決定>

●26卒採用に関する企業側の調査データ①:採用充足率の推移

続いて、マイナビさんによる1810社を対象とした企業向けの調査データをご紹介します。
まずは採用充足率ですが、26年卒は69.7%で4年連続の減少かつ過去最低の数値となりました。業種別に見ると、金融は相対的に高い採用充足率で、小売が厳しいという傾向です。

採用活動が「前年より厳しかった」と感じる企業は41.3%で2年連続減少しています。一方で、「前年並みに厳しかった」と感じる企業は47.3%で3年連続の増加であることから、採用活動に対して厳しい印象を持つ企業が多いことが伺えます。

出典: マイナビ2026年卒 企業新卒内定状況調査

●26卒採用に関する企業側の調査データ②:採用活動の終了時期

採用活動の終了時期について、「11月以降に終了予定」と回答する企業が年々増えています。
先月の採用ウォッチ10月でも取り上げましたが、学生側の動きとして4月以降のエントリーが増えたという傾向がありました。就職活動の早期化や厳選応募傾向が進み過ぎた結果、内定獲得後も「このままでいいのか?」という不安から、春以降も就職活動を続ける学生が増え、早期化に一定の歯止めがかかった可能性が考えられます。
このような学生の傾向に企業側の動きも相関し、後半も引き続き採用活動を継続する企業が増えつつあるようです。

出典: マイナビ2026年卒 企業新卒内定状況調査

とは言え、活動の開始時期が遅くなることは考えにくく、活動終了時期が遅くなることから、「早期化に一定の歯止めがかかったが、長期化は加速している」と考えるとよいと思います。

キャリタス就活さんによる2026年卒採用内定動向調査(2025年10月調査)においても、「26卒採用を終了していない」と回答した企業は57.9%でした。そのうち、「当初の予定通りに進行している」と回答した企業は40.3%で年々増加しています。この結果からも、元から長期戦を想定している企業が増えていることが伺えます。

出典:2026年卒採用内定動向調査/2027年卒採用計画(株式会社キャリタス)

◎YouTube「マンスリー採用ウォッチ11月」では、同調査(マイナビ2026年卒 企業新卒内定状況調査)による「採用難度の要因・振り返りポイント」「選考辞退・内定辞退の対策」についてもご紹介しています。各社の工夫も参考になるかと思いますので、動画も併せてご覧ください。


●27卒採用に関する企業側の調査データ①:採用予定数と採用スケジュール

27年卒の採用予定数について、「増やす」と回答した企業が昨年比で4pt減少し、「今年度並み」は前年比1.9pt増加、「減らす」は0.9 pt増加でした。
企業側の採用意欲はあるものの、年々増やし続けるという傾向にはなくなってきているようです。
27年卒の採用活動については、「厳しくなる(+非常に)」が減少し(74.9%)、「今年度並み」がと回答する企業が増えています(24.3%)。

出典: マイナビ2026年卒 企業新卒内定状況調査

また、27卒の採用スケジュールについては、「26年卒と同じくらい」が65.4%と最多で、前年より増加。「26卒より早める」は33.1%で減少しているという結果でした。こちらも、早期化への一定の歯止めを裏付けるデータといえそうです。


●27卒採用に関する企業側の調査データ②:就職ファストパスの導入

内定や入社を辞退した学生に対し、将来その学生が中途採用の選考などを受ける際に選考を一部免除する「就職ファストパス」「選考ファストパス」を導入・検討している企業が増えている点も、注目したいポイントです。特に上場企業では「実施している」の割合が9.8%と1割近くとなり、前年より大幅に増加しています。

選考で接した多くの学生の中から、自社にマッチした人材を中途採用人材の候補としてプールできる「タレントプール採用」の一つですが、コストがかからずにチャンスが生まれ、リスクもほぼなくメリットが大きい施策のため、導入する価値は非常に高いと思います。

出典: マイナビ2026年卒 企業新卒内定状況調査

◎YouTube「マンスリー採用ウォッチ11月」では、同調査より「AIによる業務代替・効率化による新卒採用数への影響」についてもご紹介していますので、動画も併せてご覧ください。


●27卒採用に関する企業側の調査データ③:面接開始および内定出しの時期

ここからは、キャリタスさんによる2026年卒採用内定動向調査/2027年卒採用計画より、27卒採用のスケジュールに関するデータをご紹介します。
面接開始時期について、26卒採用では「3月開始」が最多でしたが、27卒採用では「12月開始」が最多となり、大幅に早まると想定されます。

出典:2026年卒採用内定動向調査/2027年卒採用計画(株式会社キャリタス)

内定出しの時期についても、みなさん他社の動向が気になるかと思います。
26卒採用の実績では、3月からの内定出しが最多ですが、27卒採用では「12月から」を予定する企業が最も多くなっています。学生との「早期接触」という点では早期化に一定の歯止めがかかっていますが、早期内定出しという点では、加速しているようです。
ただ、このような早期内定出しの傾向が、3月以降に再度エントリーをするという後半戦のマーケットの活発化につながる可能性は大いにあると思います。

出典:2026年卒採用内定動向調査/2027年卒採用計画(株式会社キャリタス)

◎YouTube「マンスリー採用ウォッチ11月」では、同調査より「2027卒採用で注力したいこと」、「インターンシップ夏期プログラムの満足度」などもご紹介していますので、27卒採用の企業傾向把握として、ぜひ動画もご覧ください。


●その他の注目データ①:AIが新卒採用に与える影響は?

生成AIの活躍推進が新卒採用に与える影響について、株式会社アカリクさんの調査データをご紹介します。
この調査では、人事・採用担当者の約9割が、採用戦略を見直し、55.4%が採用人数を削減するとの結果が発表され、驚いた方も多いのではないでしょうか。
今後長期的に見た時には、この動きが活発になる可能性は大いにありますが、本調査対象が理系院生の積極採用をする企業からの回答が多い点も影響していると考えられます。

そのため、個人的な見解としては、理系採用やエンジニア採用のマーケットにおいては、中途採用でもすでに求人数の減少が見られるように、新卒採用でも同様の影響があると思います。ただ、全業種で見た場合には直近で大きな変化はなく、5~10年後には全業種に影響が出るのではないかと予測しています。

出典: AI×新卒採用要件変化調査(株式会社アカリク)

◎YouTube「マンスリー採用ウォッチ11月」では、AERAさんの掲載記事「内々定でも福利厚生が使える企業急増中」や、タナベコンサルティングさんによる、業績状況による「注力するHR戦略領域」という調査結果をご紹介しています。併せてご覧ください。

以上、今月のマーケットデータでした。採用活動に少しでもお役立ていただけましたら幸いです。
動画は、以下よりご覧いただけます。来月以降のご視聴もお待ちしております!

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