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ブランディング

採用広報ツールをつくり変えるタイミングって?

田邊宏明

パンフレット、WEBサイト、ポスター、ノベルティ、ムービーなど、採用広報ツールはたくさんあります。たまに「他の会社さんって、どのくらいの期間でつくり変えているんですか?」と聞かれることがあるので、あくまで感覚値としてですが、ちょっと書いてみようと思います。

「3年に1度つくり変えるね」
新卒向け採用ツールに限っていえば1〜3年に1度のつくり変えが主流になっている印象があり、なかでも実感値としては企業規模に関わらず3年に1度が多い気がします。「3年で情報が古くなるから」「3年使わないとコストパフォーマンスに見合わないから」「社内の取り決めだから」「飽きたから」など理由はさまざまです。

「社内事情でつくり変えるよ」
採用担当者が変わった、会社が新しい事業をはじめた、組織体制が変わった、採用方針が変わった、社内で制作していたが限界を感じた、採用広報ツールに掲載している社員が退職して使えなくなったなど、何年周期というよりも、その事情に合わせて採用広報ツールを一新するという企業もたくさんある気がします。

「ウチは、つくり変えないよ」
「採用が上手くいってるから」「普遍的な情報(採用方針や募集要項など)しか載せていないから」という理由もあれば、予算的な都合という理由もあります。新卒向けというより、中途向け採用ツールはつくり変える周期が遅いですね。特にIndeedが登場してからは、つくり変えるというよりSEO運用のニーズが高まっています。

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会社に大きな変化がなければ、つくり変える必要もない?
いざつくり変えるとなると、安くないお金がかかることが多いです。効果が出ないなどのわかりやすい理由がなければ、つくり変えたくないと考える方は少なくないはず。もちろん絶対に変えたほうがいいとも断言できませんが、それでも何年かに1度は見直したほうがよいと思います。

■時代にあった最適なツールに合わせたほうがいいから。
パソコンが普及するまでは紙媒体、普及してからはウェブ、ウェブ閲覧でも今はスマートフォン。今後どのようなガジェットが登場するかわかりませんが、求職者や学生がよく利用するものに合わせるだけでも、反応は変わります。すこし話がズレますが、世の中が注目する新しいサービスを採用活動に活用する企業があります。ちょっと前は、TwitterやFacebook。今はInstagram。これからはAIサービスが活発になるでしょう。その取り組みが成功するかどうかは別にして、新しいものを取り込んでいく企業姿勢自体に好感を持つ新卒学生はいます。

■流行を取り入れた採用広報ツールほど、古くなる速度が早いから。
ちょっと昔のファションを見ると時代を感じるように、時代の流行に乗ったデザインやコピーをそのままにしておくと、古さを感じることがあります。極端な話をします。今年流行語大賞にノミネートされそうな「●●、半端ないって!」。たとえば●●に企業名を入れた採用メッセージは、今年もすでに古さを感じさせますし、来年も同じでは厳しいでしょう。流行を取り入れる手法は注目を集める有効な一手ですが、取り扱い次第では「時代遅れ」の烙印を押される諸刃の剣でもあります。

■情報が、採用ターゲットに合わなくなるから。
ベストは、今必要な採用ターゲットに魅力を感じてもらえる情報提供ができていることです。時代が変われば、採用ターゲットの考え方や価値観は変わります。また、企業ステージが変われば、必要人材も変わります。たとえば飲食業で店舗拡大フェーズであれば、1を100にするのが得意な人材が必要になってくるかもしれません。第二創業期など変革時期であれば、0から1を創造できる人材が必要かもしれません。企業成長していくために、どのような人材が必要なのか、その必要とする人材に適した採用広報になっているか。中長期経営計画という観点から各種採用広報ツールを見たときにズレを感じたら。それは見直しをかけていくひとつの「タイミング」であり、人材採用から企業成長に大きな貢献ができるチャンスになりえるのではないか、と思っています。

田邊宏明
コピーライター/ディレクター

広告は、目立ってナンボの世界でもあります。ただ、たとえ派手さはなくても、相手のことを思いやる人間らしい誠実なスタンスこそが、人を動かすということを忘れないでいようと思います。腹の肉を追いやるため、なにか運動をはじめようかと思案中。


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