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採用コラム

【直前確認!】マイナンバー管理の一期生である、2016年新卒社員を迎えるために。

田邊宏明

4月には、フレッシュな新卒社員が入社することに、ワクワクしている方も多いかと思います。
さて、新入社員を迎える準備は、万全でしょうか。
2016年度からはじまるマイナンバー制度。
各企業が新入社員を迎えるために対策を講じている真っ最中だと思いますが、今回は簡単にQ&A方式でまとめてみました。

Q.入社するまでマイナンバーの収集は待たないといけない?

実は、そんなことはないんです。
状況や立場は各社異なると思いますので、一律に取り扱えませんが、就職内定者からマイナンバー収集は可能です。
ただし、雇用が確実だと予想される内定者に限定したほうがよいです。
たとえば、内定承諾書等を既に提出している方などです。
不要に個人情報を集めてしまっては、あとあと管理が大変ですから。

なお、マイナンバー収集の際には、「利用目的の通知」となりすましを防ぐために「本人確認」を徹底しましょう。
扶養家族がいる場合は、社会保険料等の関わりからその家族のマイナンバーも収集する必要がでてきます。
ただ、新卒社員には少ないと思われますのでアタマの片隅ぐらいに残しておくとよいかもしれません。

Q.マイナンバーを収集したのに、内定辞退・内定取り消しとなったら?

残念ながら、そういう辞退も起こりうるかもしれません。
内定辞退などになった場合は、基本的には破棄または削除する必要があります。
もちろん、そのへんのゴミ箱にポイっと捨ててはいけません。
情報漏えいしてしまった場合、最高で「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」という、すんごい重たい罰則が待ち受けています。
罰があるからというわけではありませんが、シュレッダー等で適切に処理してください。

また、マイナンバーが記載された書類は、法によって定められた期間を厳重に保管する必要があります。
期間が過ぎたとしても、企業によっては、訴訟問題対策として個人情報を破棄したくないという場合もあると思います。
その場合、マイナンバー部分を削除するなどして「特定個人情報」から「個人情報」にすることにより、保管を維持することは可能なようです。

●マイナンバーに関する書類と保存期間●
【属する年の翌年1月11日から7年間】
・給与所得者の扶養控除申告書
・給与所得者の配偶者特別控除申告書
・源泉徴収簿

【退職日から4年間】
・雇用保険資格取得確認通知書
・雇用保険被保険者離職証明書

【退職日から3年間】
・労災保険に関する書類
・退職日等から2年間
・健康保険・厚生年金保険 資格取得確認通知書
・健康保険・厚生年金保険 資格喪失確認通知書

Q.研修期間(試用期間)は契約社員だけど、収集する必要はある?

あります。
正社員だけでなく、契約社員も、嘱託社員も、短期アルバイトでも、パートでも、それこそいきなり役員待遇の新人でも、マイナンバーの取得は必要になります。
また、外国籍の方でも、マイナンバーは発行されるので取得が必要になります。
基本的には、自社雇用する全従業員は、必要があると考えたほうがいいでしょう。
派遣社員は、派遣元が管理をおこなうので、収集する必要はありません。

余談ですが、数千人規模のアルバイトやパートを自社雇用していると、入退職のマイナンバー管理の業務が大変になってくるため、派遣社員に切り替える企業が増えてくるのでは、なんて話もでてきています。

Q.マイナンバーの収集を拒否されてしまったら?

「預金額までバレる個人情報を渡すのは、企業とはいえ不安だ」という新人の方もいるかもしれません。
結論からいえば、マイナンバー情報を提供しなくても、2016年2月現在では従業員への罰則はありません。
就労規則などで罰則を定めている場合は別ですが…。

ただし、事業主はマイナンバーを届け出ることが義務付けられています。
そのため、マイナンバー収集の必要性やセキュリティーの安全性を十分に説明して、不安感を解消するという手段しかないようです。

内閣官房は「社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください」と言っていて、厚生労働省では「個人番号の記載は法令に基づく事業主の義務であり、このことを従業員にも説明の上、取得をお願いします。その上で、従業員から提供を受けることが困難な場合は、個人番号の記載がない届出書を受理します。」と言っています。

国税庁では「個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください」と言っています。

いずれにせよ、会社側としては「義務を放棄したわけではなく、ちゃんと説明したけど協力を得られませんでした」という経過を記録として残しつつ、安心してもらえる管理体制の構築と地道な説明を続けて、納得してもらうことに注力したほうがよいでしょう。

田邊宏明
コピーライター/ディレクター

広告は、目立ってナンボの世界でもあります。ただ、たとえ派手さはなくても、相手のことを思いやる人間らしい誠実なスタンスこそが、人を動かすということを忘れないでいようと思います。腹の肉を追いやるため、なにか運動をはじめようかと思案中。


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